知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2020年12月7日~12月11日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週の日経平均株価は堅調に推移か
2020年12月7日~2020年12月12日の週の日経平均株価は、前週に引き続き、概ね堅調に推移すると考えらえる。
2020年11月30日~2020年12月5日の週は利益確定売りなどに押される場面もあったが、堅調に推移した。
30日(月)は、材料難やMSCI指数のリバランスがあったことに加え、前週の日経平均株価が上昇一辺倒だったため、利益確定売りが優勢となった。
しかし、1日(火)には、米製薬会社のモデルナが開発中の新型肺炎ワクチンの緊急使用を米当局に申請したことが報じられたため、再び買い優勢に。
ただ、2日(水)、3日(木)と利益確定売りが入ったことから上昇したものの上値が重く、4日(金)は週末のポジション解消の利益確定売り優勢となったため、下落した。
また、前日の米国市場で、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの年内供給量が当初目標の半分にとどまると報道されたことも、4日(金)の株価下落の原因になった。
それでも下落幅は前日比58円13銭安と小幅にとどまり、日経平均株価は底堅く推移したと言える。
日経平均株価の上昇は強く、2日(水)は26,889円台まで強含む場面もあった。
とはいえ、過熱気味との見方も根強く、利益確定売りも入りやすくなっているようだ。
ただ、本格的な調整には至っておらず、このまま27,000円台を目指す可能性もある。
感染者数の増加するも過剰流動性相場が続く
一方で、日本国内での新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念され、特に感染者数の増加が顕著な都道府県では、飲食店を中心に時短営業や休業要請が行われる事態となっている。
今年の春と同じような状況になりつつあるものの、それでも株式市場は、カネ余りを背景に過剰流動性相場が続きやすいと考えられ、底堅く推移するだろう。
また、今回下押し材料となった、ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの供給量についての件は、一時的な下押し材料であると考えられる。
新型コロナウイルスワクチンについては、米モデルナのワクチンも、1日(火)に米当局にワクチンの緊急使用許可を申請した。
今月17日にも審査が行われ、クリスマスまでの間に承認される可能性が高いと報じられている。
そのため、ファイザーのワクチンの供給量が当初の想定の半分となっても、モデルナのワクチンもあることから、市場はそれほど悲観しないと考えられるのだ。
市場の関心は米国の追加経済対策に
また、市場の関心は米国の追加経済対策にも集まっている。
4日(金)に発表された11月の米雇用統計は、事前予想の前月比+46.9万人を大幅に下回る+24.5万人、11月の失業率は、事前予想の6.8%を若干下回る6.7%となった。
冴えない結果となったものの、NYダウは堅調に推移し、4日(金)の終値は30,218.26ドルと、再び3万ドル台に乗せた。
また、ドル円の下落も限定的なものにとどまっている。
この背景には、軟調な11月の米雇用統計の結果を受けて、米追加経済対策を巡る協議が加速するのではないかとの期待がある。
今回の結果から米国の雇用の伸びは大幅に鈍化していることが伺えるが、その一方で、新型コロナウイルスワクチンの年内供給の見通しは明るく、ワクチンの供給により、景気回復が本格化すると考えられているのだ。
これらが市場の注目材料となっているため、今回の軟調な雇用統計の結果はさほど問題視されなかった。
このことを受けて、日経平均株価も底堅い動きが続くだろう。
そのため、2020年12月7日~2020年12月12日の週の日経平均株価は、概ね堅調にすると考えられる。
新型コロナウイルスのワクチンの供給が目前に迫っていることに加え、米国の追加経済対策が安心材料になるだろう。
メジャーSQと米国の政治動向
ただ、そんな中で荒れ相場を引き起こす可能性があるのが、11日(金)のメジャーSQだ。
変動幅が大きくなることがあるため、注意が必要だ。
また、注意したい点として、米国の政治動向が挙げられる。
現在も米国では今回の大統領選を巡り政治的混乱が続いていて、集計に問題があったとされる州については、現在も訴訟が行われている。
8日(火)が州の選挙結果認定の期日となっているが、すんなり決まるかどうか、雲行きが怪しい。
新型コロナウイルスワクチンの供給が近いため、市場には安心感が広がっているが、本問題の動向次第では米国市場に大きな下押し圧力がかかる可能性もあるので、注意が必要だ。
今週は米国による新型コロナウイルスワクチンに関する諮問委員会に注目
また、2020年12月7日~2020年12月12日の週は、10日(木)に11月の米消費者物価指数が発表されるほか、ECBの定例理事会と、ラガルドECB総裁の定例記者会見、米国による新型コロナウイルスワクチンに関する諮問委員会が開かれる。
11日(金)については、早ければ米国で医療従事者や高齢者に対し、優先的に新型コロナワクチンが接種される見通しのため、その動向に注意したい。
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