知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年12月14日~12月18日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は方向感が出にくい状態が続く
2020年12月14日~2020年12月19日の週の日経平均株価は、FOMCを前に方向感が出にくい状態が続くと考えられる。
年末にかけて海外投資家が休暇に入ることに加え、年末のポジション調整売りも入ることから、上値が重い状態が続くと考えられるが、下値も堅いだろう。
先週は利益確定売りなどに押されるも比較的底堅く推移
2020年12月7日~2020年12月12日の週は、これまでの日経平均株価の上昇を受けて、利益確定売りなどに押されたものの、比較的底堅く推移した。
7日(月)は、前週末の米雇用統計の結果が事前予想を大幅に下回ったことが懸念材料となり、下落。
8日(火)も前日のNYダウの下落を受けて軟調となったが、9日(水)には米追加経済対策に関する与野党協議への期待感と、英国で新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしたことが好感され、反発。
また、10月の日本の機械受注が事前予想を上回ったことも、株価の上昇を後押しした。
10日(木)は、前日の米国市場で米追加経済対策を巡り、米民主党が失業保険に関する提案を受け入れられないと反発したことから、米与野党の年内合意の可能性が遠ざかったとの見方が優勢となり、NYダウが反落。
これを受けて日経平均株価も下落した。
11日(金)は、前日発表された前週分の米新規失業保険申請件数が事前予想を上回ったことが懸念され、日経平均株価は下落した。
また、週末のポジション解消の売りが入ったことも、株価の下落を後押しした。
海外投資家を中心に商いが薄くなってきている
このように、2020年12月7日~2020年12月12日の週は、5営業日中4営業日で下落したものの、前週末比98円安となったことを考慮すると、概ね底堅く推移したと言えるだろう。
一方で、9日(水)の反発は350円と、7日(月)、8日(火)の下落を上回るものとなったが、その後の反落を考えると上値は重いと言えよう。
その原因として、前述したとおり、米国の追加経済対策の年内合意の可能性が薄くなったことや、米国の雇用状況の悪化などが挙げられるが、海外投資家を中心に商いが薄くなってきていることも一因となっている。
クリスマスが近づいてきていることから、海外投資家の取引が徐々に少なくなってきているのだ。
それに加え、10月の終わりからの日経平均株価の上がり方は急すぎた。
急激な上がり方に、市場では高値警戒感が広がっていたものの、そのまま上昇が続いたのだ。
しかし、ここに来てようやく上昇一服となり、調整局面に入ったと考えられる。
そのため、26,800円台からの上昇が鈍く、軟調地合いとなったのだろう。
FOMC(米連邦公開市場委員会)での追加緩和公表するのか?
上値の重い日経平均だが、そんな中で注目されるのが、15日(火)と16日(水)に開催されるFOMCである。
10日(木)に開催されたECB理事会では、追加の金融緩和策を打ち出した。
内容としては、資産買い入れ額を5,000億ユーロ拡大し、期間は2022年3月までと9カ月間延長する、というものになっている。
これを受けて、今月のFOMCでも追加緩和が期待されているのだ。
12月4日(金)に発表された11月の米雇用統計は、10月の前月比61万人増に対し同24.5万人と大幅鈍化した。
また、すでに書いたように、10日(木)に発表された前週分の米新規失業保険申請件数は85.3万件と事前予想の72.5万件を上回ったうえ、前週の71.6万件をも上回り大幅に悪化している。
期待されている米追加経済対策も、米与野党協議の難航が続き、年内合意は難しそうだ。
そのため、フォワードガイダンス(金融指針)の強化のみならず、追加緩和があるのではないかとの見方が浮上しているのだ。
このことから、2020年12月14日~2020年12月19日の週の日経平均株価は、FOMCの動向に左右されやすいと考えられる。
もしも米国債の買い入れ増額などが発表された場合は、市場は好感し、再びリスクオンムードとなる可能性がある。
その場合、日経平均株価は27,000円台が視野に入るだろう。
クリスマス休暇近いのでポジション解消の売りが出やすい
ただ、時期的に欧米がクリスマス前ということもあって、相場の盛り上がりはそこまで強いものにならない可能性がある。
また、年末に向けてポジション解消の売りが出やすくなるため、このことも相場を下押しするだろう。
それでも、FDAが米ファイザーの新型コロナワクチンに対し前向きな判断を下していることや、米モデルナのワクチンの緊急使用許可申請が17日(木)の会合で取り上げられる等、新型コロナワクチンの実用化に関する進展が材料となり、底堅さは続くだろう。
それに加え、日銀も17日(木)と18日(金)に金融政策決定会合を開催するが、ここで資金繰り支援プログラム期限を延長するとの見方が強まっている。
もしも予想通りの展開となれば、このことも相場の下支え材料になるだろう。
今週の重要経済指標は?
また、2020年12月14日~2020年12月19日の週は、14日(月)に10-12月期日銀短観・四半期大企業製造業景況判断、15日(火)に11月米鉱工業生産、16日(水)に11月米小売売上高、17日(木)に11月米住宅着工件数が発表される。
これらの結果にも注意が必要だ。
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