知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年3月7日~3月12日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
ウクライナ情勢に左右される展開に
2022年3月7日~2022年3月12日の週の日経平均株価とNYダウは、ウクライナ情勢への懸念から不安定な展開になりやすく、上昇しても上値が重く伸び悩むと考えられる。
先週の振り返り
2022年2月28日~2022年3月5日の週の日経平均株価は、ウクライナ情勢の悪化を受けて下落した。
28日(月)は、プーチン露大統領がウクライナとの高官レベル協議に前向きとの報道を受け前週末のNYダウが大幅上昇したものの、日経平均株価は売り優勢でスタート。
ロシアとウクライナの停戦協議への期待感からプラス圏にいったん浮上したが、再びマイナスに転じるなど不安定な動きになった。
後場も様子見ムードから弱持合いが続いたため方向感が出ず、日経平均株価は前営業日比50円32銭高の26,526円82銭で取引を終えた。
1日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落した一方でナスダック総合指数が小幅上昇したことから上昇し堅調に推移した。
後場も期待感と需給改善からプラス圏でのもみ合いが続き、日経平均株価は前日比317円90銭高の26,844円72銭で取引を終えた。
2日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅続落したことから軟調になり、500円超下落する場面もあった。
後場も安値圏でもみ合う展開となり、日経平均株価は前日比451円69銭安の26,393円03銭で取引を終えた。
3日(木)は、ロシアとウクライナが2回目の停戦協議を計画しているとの報道を受けて前日のNYダウが3日ぶりに大幅反発した流れを引き継ぎ、日経平均株価は一時311円超上昇した。
ただ、積極的に上値を追う展開にはならず、日経平均株価は前営業日比184円24銭高の26,577円27銭で取引を終えた。
4日(金)の日経平均株価は、2月米ISM非製造業景況指数の予想外の悪化を受けて前日のNYダウが下落した流れから、前日比マイナスでスタートすると軟調に推移し、ロシア軍がウクライナ原子力発電所を攻撃したとの報道を受けると、802円超下落する場面もあった。
後場も日経平均株価は軟調に推移し、前日比591円80銭安の25,985円47銭で取引を終えた。
不安定な展開が継続か
2022年3月7日~2022年3月12日の週の日経平均株価とNYダウは、引き続きウクライナ情勢が意識され、不安定な展開になりやすいと考えられる。
NYダウ、日経平均株価ともに、上昇する場面があっても息の長いものになりにくいだろう。
ウクライナ情勢は、28日(月)に1回目の停戦協議が行われ、ロシア側がウクライナの非武装化・中立化を、ウクライナ側は即時停戦とクリミア半島やウクライナ全土からのロシア軍の撤退を要求したが、結論には至らず、3日(木)に2回目の停戦協議が行われた。
2回目の停戦協議では、攻撃される都市から市民を脱出させる人道回廊の必要性で両国の認識が一致したものの、4日(金)にウクライナのザポロジエ原子力発電所がロシア軍に攻撃され、火災が発生したとの報道がされた。
このように、ウクライナ情勢は停戦に向けた交渉が行われているが、合意の見通しは立っていない。
4日(金)の報道によれば、3回目の協議が週明けに行われる見通しとのことだが、早期停戦の見込みは立っておらず、ロシアが核を使用する可能性も懸念されているため、2022年3月7日~2022年3月12日の週の日経平均株価とNYダウの重しになると考えられる。
また、2022年3月7日~2022年3月12日の週は、10日(木)にECB理事会が開催されるが、ここでの内容が、11日(金)以降のNYダウの動向に影響する可能性には留意したい。
FOMCは翌週の16日(水)に行われるが、それに先立ち、パウエルFRB議長は2日(水)の議会証言で3月の25bpの利上げを正式表明した。
パウエルFRB議長は、インフレの高止まり、または高い状態が長期化した場合は、25bpより大きな幅で引き上げることを明言している。
4日(金)に発表された米雇用統計は、2月非農業部門雇用者数変化が事前予想の40.0万人を大幅に上回る67.8万人、2月失業率も事前予想の3.9%を下回る3.8%と良好な結果になった一方で、2月の平均時給は前月比、前年同月比とも事前予想を下回った。
賃金の伸びが減速したことから、強いインフレ圧力がやや落ち着いたとみられるため、大幅利上げへの懸念はいったん後退したと考えられるものの、10日(木)の2月米消費者物価指数の結果には注意が必要だ。
もしも事前予想を上回った場合には、大幅利上げに対する市場の警戒感が再び強まると考えられ、NYダウの下押し要因になるだろう。
不安定なウクライナ情勢と相まって大幅下落する可能性があり、その場合は翌日の日経平均株価にも強い下押し圧力がかかると考えられる。
そのため、2月米消費者物価指数の結果を注視したい。
今週の推奨セクター
2022年3月7日~2022年3月12日の週に推奨したいのは、食品である。
ウクライナ情勢の悪化により、投資家のリスク回避姿勢が強まっているため、景気動向に比較的左右されにくい食品関連は選好されやすいと考えられる。
ウクライナ情勢の緊張緩和がいつになるのか見通しが立てにくく、ユーロ安が続くと考えられることから、食品の中でも、比較的ユーロ安の影響を受けにくいものに注目したい。
なお、小麦の価格が高騰しているため、食品の中でも小麦を使用した製品の割合が高いものは避けた方が良いだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、製紙、タイヤである。
原油価格が上昇傾向にあるため、これらの業種にとってはコスト上昇要因となる。
業績下押しの懸念から株価は軟調に推移しやすいと考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年3月7日~2022年3月12日の週は先ほど挙げた10日(木)のECB理事会と2月米消費者物価指数の他に、9日(水)に日本の10-12月期四半期GDP、11日(金)に3月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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