知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年4月11日~4月16日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
値の重い展開が続く
2022年4月11日~2022年4月16日の週のNYダウと日経平均株価は、上値の重い展開が続くだろう。
先週の振り返り
2022年4月4日~2022年4月9日の週の日経平均株価は軟調に推移した。
4日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが反発した流れを受けてプラス圏でスタートするも、先週からの反動で一時マイナス圏に沈んだ。
その後は下げ渋ったがもみ合いが続き、日経平均株価は、前週末比70円49銭高の27,736円47銭で取引を終えた。
5日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続伸したことを受け、前日比プラス圏でスタート。
ただ、上値を追う動きが限られたために失速すると、その後は前日終値を挟んでもみ合いとなり、日経平均株価は前日比51円51銭高の27,787円98銭で取引を終えた。
6日(水)の日経平均株価は、FRBのブレイナード理事が5月のFOMCでの金融引き締め開始の可能性を示唆したことから、前日のNYダウやナスダック総合指数が反落した流れを引き継ぎ、下落。
一時、前日比573円超下落した。
後場も、米長期金利の上昇や対ロシア制裁の強化を受けて軟調となったものの、新規材料に乏しく、日経平均株価は前営業日比437円68銭安の27,350円30銭で取引を終えた。
7日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した流れを引き継ぎ、日経平均株価は一時548円超安まで下落した。
後場も、米国の急速な金融引き締めの警戒感から幅広い銘柄が売られる展開となり、日経平均株価は、前営業日比461円73銭安の26,888円57銭で取引を終えた。
8日(金)は、前日のNYダウが3日ぶりに反発した流れを引き継ぎ、日経平均株価は上昇。
一時296円超高まで上昇したが、上値は重く、前場中ごろを過ぎるとマイナス圏に沈んだ。
後場に入ると日経平均株価はプラス圏に浮上したものの、材料難で方向感に欠ける動きが続き、前営業日比97円23銭高の26,985円80銭で終了した。
ウクライナ情勢と米国が金融引き締めが懸念材料
2022年4月11日~2022年4月16日の週のNYダウと日経平均株価は上値が重く、不安定な展開になると考えられる。
ロシアとウクライナの戦争はこう着状態となっているため、2022年4月11日~2022年4月16日も日米市場の重しになるだろう。
また、市場は米国の金融引き締めに再び関心が移っている。
原因となったのは、FOMCの中で最もハト派のメンバーと見られていたブレイナードFRB理事が、5日(火)に行われた講演で、大胆な金融引き締めを実施する可能性を示唆したことだ。
ブレイナードFRB理事は講演で、5月のFOMCに本格的に保有資産を縮小させることや、0.5bpの利上げを複数回行う可能性に言及した。
同理事は、次期FRB副議長に就任する見通しであることから、この講演での発言が、FOMCの考えを反映させたものと市場ではみなしたのだ。
これを受けて米長期金利は急伸するなど、市場は金融引き締めへの警戒感を強めた。
2022年4月11日~2022年4月16日の週も、米国の金融引き締めが市場の懸念材料になり、NYダウは下押し圧力のかかりやすい状態が続くだろう。
また、原材料高も日米の株式相場にとってマイナス材料になると考えられる。
なお、2022年4月11日~2022年4月16日の週は、米企業の決算発表が予定されている。
ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ブラックロックなど、金融株を中心に米企業決算が本格化するが、内容が良好なものであれば米株価を下支えするだろう。
また、2022年4月11日~2022年4月16日の週の日経平均株価は、NYダウの動向を受けて、上値が重く不安定な展開になりやすいと考えられる。
日本でも2月期決算企業の本決算や8月期決算企業の中間決算が発表されるが、その内容が、日経平均株価に影響を与える可能性もあるので、注意したい。
中でも14日(木)に上期決算が発表されるファーストリテイリングは、日経平均構成銘柄かつ値嵩株である。
決算の結果によっては日経平均株価の動向に影響を与えると考えられるため、注意が必要だ。
なお、12日(火)には3月米消費者物価指数、14日(木)には3月米小売売上高の発表がある。
これらの結果が米国の利上げ幅拡大の確度が高まる内容であれば、NYダウの下押し材料になる。
不安定なNYダウの動向を受けて、日経平均株価も不安定かつ方向感に欠ける動きになりやすくなるとみられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年4月11日~2022年4月16日の週に推奨したいのは、医薬品である。
ウクライナ情勢の悪化に伴い、市場では投資家のリスク回避姿勢が強まった。
戦況はこう着状態が続いていることに加え、中国での新型コロナウイルスの感染拡大など不安材料が多く、ディフェンシブ株である医薬品を選好する動きは続くだろう。
今週の非推奨セクター
一方避けたいのは、半導体や電子部品やである。
すでに書いたように、5日(火)の講演で、ブレイナードFRB理事が利上げを着実に進める一方、早ければ5月のFOMCで急速なペースのバランスシート縮小を開始すると述べた。
また、6日(水)に公開されたFOMC議事録では、複数回にわたる0.5%bpの利上げ実施や、および量的引き締めの詳細が議論されていたことが判明した。
これにより、米国の半導体銘柄は軟調になっている。
日本の半導体関連銘柄や電子部品銘柄にもその影響が及ぶと考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年4月4日~2022年4月9日の週は、12日(火)の3月米消費者物価指数、14日(木)の3月米小売売上高の他に、13日(水)に3月米卸売物価指数、14日(木)に4月ミシガン大学消費者物価指数、15日(金)に4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、3月米鉱工業生産の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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