知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年8月9日~8月14日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
上値は重く、上昇トレンドには転じにくいか
2021年8月9日~2021年8月14日の週の日経平均株価は、米主要株価指数の動向や米経済指標の結果に加え、企業の4-6月期決算の結果にも影響されやすいと考えられる。
ただ、上値は重く、上昇トレンドには転じにくいだろう。
先週の日経平均株価は日経平均株価はもみ合い
2021年8月2日~2021年8月7日の週の日経平均株価はもみ合いとなった。
2日(月)は、前週末の米国市場でNYダウが下落したにもかかわらず、日経平均株価は前週末に大幅下落したことから反発。
前週末比505円超上昇する場面もあるなど強含みで推移し、前週末日比497円43銭高で取引を終えた。
3日(火)は、前日発表の7月ISM製造業景況指数が事前予想に反して低下したことに加え、デルタ株の感染拡大への警戒感から前日のNYダウが下落した流れを引き継いで、日経平均株価は弱含み、前日比139円19銭安で取引を終えた。
4日(水)は、前日のNYダウが上昇したものの、日経平均株価は下落。
27,500円を割り込むと下げ幅を縮めたが、トヨタ自動車(7203)やエーザイ(4523)が決算発表後に材料出尽くしで売られたことが重しとなり、日経平均株価は前日比57円75銭安となった。
5日(木)は、前日発表の7月ADP雇用統計が事前予想を大幅に下回ったことに加え、クラリダFRB副議長が、年内のテーパリング発表と2023年の利上げ開始の見通しを示したことが重しとなり、日経平均株価はマイナス圏でスタートした。
しかし、前日のナスダック総合指数が3日続伸したことが材料となり、日経平均株価はプラス圏に浮上した。
ただ、米雇用統計の発表を翌日に控えて様子見ムードが強く、日経平均株価は前日比144円04銭高の27,728円12銭で取引を終えた。
6日(金)は、前日の東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が初の5,000人越えとなったことに加え、この日発表の6月家計調査で消費支出が事前予想を大幅に下回ったうえ、前年同月比マイナスになったことが重しとなり、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートした。
好業績銘柄を中心に買いが入りプラス圏に浮上したが、上値を追う展開にはならず、日経平均株価は前日比91円92銭高の27,820円04銭で取引を終えた。
米国雇用は改善も新規感染者数急増が重しに
なお、7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比+87.0万人を上回る同+94.3万人となり、7月失業率も事前予想の5.7%に対し5.4%と改善が進んだ。
また、7月の平均時給も前月比、前年同月比ともに事前予想を上回っている。
2021年8月9日~2021年8月14日の日経平均株価は、NYダウなどの米主要株価指数や米国の経済指標の動向に影響される展開が続くと考えられるが、上値は重くなりやすいだろう。
その理由として、新型コロナウイルスの新規感染者数の急増が挙げられる。
首都圏を中心に大幅な増加が続いていることから、日本の景気回復遅れが懸念材料となり、相場を下押しするだろう。
そのため、米経済指標の好調やNYダウ、ナスダック総合指数の強含みといった好材料があっても、日経平均株価は伸び悩むと考えられる。
国内企業の4-6月期決算発表の結果も要注意
nまた、2021年8月9日~2021年8月14日の週も、国内企業の4-6月期決算発表が続くが、その結果には注意が必要だ。
4-6月期決算は、前年同四半期が緊急事態宣言などの影響で業績が低迷した反動で、大幅な増収増益となる企業が多いようだ。
ただ、市場は織り込み済みのため、決算の結果以上に、通期会社計画の上方修正に期待する向きが強いとみられる。
例えば、4日(水)発表のトヨタ自動車(7203)の4-6月期決算は、市場は通期会社計画の上方修正を期待していたが、据え置きとなり、同社株は売られている。
そのため、日経平均株価への寄与度の高い企業の決算には特に注意したい。
例えば、2021年8月9日~2021年8月14日の週は、10日(火)にソフトバンクグループ(9984)の4-6月期決算発表がある。
同社株は日経平均株価への寄与度が高いため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
なお、2021年8月9日~2021年8月14日の週で推奨したいのは、銀行である。
先日のクラリダ副議長の発言により、2023年には米国の利上げが開始する見通しとなっている。
この発言を受けて米10年債利回りは概ね上昇しているが、銀行株にとって利ザヤ拡大につながるため、追い風となるだろう。
また、クラリダ副議長の発言を受けて、米国では景気敏感株を中心に買われている。
銀行株も景気敏感株に分類されることから買われやすく、株価は堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、化粧品の中でも特にインバウンド需要が大きい企業である。
国内外でデルタ株の感染が拡大していることから、海外からの旅行客の受け入れにはまだ時間がかかりそうである。
そのため、軟調が続くと考えられる。
今週の経済指標
なお、2021年8月9日~2021年8月14日の週は、11日(水)に7月米消費者物価指数、13日(金)に8月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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