知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年3月14日~3月19日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
ウクライナ情勢に左右され不安定な展開に
2022年3月7日~2022年3月12日の週の日経平均株価とNYダウは、引き続きウクライナ情勢の悪化を受けて、値動きが大きく、不安定になりやすいと考えられる。
米FOMCも開催するため、特に週の前半は様子見ムードから上値が重くなりやすいだろう。
先週の振り返り
2022年3月7日~2022年3月12日の週の日経平均株価は変動幅が大きく不安定な展開となり、週間では前週末比822円超安と大幅下落した。
7日(月)は、ウクライナ情勢の不安定化と、WTI原油が2008年7月以来の高値を記録したことが懸念されて前週末のNYダウが下落した流れを引き継ぎ、日経平均株価は一時979円超と大幅下落した。
後場も、ウクライナ情勢への懸念や原油価格高騰による企業利益圧迫への懸念が広がったことに加え、アジア株やNYダウ先物の下落を受けて軟調に推移し、日経平均株価は前週末比764円06銭安の25,221円41銭で取引を終えた。
8日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅に3日続落したことから、軟調に。
25,000円を割り込む場面もあったが、下値では押し目買いが入り下げ渋った。
後場も、ウクライナ情勢の不透明感やアジア株安を背景に日経平均株価は軟調に推移し、前日比430円46銭安の24,790円95銭で取引を終えた。
9日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したにも関わらず、日経平均株価は自律反発狙いの買いも入り、NYダウ先物の上昇も後押しして25,000円を回復。
しかし、売りに押されて上げ幅を縮め、再び25,000円割れとなった。
最終的に、日経平均株価は前日比73円42銭安の24,717円53銭で取引を終えた。
10日(木)は、UAEがOPEC加盟国に増産を促していると伝わり、WTI4月物が急反落したことなどから前日のNYダウが大幅反発したことを受け、日経平均株価も上げ幅を拡大。
後場には1,000円超高となるなど急上昇し、日経平均株価は前日比972円87銭高の25,690円40銭で取引を終えた。
11日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが反落したことから、下げ幅を拡大する展開に。
後場もNYダウ先物やアジア株の下落を背景に軟調に推移し、日経平均株価は前日比527円62銭安の25,162円78銭で取引を終えた。
ウクライナ情勢に加え米FOMCまで様子ムードか
2022年3月14日~2022年3月19日の週のNYダウと日経平均株価は、ウクライナ情勢の悪化を背景に、引き続き不安定な展開が続くと考えられる。
ウクライナ情勢は、7日(月)にロシアとウクライナの3回目の停戦交渉が行われたが、進展はなかった。
8日(火)にはウクライナ与党が声明を出し、ロシアの要求する中立化に対し、米国や欧州にロシアを加えた周辺諸国が安全の保障を確約することを条件に、NATOの早期加盟を断念することもあり得ると表明し、市場の安心感を誘ったが、10日(木)に行われた外相会談では進展がなく、ラブロフ露首相は記者会見で「実質的な交渉は全てベラルーシで行われている」「ベラルーシでの交渉で真剣に話し合いたい」と述べた。
交渉が難航しており、解決の見通しが立っていないことが2022年3月14日~2022年3月19日の週のNYダウと日経平均株価の重しとなるだろう。
また、ロシアとウクライナとの戦闘によってエネルギー・資源価格が上昇しているため、インフレリスクが高まっていることも懸念材料になると考えられる。
もしも停戦の見通しが立てば、NYダウと日経平均株価は急騰すると考えられるが、上昇トレンドが続くとは考えにくい。
なぜなら、15日(火)と16日(水)に米FOMCが開催されるからである。
今回のFOMCでは利上げが行われるが、2日(水)に行われた米下院公聴会で、パウエルFRB議長は25bpの利上げを提案するつもりであることを明らかにした。
しかし、ウクライナ情勢の悪化に伴うエネルギー・資源価格の上昇に加え、10日(木)発表の2月米消費者物価指数は40年ぶりの高い伸びとなっている。
そのため、今回の利上げは25bpであっても、今後は50bpに利上げ幅が拡大するのではないかとの見方や、利上げ回数が増加するのではないかとの見方は根強く、金融引き締め加速に対する警戒感はくすぶるだろう。
このようなことから、16日(水)のFOMC終了後のパウエルFRB議長の会見での発言には注意が必要だ。
もしもパウエルFRB議長がタカ派的な発言をした場合には、NYダウや日経平均株価の下押し要因になり、ウクライナ情勢の悪化もあって、急落する可能性も考えられる。
また、14日(月)や15日(火)のNYダウや日経平均株価は様子見ムードとなりやすく、仮に上昇しても上値を追う展開には入りにくいだろう。
ただ、日経平均株価については、大幅下落した場合に3月中の権利取りを意識した買いが入る可能性があるため、意外に底堅く推移するかもしれない。
いずれにせよ、2022年3月14日~2022年3月19日の週も、NYダウと日経平均株価は値動きが大きく不安定な展開になりやすいと考えられるため、引き続き注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年3月14日~2022年3月19日の週に推奨したいのは、機械である。
ウクライナ情勢の悪化やインフレへの懸念、FRBの金融引き締めなどから、機械関連銘柄も下落している。
しかし、半導体やEVに対する需要は今後も堅調とみられ、自動化や脱炭素などに対応する商品の需要も拡大している。
そのため、中長期的な株価上昇に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、飼料や製糖である。
円安が進行していることから、飼料を輸入している企業や、原料糖を輸入する製糖などのうち、輸入の割合の高い企業の銘柄は避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年3月14日~2022年3月19日の週は、15日(火)、16日(水)の米FOMCや16日(水)のパウエルFRB議長の会見の他に、15日(火)に3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、2月米卸売物価指数、16日(水)に2月米小売売上高、17日(木)に3月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、2月米鉱工業生産、18日(金)に2月米中古住宅販売件数の発表がある。
また、17日(木)と18日(金)に日銀金融政策決定会合が行われ、18日(金)に黒田日銀総裁の記者会見がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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