知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年5月17日~5月21日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
米長期金利の不安定な動きが懸念
2021年5月24日~2021年5月29日の日経平均株価は、引き続き、米国市場の動向に左右されやすい状態になると考えられる。
米経済指標の結果により、米長期金利が不安定な動きを見せる可能性があり、それが日米の株価急落や急騰を引き起こすこともあるため、注意が必要だ。
先週はは方向感の出ない展開
今週、5月17日~5月22日の日経平均株価は方向感の出ない展開が続いた。
17日(月)は、序盤は前週末の米国株高を受けて上昇したものの、次第に利益確定売り優勢となり、下落に転じた。
18日(火)は、値嵩株を中心に押し目買いや買い戻しが入り、日経平均株価は上昇したが、翌19日(水)は、前日のNYダウの下落を受けて再び売り優勢に。
20日(木)は、序盤はNYダウが3日連続で下落したことが嫌気され、日経平均株価は続落して始まったが、売り一巡後は買い戻しや押し目買いにより、日経平均株価はプラス圏に浮上し、小幅上昇した。
21日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが上昇したことから、買い優勢に。
時間外のNYダウ先物も堅調に推移したことから、前日比219円58銭高の28,317円83銭で取引を終えた。
このように、5月17日~2021年5月22日の日経平均株価は、主に米国市場の動向に左右される展開となった。
20日(木)までは一進一退の展開が続いたが、21日(金)はプラス圏で取引を終え、週間では上昇している。
前週末のNYダウが上昇したにもかかわらず、17日(月)に日経平均株価が下落したのは、日本国内での新型コロナウイルスワクチン接種の遅れや、台湾、シンガポールでの新型コロナウイルス感染拡大が原因だ。
19日(水)の下落は、前日に発表された4月米住宅着工件数が、事前予想の171万戸を下回る156.9万戸になったことが懸念され、この日のNYダウが下落したことが原因となった。
また、21日(金)の上昇は、前日に発表された前週分の米新規失業保険申請件数が、事前予想の45.0万件を下回る、44.4万件と改善したことからNYダウが上昇したことが原因である。
このように、日経平均株価は米国の経済指標の結果を受けやすい状態にある。
しかし、例えば20日(木)は、前日のNYダウがビットコインの急落による投資家心理の悪化で下落したにも関わらず、日経平均株価は小幅上昇して取引を終えていることや、21日(金)の日経平均株価の上昇が堅調になったことはポジティブだ。
日経平均株価の上値抑制要因となっていた、日本国内での新型コロナウイルスワクチンの遅れは、大規模接種の開始によって徐々に解消される見通しだ。
そのため、まだ日経平均株価の上値が重い状態は続くと考えられるが、このことが織り込まれるに従い、解消されていくだろう。
引き続き日経平均株価は米国の経済指標の結果を受けやすい状態
2021年5月24日~2021年5月29日も、日経平均株価は、引き続き米国市場の動向を受けやすいだろう。
25日(火)の4月新築住宅販売件数、27日(木)の4月米耐久財受注など、米国での経済指標の発表には引き続き注意したい。
例えば、25日(火)の4月新築住宅販売件数に関しては、現在、米国ではコロナ禍による在宅勤務やリモート学習により、国内西部の一部地域を除き新築住宅への需要が急増している。
そのため、4月23日に発表された3月米新築住宅販売件数(季節調整済み)は、事前予想の88.6万件を大幅に上回る102.1万件となり、前月比+20.7%と急増した。
今回は95.5万件と前回を下回る予想だが、事前予想を上回るようであれば、米国の住宅メーカーなど関連銘柄には追い風になるだろう。
ただ、中古住宅に続き、新築住宅でも在庫不足が見られるようなら、価格の押し上げや販売件数の低下、売れ残りにつながることが懸念材料となるため、注意が必要だ。
また、28日(金)の米4月個人消費支出は前回を上回る予想となっているが、事前予想と同等または超える結果となれば、インフレ圧力が強まり、米長期金利の上昇につながる可能性も考えられる。
このように、米経済指標の結果によって米長期金利が不安定な動きを見せるようであれば、それに伴い、日米の株価も神経質な展開になると考えられるため、引き続き注意したい。
今週の推奨セクター
2021年5月24日~2021年5月29日の週で推奨したいのは、金融や素材などの景気敏感株である。
米国では、これら景気敏感株が買われている。
米長期金利の上昇が懸念されて売られた場合も、押し目買いが入りやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、先週に引き続き、石油関連である。
イランのロウハニ大統領は、イラン核合意に向けて、米国が同国への制裁解除を用意すると述べており、このことが原油相場の下押し圧力となっている。
本件に進展があるまでは、イランへの制裁解除の観測によって原油相場が軟調に推移し、石油関連銘柄には下押し圧力がかかりやすくなるだろう。
今週の経済指標
なお、5月24日~2021年5月29日の週は、25日(火)に米4月新築住宅販売件数、5月米消費者信頼感指数、27日(木)に米1-3月期 四半期GDP(改定値)、4月米耐久財受注、前週分米失業保険申請件数、前週分米失業保険継続受給者数、28日(金)に米4月個人消費支出が発表される。
これらの結果にも注目したい。
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