知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年7月12日~7月17日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
本格的な上昇トレンドには転じにくいか
2021年7月12日~2021年7月17日の日経平均株価は、買い戻しが入りやすいと考えられるが、本格的な上昇トレンドには転じにくいだろう。
先週の日経平均株価は軟調に推移
2021年7月5日~7月10日の日経平均株価は軟調に推移し、28,000円を割り込んだ。
5日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが、6月の米雇用統計の結果から金融緩和縮小の前倒しに対する警戒感が和らぎ上昇したのと反対に、円安進展の一服から売り優勢となり、前営業日比185円09銭安で取引を終えた。
6日(火)は、欧州株の堅調を受けて買い戻しが入ったが、上値は重く、日経平均株価は前日比45円02銭高と小幅高で取引を終えた。
7日(水)は、6月米ISM非製造業景況指数が事前予想を下回ったことから前日のNYダウが下落したため、日経平均株価は一時前日比480円超下落。
また、ETFの分配金捻出売りに対する警戒感も下押し材料となった。
売り一巡後は押し目買いが入ったが、日経平均株価は前日比279円39銭安で取引を終えた。
8日(木)は、政府が東京都に4度目の緊急事態宣言を発出する方針であるとの報道が嫌気されて内需株を中心に売られ、日経平均株価は前日比248円92銭安で取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが、デルタ株の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて下落したため、軟調な展開に。
日経平均株価は取引時間中、約2週間ぶりに28,000円台を割り込み、前場には前日比698円安まで下落する場面もあった。
しかし、後場に入ると買い戻しが入ったため、前日比177円61銭安の27,940円42銭で取引を終えた。
デルタ株の感染拡大が世界的に急拡大が懸念材料
このように、2021年7月5日~7月10日の日経平均株価は軟調で、27,000円台まで水準を下げた。
米国の景気の鈍化に加え、ETFの分配金捻出売りに対する警戒感が強かったことが原因になったと考えられる。
2021年7月12日~2021年7月17日の週はETFの分配金捻出売りが一巡するため、買い戻しが入りやすいと考えられるが、日経平均株価は強い上昇トレンドにはなりにくいだろう。
なぜなら、デルタ株の感染拡大が世界的に急拡大しているからである。
このことは、ワクチン接種の進展により持ち直してきた株式市場に冷や水を浴びせるだろう。
CDC(米疾病対策センター)によれば、米国での新型コロナウイルス新規感染のうち、感染力が強く、より重篤化しやすい強いデルタ株が過半数を占めたとのことである。
これを受け、米アトランタ連銀のボスティック総裁は、デルタ株の感染拡大により消費者の行動が抑制され、米国の景気回復が鈍化する可能性があるとの見方を示している。
このデルタ株は、2回ワクチン接種を行った人が6割を占める英国でも急速に感染が広がっており、1日あたりの感染者数は3万人まで急増しているという。
デルタ株に対応したワクチンは現在開発が進められているが、普及するには相応の時間がかかるとみられるため、感染拡大はしばらくの間不安材料として意識されるだろう。
そのため、2021年7月12日~2021年7月17日の週は、米国におけるデルタ株の感染拡大に関する報道に注意が必要だ。
政権の求心力低下も株式市場の懸念材料に
また、日本国内でも、新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず、開催間近の東京五輪も、1都3県での無観客開催が決定している。
北海道については、一転してサッカーが無観客とされたが、感染リスクへの懸念から、マラソンや競歩も無観客になる可能性はゼロではない。
五輪をめぐり右往左往している印象の強い現政権であるが、東京都での4回目の緊急事態宣言の発令に対する批判も多く、求心力の低下が株式市場の懸念材料となっている。
このように下押し材料が多いため、2021年7月12日~2021年7月17日の週の日経平均株価は、買い戻しが入っても、上値の重い状態になりやすいと考えられる。
今週の推奨セクター
なお、2021年7月12日~2021年7月17日の週で推奨したいのは、海運である。
海運は夏に繁忙期を迎え、コンテナ船の運賃は概ね高水準が続くため、夏場は株価が堅調に推移しやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、半導体である。
電子部品が調整している一方、半導体はやや過熱気味となっているため、調整が入りやすいと考えられる。
今週の経済指標など
なお、2021年7月12日~2021年7月17日の週は、13日(火)に6月米消費者物価指数、14日(水)と15日(木)にパウエルFRB議長の上下院での証言(14日:下院金融委員会、15日:上院銀行委員会)、16日(金)に日銀金融政策決定会合、日銀展望レポート、黒田日銀総裁記者会見、6月米小売売上高が予定されている。
経済指標の発表以外に要人発言も予定されていることから注意したい。
中でも、14日(水)と15日(木)の上下院におけるパウエルFRB議長の証言と、16日(金)の黒田日銀総裁記者会見には要注目だ。
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