知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年1月17日~1月22日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
方向感の出にくい展開が続く
2022年1月17日~2022年1月22日の週の日経平均株価とNYダウは、米国の急速な金融引き締め懸念が重しとなり、方向感の出にくい展開が続くと考えられる。
先週の振り返り
2022年1月10日~2022年1月15日の週の日経平均株価は軟調に推移した。
10日(月)は、日本は祝日で市場は休場だった。
米国では、FRBによる金融引き締めに対する警戒感が強まり、NYダウやナスダック総合指数は下落した。
11日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の軟調を受けて下落した。
前週末終値近辺まで戻す場面もあったが、この日の夜にパウエルFRB議長の再任に関する米上院の公聴会があるため、様子見ムードが広がり、積極的な買いは手控えられた。
後場も日経平均株価は軟調に推移し、前週末比256円08銭安の28,222円48銭で取引を終えた。
12日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が5日ぶりに反発したことや米金利上昇が一服したことから、日経平均株価も上昇。
後場も日経平均株価は高値圏で膠着状態となり、前日比543円18銭高の28,765円66銭で取引を終えた。
13日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続伸したものの、複数の米連銀総裁による利上げやバランスシートの縮小に対する前向きな発言や米長期金利の上昇、日本国内での新型コロナウイルスの感染者数の急拡大が懸念材料となり、日経平均株価は下落した。
後場に入っても軟調に推移し、日経平均株価は前日比276円53銭安の28,489円13銭で取引を終えた。
14日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて軟調に。
円高も嫌気され、日経平均株価は600円近くまで下落する場面もあった。
後場に入るとやや買い戻しが入ったが、日経平均株価は前日比364円85銭安の28,124円28銭で取引を終えた。
今週の米国市場の見通しについて
2022年1月17日~2022年1月22日の週は、NYダウは早期利上げへの警戒感に上値を抑えられながらも、米企業決算に左右されやすい展開になると考えられる。
2022年1月10日~2022年1月15日の週に警戒された、パウエルFRB議長の再任に関する11日(火)の米上院公聴会では、パウエルFRB議長が、米経済に打撃を及ぼさずに高インフレを抑制するとの見方を示し、市場が警戒していたほどのタカ派的発言は飛び出さなかった。
そのため、安心感が広がったものの、その後、シカゴ連銀のエバンス総裁やセントルイス連銀のブラード総裁が、年4回の利上げが今年行われる可能性に言及したことや、FRB副議長に指名されたハト派寄りのブレイナード理事が、高インフレの抑制に意欲的な姿勢を示し、3月利上げの可能性に言及したことから、米国の早期利上げの対する警戒感が再び広がる形となった。
2022年1月17日~2022年1月22日の週も、引き続き、急速な金融引き締めへの警戒感がNYダウの上値抑制要因になると考えられる。
その一方で、この週にはバンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーといった米金融大手や、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ネットフリックスといった米企業の決算発表もあり、決算の内容が好調なものであれば、米株価の押し上げ要因になるだろう。
そのため、NYダウは方向感の出にくい展開になる可能性が考えられる。
なお、25日(火)と26日(水)には米FOMCが開催される。
ブレイナード理事のみならず、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁も3月の利上げの見通しを示していることから、今回のFOMCでは利上げを示唆する文言が含まれるとの見方もされている。
そのため、2022年1月17日~2022年1月22日の週の終わり頃には、NYダウはFOMCを控えて様子見ムードとなるだろう。
今週の日本市場の見通しについて
また、2022年1月17日~2022年1月22日の週の日経平均株価は、NYダウなど米主要株価指数の動きに基本的には連動し、方向感の出にくい展開になるとみられる。
ただし、仮に米決算の好調を受けて上昇する局面があっても、積極的に上値を追う展開にはなりにくいだろう。
その原因が、足元での新型コロナウイルスの全国的な感染拡大だ。
新型コロナウイルスの感染者数は、オミクロン株の感染が広がったことで増加ペースが急速に上がっている。
第6波への警戒感が広がっているため、2022年1月10日~2022年1月15日の週も、このことが日経平均株価の重しになると考えられる。
今週の推奨セクター
2022年1月17日~2022年1月22日の週に推奨したいのは、海運である。
今年に入ってもコンテナの供給量は大幅に増えることはなく、北米や北欧の主要な港湾の混雑や遅延が今年も継続するとの見方がされていることから、コンテナ船運賃は北米や欧州では高騰が続くと考えられる。
そのため、海運に関しては今後も概ね堅調に推移すると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは通信である。
11日(火)に発表されたQUICK月次調査のセクター判断((株)クイックが毎月、証券会社や銀行などの機関投資家へ行うアンケート)では、通信に対する強気の見方が減少している。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年1月17日~2022年1月22日の週は、17日(月)と18日(火)に日銀金融政策決定会合が開催され、18日(火)には日銀展望レポートの発表と黒田日銀総裁の定例記者会見が行われる。
その他に、21日(金)には日本の12月全国消費者物価指数が発表される。
また、18日(火)に1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、19日(水)に12月米住宅着工件数、20日(木)に1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、12月米中古住宅販売件数、21日(金)に12月米景気先行指標総合指数が発表される。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
なお、17日(月)は米国市場が休場であることにも留意したい。
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