知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年3月22日~3月26日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週は、米長期金利や米国の経済指標の結果を受けて、神経質な展開に
2021年3月22日~2021年3月27日の日経平均株価は、米長期金利や米国の経済指標の結果を受けて、神経質な展開になりやすいと考えられる。
先週の振り返り
3月15日~3月20日の日経平均株価は、FOMCを前に上値の重い展開が続いたものの、3万円台を回復。
しかし、週末に一転して29,700円台に沈んだ。
15日(月)は、前週末にNYダウが史上最高値を更新したことや円安を受けて、日経平均株価は上昇したが、次第に売りに押され、小幅高にとどまった。
16日(火)は、米国の追加経済対策による景気押し上げ効果などへの期待感から、日経平均株価は上昇し、一時3万円台を回復した。
しかし、FOMCを前に積極的に上値を追う展開にはならず、前日比154円高で取引を終えた。
17日(水)は、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の会見を前に上値の重い展開となり、ほぼ横ばいに。
18日(木)は、前日の米FOMCで2023年末までのゼロ金利政策維持が表明され、パウエルFRB議長が早期金融引き締めについて「程遠い」との認識を示したことから、日経平均株価は一時500円超まで上昇し、3万円台を回復して取引を終えた。
ただ、この日のNYダウが米長期金利の再上昇を受けて反落したため、19日(金)の日経平均株価は一転して軟調に。
さらに、日銀がETF買い入れ対象をTOPIX連動型に限定すると決めたことも相場の下押し材料となり、日経平均株価は前日比424円70銭安の29,792円05銭で取引を終えた。
このように、19日(金)に日経平均株価は一転して軟調になった。
日経平均株価の大幅下落は、値嵩株であるファーストリテイリング(9983)の下落に引きずられたことが主な原因だ。
この日は、東証一部上場銘柄の多くが後場に上昇し、TOPIXは30年ぶりの水準を回復した。
日銀がETFの買い入れをTOPIX連動型に限定したことは、ファーストリテイリングにとっては悪材料だが、株式市場全体にとってはそうではない、ということだと考えられる。
不安要素はやはり米長期金利の上昇
2021年3月22日~2021年3月27日の日経平均株価は、米長期金利の動向に左右されやすくなるだろう。
目下のところ不安要素となっているのが、米長期金利の上昇だ。
17日(水)のFOMCでは、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を表明し、終了後の会見で、パウエルFRB議長はテーパリングについて、まだ検討開始の時期ではないとの見方を示した。
一方で、米金利上昇へのけん制はなく、容認スタンスが改めて示された形だ。
早期金融引き締めへの懸念が後退し、ゼロ金利政策が維持される見通しとなったことから、米長期金利の上昇はいったん落ち着きを見せたが、足元では、再び上昇している。
その原因は、米大手銀行の資本規制緩和の特例が、3月末で終了することにある。
FRBは19日(金)に、コロナ禍により導入された、大手銀行が対象となる銀行自己資本規制の補完的レバレッジ比率に関する緩和措置について、延長せず、期限の3月末で終了すると発表した。
大手銀行が規制順守のために米国債を売却するとみられ、米長期金利の上昇圧力になることから、米10年債の利回りが上昇している。
また、米国の大規模な経済対策とそれに伴う景気回復への期待感も、長期金利の上昇を後押ししている模様だ。
先日のFOMCでいったん落ち着きを見せたかに思えた米長期金利だが、しばらくは不安定な状態が続きそうである。
22日(月)に2月米中古住宅販売件数、23日(火)に2月米新築住宅販売件数、25日(木)に10-12月期米四半期GDPなど米国の経済指標が発表されるが、その結果に反応し、日米の株価指数が神経質な動きを見せる可能性があるため、注意が必要だ。
このようなことから、2021年3月22日~2021年3月27日の日経平均株価は、もみ合いになりやすいと考えられる。
今週の推奨セクター
なお、2020年3月22日~2021年3月27日の週で推奨したいセクターは、前週同様、金融である。
それに加え、海運も推奨したい。
船舶投資の一時的な停滞や、提携の集約が進んだことから、以前のような供給過多にはならず、需給バランスが改善すると考えられる。
それに伴い、海運会社の業績回復と拡大が期待できることが好材料である。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、ハイテク関連である。
ハイテク関連については、コロナ禍の恩恵を受けて割高水準となっている。
米国の大規模な景気対策法案を受け、株式市場は景気敏感株を選好するなど、コロナ後に視点が移っているようだ。
そのため、ハイテク関連はしばらく軟調に推理するだろう。
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