知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年1月11日~1月15日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
先週の振り返り
2020年1月4日~2021年1月9日の週は1月4日から1月6日までは続落したものの、その後は上昇に転じた。
新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、首都圏で緊急事態宣言の再発令が検討されているとの報道があったことが下落の原因となった。
1月7日以降、日経平均株価が上昇したのは、米上院選で米民主党が2議席獲得したことを受け、次期政権が主張している財政出動への期待が高まったことが主因である。
これにより、6日には米10年債利回りが上昇し、昨年3月以来の1%超えとなった。
NYダウは大幅に上昇し、その流れが日本の株式市場にも波及した形だ。
なお、1月8日の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したことから、前日比648円90銭高の大幅上昇となり、28,000円台を回復。
終値と取引時間中の高値は、バブル崩壊後の最高値を更新した。
今後も新型コロナウイルスの新規感染者数の動向には注意が必要
このように、2020年1月4日~2021年1月9日の週は、前半は軟調、後半は好調と明暗がはっきりした。
前半の下落は緊急事態宣言が原因だが、前回とは異なり、今回は首都圏を対象としていること、また、飲食店の営業時間の短縮が中心となっていることから、下落は限定的なものにとどまっている。
しかし、感染者数の拡大は継続していて、大阪府、京都府、兵庫県の3府県も新型コロナウイルスの拡大を警戒し、政府に対して緊急事態宣言を出すように要請することを1月8日に決定した。
この3府県では、8日の新規感染者数が過去最多を更新している。
首都圏に続き、関西圏も緊急事態宣言が発出されれば、再び投資家心理を冷やすことになるだろう。
今回の緊急事態宣言の発出が市場に与えたインパクトは前回ほどのものではないが、感染者数の拡大がこのまま続くようであれば、より強い対策がとられる可能性もある。
そのため、今後も新型コロナウイルスの新規感染者数の動向には注意が必要だ。
米10年債利回りは久しぶりに1%を回復
また、先ほど書いたように、米上院選の決選投票で、民主党候補が2議席を獲得した。
6日の時点では、まだ「優勢の見通し」という段階であったが、大統領に加え、米上下両院の過半数が民主党になる「ブルーウェーブ」の状態になるとの見通しが強まったことから、米10年債利回りが上昇したのだ。
そもそも米10年債利回りは、コロナショック前には1.6%ほどあったが、コロナショックにより低迷した景気の下支えを目的に大規模な金融緩和が行われたため、低下した後も低水準の状態が続いてきた。
その後、新型コロナウイルスワクチンの開発が進展し、実際に接種が英国や米国でスタートしたことが市場では好感され、株価は上昇している。
しかし、金融緩和が長期的に続く見通しであるため米10年債利回りの反応は鈍く、利回りが1%を下回る状態が継続していたのだ。
それが今回、ブルーウェーブの見通しが強まったとして、久しぶりに1%を回復した。
このことが欧米の株高につながり、日経平均株価の上昇要因になったと考えられる。
日経平均株価は堅調に推移
2021年1月11日~2021年1月16日の週も、米株高にけん引され、日経平均株価は堅調に推移するだろう。
なお、8日に発表された12月の米雇用統計は、同月の非農業部門雇用者数変化(前月比)が事前予想の+7.1万人に対し、-14.0万人と予想外のマイナスとなったが、米国の次期政権が大型経済対策を行うとの見方から、ナスダック総合指数とNYダウは史上最高値を更新している。
このことから、日経平均株価も引き続き底堅い展開が続くと考えられる。
今週の推奨セクターは?
また、2021年1月11日~2021年1月16日の週で推奨したいセクターは、海運、電気機器、機械である。
これらのセクターはコロナショック以降、年末年始までに株価が回復した。
米10年債利回りの1%台回復は、これらのセクターの株価を押し上げたが、コロナ禍が収束し、景気回復が鮮明になるまで金融緩和は続く見通しだ。
そのため、米10年債利回りが長期的な上昇トレンドに転じるとは考えにくく、今回の上昇は短期的なものになるだろう。
従って、その銘柄単独での買い材料があった方が良い。
以上の理由から、海運、電気機器、機械の中でも特に業績改善の兆候がみられるものに注目したい。
今週の非推奨セクターは?
反対に避けたいのは、空運、鉱業、電気ガスである。
いずれもコロナ禍の影響から業績が低迷し、回復までに時間を要すると考えられるため、株価が上昇トレンドに転じるには時間がかかるだろう。
第3四半期決算発表も本格化
なお、2021年1月11日~2021年1月16日の週は、13日(水)に12月米消費者物価指数、15日(金)に12月米小売売上高、12月鉱工業生産、1月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)が発表される。
これらの経済指標の結果には注意が必要だ。
また、2月決算企業の第3四半期決算発表も本格化するため、こちらにも注目したい。
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