知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年10月4日~10月9日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
一進一退の展開か
2021年10月4日~2021年10月9日の週の日経平均株価は、一進一退の展開になると考えられる。
先週は9月2日以来の安値に
2021年9月27日~2021年10月2日の週の日経平均株価は、5日続落した。
27日(月)の日経平均株価は、堅調な前週末のNYダウの動向に加え、29日(水)の自民党総裁選への期待感や30日(木)の緊急事態宣言の全面解除が好感されて上昇した。
しかし、中国恒大集団のデフォルト懸念が重しとなり、日経平均株価はマイナス圏に沈むと、前営業日比8円75銭安の30,240円06銭で取引を終えた。
28日(火)は、前日のナスダック総合指数の下落を受けて、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートすると、9月末の配当等の権利付き最終売買日ということもあり、権利落ちを前に海運株などが売られたため、一時30001.99円まで下落した。
ただ、一部の値嵩株が堅調だったため、日経平均株価は前日比56円10銭安と3万円台を維持して取引を終えた。
29日(水)は、前日の米国市場でほぼ全面安となったことに加え、この日が9月末の配当権利落ちだったことから売り圧力も加わり、日経平均株価は3万円を割り込んでスタートすると、前日比800円超下げる場面もあった。
さらに、自民党総裁選で、市場にとって有利とみられていた河野氏の当選の可能性が後退したことも売りを誘い、日経平均株価は前日比639円67銭安で取引を終えた。
30日(木)の日経平均株価の下落は、米国の債務上限問題や、この日発表の中国の9月製造業購買担当者景気指数が、節目の50を下回ったことが懸念材料となり、半導体関連の値嵩株や海運株を中心に売られて軟調に。
日経平均株価は前日比91円63銭安と4日続落して取引を終えた。
1日(金)は、冴えない米経済指標や、米与野党が連邦債務の上限引き上げで合意できなかったことなどから、前日のNYダウが下落したため、日経平均株価は前日比マイナスでスタートした。
日銀短観が市場予想を上回り下げ渋る場面もあったが、NYダウ先物が下落したため、日経平均株価は後場には700円超安となった。
200日移動平均線が意識されて下げ止まったものの、日経平均株価は軟調で、前日比681円59銭安の28,771円07銭と5日続落し、9月2日以来の安値で取引を終えた。
米雇用統計を前に方向感が出にくい
2021年10月4日~2021年10月9日の週の日経平均株価は、NYダウなど米主要指数の動向に左右されて一進一退となり、週半ば頃からは、8日(金)発表の米雇用統計を前に方向感が出にくくなるだろう。
懸念材料になるのは、連邦債務の上限引き上げと中国恒大集団の問題である。
連邦債務に関しては、コロナ禍を受けて特例で時限的に上限を取り払ったものの、今年7月末で特例が終了したことで、現在問題視されている。
米政府が、国債発行などにより、借りられる債務残高枠の上限の引き上げを行わないと、国債の新規発行ができない。
しかし、債務上限の引き上げについて、与野党の合意見通しが立っていないことから、デフォルトが懸念されているのだ。
そのため、イエレン米財務長官は、このまま債務上限が引き上げられない場合は、10月18日頃に政府資金が枯渇すると警告している。
いまだ債務上限の引き上げ目途が立っていないことから、デフォルトリスクは残存しているため、相場の重しになるだろう。
ただ、米民主党は上院で過半数の議席を獲得しているため、単独での上限引き上げが可能なことや、債務上限の適用の再停止といった方法も考えられることから、デフォルトするとは考えにくい。
それでも、本問題の動向が2021年10月4日~2021年10月9日の週の相場に与える影響は大きいとみられるため、注意が必要だ。
また、中国恒大集団の問題については、30日(木)に外国投資家向け債権の利払いを再び見送っていることから、引き続き関連報道には注意したい。
今週の推奨セクター
2021年10月4日~2021年10月9日で推奨したいのは、空運や鉄道、旅行関連である。
30日(木)に緊急事態宣言の解除が行われたことで、これらの銘柄には追い風となるだろう。
実際、航空各社の予約は、宣言解除決定後の29日(水)、30日(木)に急増している。
ワクチン接種の拡大もあり、利用者数の回復が見込まれることから概ね堅調に推移すると考えられる。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、IT関連である。
9月の米FOMC以降、米長期金利が上昇傾向にあり、ナスダック総合指数も下落基調にある。
そのため、IT関連銘柄には下押し圧力がかかりやすいと考えられ、注意が必要だ。
また、引き続き、中国売上比率の高い銘柄についても注意したい。
今週の経済指標
なお、2021年10月4日~2021年10月9日の週は、8日(金)の9月米雇用統計の他に、5日(火)の9月米ISM非製造業景況指数、9月米サービス部門PMI、9月米総合PMI、6日(水)の9月米ADP雇用統計の発表が予定されている。
これらの結果にも要注目だ。
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