知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2021年10月11日~10月16日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
値を戻す展開か
2021年10月11日~2021年10月16日の週の日経平均株価は、押し目買いにより値を戻す展開になると考えられる。
先週の振り返り
2021年10月4日~2021年10月9日の週の日経平均株価は、8月下旬から9月上旬までに上昇した分を打ち消す大幅下落となった。
4日(月)は、前週末のNYダウが上昇したことから日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、すぐにマイナスに沈むと下げ幅を拡大。
中国恒大集団が香港株式市場で取引停止になったことが懸念材料となり、日経平均株価は前週末比326円18銭安で取引を終えた。
5日(火)は、前日のNYダウが反落したことや岸田首相が金融所得課税の見直し検討を明言したことから、日経平均株価は前日比984円安まで下落する場面もあった。
後場に入るとやや下げ渋ったが、日経平均株価は前日比622円77銭安で取引を終えた。
6日(水)は、前日のNYダウが反発したため、日経平均株価は前日比プラス圏でスタート後、上げ幅を拡大したが、中国恒大集団の問題が懸念材料となり、失速してマイナス圏に沈むと、一時500円超安下落した。
押し目買いが入ったものの、日経平均株価は前日比293円25銭安で取引を終えた。
7日(木)は、前日のNYダウが上昇したため、日経平均株価は前日比プラス圏でスタート。
中国の景気に対する懸念などが上値抑制要因となり日経平均株価は上げ幅を縮めたが、前日比149円34銭高と9営業日ぶりに反発して取引を終えた。
8日(金)は、前日のNYダウが3日続伸したため、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートすると、中国株や香港株の上昇を受け、28,300円台まで水準を切り上げた。
ただ、この日は米雇用統計が発表されるため、後場に入ると様子見ムードから小動きに。
日経平均株価は前日比370円73銭高の28,048円94銭で取引を終えた。
押し目買い入りやすいが
2021年10月11日~10月16日の週の日経平均株価は押し目買いが入りやすいと考えられる。
すでに書いたように、2021年10月4日~10月9日の週の日経平均株価は、週の後半にある程度回復したが、戻し切ることなく前週末比722円13銭安で取引を終えている。
岸田首相の掲げる政策が市場で失望視された側面もあるが、それ以上に、中国恒大集団の問題や米国の債務上限問題、米長期金利の上昇、原油高などが下落の大きな原因になったと考えられる。
そんな中、週の後半に日経平均株価が上昇に転じたことは、ポジティブ材料だ。
懸念材料の一つとなっていた米国の債務上限問題は、7日(木)に米民主党のシューマー上院院内総務が、連邦政府の債務上限を12月まで暫定的に引き上げることで合意したと明らかにし、デフォルトを回避する公算が高まった。
また、ロシアのプーチン大統領が天然ガスの供給増加を示唆し、天然ガスや原油等のエネルギー価格が低下したことや、米長期金利の上昇が一服したこともプラス材料となった。
そのため、押し目買いなどが入りやすく、日経平均株価は値を戻す展開になると考えられるが、中国恒大集団の問題には引き続き注意が必要だ。
9月23日に到来したドル建て社債の利払い約8,300万ドルは、このまま支払われなければ10月23日にデフォルトとなる。
また、中国恒大集団傘下の恒大地産がオーナーとなり、恒大集団が保証しているジャンボ・フォーチュン・エンタープライズのドル建て社債は3日に満期を迎えたが、償還されていない。
5営業日の猶予期間を経た11日(月)に元本が償還されない場合はデフォルトとなる可能性があるが、それに伴い、中国恒大集団の他の社債もクロスデフォルトになる可能性が懸念されているのだ。
国慶節明けの中国株や香港株が落ち着いた動きになったため、いったん本件に対する市場の懸念は後退したが、再び意識される可能性は少なくなく、日経平均株価の下押し材料になる可能性に十分に注意したい。
今週の推奨セクター
2021年10月4日~2021年10月9日で推奨したいのは、海運である。
コンテナ船の市況が良化していることから、海運株は好調が続いてきたが、コンテナ運賃が急落したため、9月の終わり頃から株価は下落傾向にある。
中国の国慶節前の安値販売が原因でコンテナ運賃が急落したとの見方や、海外投資家が9月決算前にいったん利益を確定させたことが海運株の下落につながったとの見方もあるため、現在の軟調は一時的なものである可能性が考えられる。
年末に向けて輸送需要が高まることから、株価の回復に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
反対に避けたいのは、機械関連である。
中国の電力不足が懸念されているが、工作機械メーカーにとって打撃となる可能性があるため注意が必要だ。
また、引き続き、中国売上比率の高い銘柄についても注意したい。
今週の経済指標
なお、2021年10月11日~2021年10月16日の週は、13日(水)に9月米消費者物価指数、FOMC議事要旨の公表、15日(金)に9月米小売売上高、10月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表が予定されている。
これらの結果にも要注目だ。
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