知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年7月5日~7月10日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
今週も方向感の出にくい展開が続く
株価は、主要な米経済指標の発表が少ないことから、方向感の出にくい展開が続くと考えられる。
先週の日経平均株価買いが続かず軟調な展開
2021年6月28日~7月3日の日経平均株価は4日続落後、小反発した。
28日(月)は、前週末のNYダウが上昇したことを受け、日経平均株価も前営業日比プラスで始まった。
景気敏感株を中心に買われたが、失速して29,000円台でもみ合いに。
利益確定売りに押され、前営業日比18円16銭安で取引を終えた。
29日(火)は、前日のNYダウが下落した流れを引き継ぎ、日経平均株価も前日比300円超下落するなど軟調に推移し、前日比235円41銭安で取引を終えた。
30日(水)は、前日の米国市場で4月の住宅価格指数が過去最大の伸びとなり、また、6月消費者信頼感指数もコロナ禍前の水準を回復したことが好感され、日経平均株価は寄り付き直後に前日比186円高まで上昇。
しかし、利益確定売りに押され、前日終値付近まで下落しもみ合いとなり、前日比21円08銭安で取引を終えた。
1日(木)は、6月米ADP雇用統計が事前予想を上回ったことが好感され、日経平均株価は前日比プラスで始まった。
しかし、その後はマイナス圏に沈んで前日終値を挟んで小動きになり、前日比84円49銭安と4日続落した。
2日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが上昇したことを受け、一時142円高となったものの、その後は伸び悩む展開に。
米雇用統計の発表を前に様子見ムードが広がり、小動きとなった。
最終的に日経平均株価は、前日比76円24銭高の28,783円28銭と5営業ぶりに小反発して取引を終えた。
このように、2021年6月28日~7月3日の日経平均株価は、買いが続かず軟調で、再び29,000円台を割り込んだ。
その原因となったのは、米雇用統計である。
発表を前に様子見ムードが広がったため、積極的な商いが手控えられた。
引き続き上値が重く一進一退の展開が続く
2021年7月5日~2021年7月10日の日経平均株価は、引き続き上値が重く、一進一退の展開が続くと考えられる。
2日(金)に発表された6月の米雇用統計は、6月非農業部門雇用者数変化(前月比)が事前予想の70.0万人に対し85.0万人と上振れ、前回の58.3万人から大幅に改善した。
一方で、失業率は事前予想の5.7%に対し5.9%となり、前回の5.8%から悪化している。
米国の雇用改善が順調に進んでいることが伺える内容となったが、過熱感はなく、早ければ8月下旬にジャクソンホールで開催される年次会合で、FRBが金融緩和縮小について明らかにするとの見方が後退した。
2021年7月5日~2021年7月10日の日経平均株価にとって、このことはプラス材料になるだろう。
ただ、注目度の高い経済指標の発表が少ないことがネックとなり、全体的に方向感に欠ける展開になりやすいと考えられる。
5日(月)は独立記念日で米国市場が休場となるため、その前後は特に方向感が出にくくなるだろう。
また、東京オリンピックの開催が間近に迫るなか、東京における新型コロナウイルスの新規感染者数が再び増加傾向にあることにも注意したい。
ETFの分配金に絡む先物売りにも警戒が必要
さらに、2021年7月5日~2021年7月10日の週は、ETFの分配金に絡む先物売りにも警戒が必要だ。
ETFの分配金支払いは毎年7月に集中するが、今年は8日と9日の分配金基準日が多く、現金化のための売りは8,000億円規模と言われている。
今週の推奨セクター
なお、2021年7月5日~2021年7月10日の週で推奨したいのは、IT関係である。
6月調査の日銀短観によれば、2021年度ソフトウェア投資額は、全産業(含む金融機関)で前年比+16.1%(前回調査比5.0%上方修正)となっている。
過去最高だった2019年度9月調査を上回る水準であることから、企業のIT投資に対する意欲の高さが伺えるため、IT関連企業への追い風が続くと考えられる。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、半導体製造装置メーカーのうち、後工程メーカーである。
短期的な受注調整が懸念されるため、売られやすいと考えらえる。
また、機械に関しても、工作機械受注が4月~6月に最も伸長するとみられていることや、インフレ、コンテナ船の運賃上昇などが重しとなり、株価が伸び悩む可能性がある。
今週の経済指標
なお、2021年7月5日~2021年7月10日の週は、6日(火)に米ISM非製造業景況指数、6月米サービス部門PMI、6月米総合PMI、7日(水)にFOMC議事要旨が発表される。
現在、金融緩和の早期縮小への懸念は後退しているが、7日(水)のFOMC議事要旨の内容には注意が必要だ。
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