知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年3月21日~3月26日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
懸念材料もあるも回復基調が続く
2022年3月21日~2022年3月26日の週のNYダウと日経平均株価は、不安定なウクライナ情勢が懸念材料となるものの、概ね回復基調が続くだろう。
先週の振り返り
2022年3月14日~2022年3月19日の週の日経平均株価は回復基調が続き、週後半には大幅高となった。
14日(月)は、ロシアとウクライナの停戦交渉に対する期待感の後退や、米FOMCへの警戒感から前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は円安進行を背景に買い戻しが入った。
その後はもみ合いが続き、日経平均株価は前週末日比145円07銭高の25,307円85銭で取引を終えた。
15日(火)は、前日のNYダウがほぼ横ばいで取引を終えた一方、日経平均株価はやや売りが先行してスタートしたが、その後は前日終値を挟みもみ合う展開となった。
後場も米FOMCを前に積極的な売買が行われず、日経平均株価は前日比38円63銭高の25,346円48銭で取引を終えた。
16日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅続伸したことを受けて買い優勢に。
FOMCの結果公表やパウエル議長の記者会見を前に買い戻しが断続的に入ったため上昇したものの、上値を追う展開にはなりにくく、日経平均株価は前日比415円53銭高の25,762円01銭で取引を終えた。
17日(木)の日経平均株価は、前日のFOMC通過後にNYダウが大幅上昇した流れを引き継ぎ、一時940円超高となった。
その後はやや伸び悩む展開となったものの、市場心理の改善から買い戻しが継続し、日経平均株価は890円88銭高の2万6652円89銭で取引を終えた。
18日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇した一方で、日経平均株価は3連休前で利益確定売りが先行したことに加え、ウクライナ問題を巡る不透明感やそれに伴うNY原油先物の急反発などが重しとなり、上値の重い展開に。
後場も小動きとなり、日経平均株価は前日比174円54銭高の26,827円43銭で取引を終えた。
概ね底堅く推移
2022年3月21日~2022年3月26日の週のNYダウと日経平均株価は、ウクライナ情勢や資源高が懸念材料となるものの、概ね底堅く推移すると考えられる。
ポイントとなるのは、やはりロシアとウクライナの停戦交渉だろう。
18日(金)の報道によれば、ウクライナ政府高官は「近く停戦を確信している」「ロシア側が軟化した」と発言するなど、停戦に向けて交渉が進展する可能性があることを示唆している。
一方で、両国の間には溝があり、交渉は難航するとの見方も根強い。
そのため、引き続き本件がNYダウや日経平均株価の懸念材料となると考えられる。
また、ウクライナ情勢悪化に伴う資源価格の不安定な動きにも注意が必要だ。
懸念材料の一つだった米FOMCについては、市場予想どおり0.25ptの利上げが決定され、今回を含め年内7回の利上げが示された。
短期金融市場は、年内の残り7回のFOMCで6~7回の利上げが行われるとの可能性を事前に織り込んでいたため、概ね事前予想通りの内容になったと言えるだろう。
ただ、FOMC参加者の金利予測分布を示すドットチャートでは、利上げ回数7回が16人中5人と最も多かったものの、5回~12回まで人数が分散していることから、FOMC参加者の間でも意見が割れていることが伺える。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で、利上げペースに関して状況を見極めるとしながらも、必要に応じ金融引き締めを加速させることもありうると述べている。
不透明なウクライナ情勢や資源価格、穀物価格の上昇が米国の物価上昇をさらに加速させる可能性もあるため、今後、利上げ幅の拡大や利上げ回数の増加が再び市場で意識される可能性には留意したい。
とはいえ、今回のFOMC通過に伴い、その後のNYダウ、日経平均株価ともに持ち直してきているため、2022年3月21日~2022年3月26日の週もこの流れは続くだろう。
また、ロシアのデフォルト懸念の後退もポジティブ材料である。
ただ、すでに書いたように、ロシアとウクライナの停戦交渉は進展を伺わせる報道がある一方で、それを否定するネガティブな報道もあることから、2022年3月21日~2022年3月26日の週も市場のかく乱材料になるだろう。
そのため、引き続き本件を注視する必要がある。
また、21日(月)は、日本は祝日で休場となるので、この日のニュースや米国市場の動きに注意が必要だ。
日経平均株価についていえば、3月末が近づいてきていることから、配当・優待狙いの買いや機関投資家やファンドによるドレッシング買いへの期待感も相場の下支え材料になるだろう。
今週の推奨セクター
2022年3月21日~2022年3月26日の週に推奨したいのは、農業関連である。
ウクライナ情勢はいまだ解決の目途が立たず長期化も懸念されている。
長期化した場合、ロシアとウクライナはどちらも小麦などの麦類、トウモロコシの世界的な輸出国であるため、世界の食料・飼料価格が最大で約20%上昇する可能性があるとFAO(国連食糧農業機関)が指摘している。
そのため、食料自給率の低い日本の自給率の向上が市場では意識され、農業関連銘柄に思惑買いが入る可能性が考えられる。
今週の非推奨セクター
一方避けたいのは、機械である。
ウクライナ情勢悪化の長期化に伴い資源価格が上昇していることに加え、米国のハリケーンや寒波の影響によるナイロンコネクタなどの部材不足などがしばらくは業績に影響するとみられる。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年3月21日~2022年3月26日の週は、21日(月)にパウエルFRB議長による、全米企業エコノミスト協会の年次会合での講演が行われる。
ここでの同議長の発言には注意が必要だ。
また、22日(火)に3月米リッチモンド連銀製造業指数、23日(水)に2月米新築住宅販売件数、24日(木)に日銀金融政策決定会合議事要旨と2月米耐久財受注、25日(金)に3月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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