知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年4月25日~4月30日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
上値の重い展開が続く
2022年4月25日~2022年4月30日の週のNYダウは上値の重い展開に、また、日経平均株価は方向感に欠ける展開になるだろう。
先週の振り返り
2022年4月18日~2022年4月23日の週の日経平均株価は上値の重い展開となった。
18日(月)は、前週末の米国市場が休場だったものの、時間外取引の米10年債利回りの上昇などを受けて日経平均株価も軟調に推移し、一時500円超下落した。
後場も安値もみ合いが続き、日経平均株価は前週末比293円48銭安の26,799円71銭で取引を終えた。
19日(火)は、前日のNYダウが小幅下落した一方で、日経平均株価は円安の進行が後押しし、買い優勢に。
一時マイナスに沈む場面もあったが、再びプラス圏に浮上すると、もみ合いが続いた。
最終的に日経平均株価は、前日比185円38銭高の26,985円09銭で取引を終えた。
20日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇に加え、円安を受けて日経平均株価は買い優勢に。
利益確定売りに押されて上げ幅を縮小する場面もあったが、アジア株の持ち直しを背景に日経平均株価は再び上昇すると、前日比232円76銭高の27,217円85銭で取引を終えた。
21日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウの上昇を受けて買い優勢に。
半導体関連などの値がさ株を中心に買いが入り、日経平均株価は一時前日比350円超上昇したが、後場は材料難から様子見ムードとなり、小幅な値動きが続いた。
そのため、日経平均株価は、前営業日比335円21銭高の27,553円06銭で取引を終えた。
22日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが反落したことを受けて軟調になり、一時前日比648円超安まで下落すると、その後は27,000円を挟んでもみ合いが続いた。
後場も米国の利上げペース加速への警戒感が強く、日経平均株価は安値圏で小動きとなり、前営業日比447円80銭安の27,105円26銭で取引を終えた。
米国の利上げやリセッション懸念
2022年4月25日~2022年4月30日の週のNYダウは上値の重い展開になると考えられる。
また、日経平均株価は方向感に欠ける展開になるだろう。
2022年4月25日~2022年4月30日の週はGAFAMの決算発表が予定されていて、27日(火)にアルファベット(GOOGL)とマイクロソフト(MSFT)、28日(水)にフェイスブック(FB)とアップル(AAPL)、29日(木)にアマゾン(AMZN)というスケジュールになっている。
注目度の高いこれらの企業の決算発表を前に、積極的な買いが入りにくくなる可能性があるため、NYダウやナスダック総合指数は基本的には上昇しづらい状態になりやすいと考えられる。
それに加え、注意が必要なのは米国の利上げである。
18日に米セントルイス連銀のブラード総裁が、複数回の0.5ptの値上げで政策金利を3.5%前後に早急に引き上げるべきと述べ、0.75ptの値上げも排除しない考えを示した。
また、21日(木)には、IMFの春季会合に出席したパウエルFRB議長が、5月3日(火)と4日(水)に開催される米FOMCで0.5ptの大幅利上げが選択肢になると述べ、利上げペースの加速を示唆している。
パウエルFRB議長の発言を受けて米ハイテク株が売られた関係で、この日のナスダック総合指数は続落した。
FRBは今年中に7回の利上げを検討しており、日本のゴールデンウィーク期間中に開催される5月の米FOMCでの0.5ptの値上げ見通しが強まっているため、このことが2022年4月25日~2022年4月30日の週のNYダウの上値抑制要因になるだろう。
また、米国のリセッション懸念にも注意したい。
4月上旬には米2年債利回りが10年債利回りを上回る逆イールドが発生したものの、現在は解消している。
これにより、米国のリセッションに対する懸念はいったん後退したとみられていたが、米ゴールドマン・サックスは、17日(日)のレポートで、2年以内に米国の景気後退が起きる確率は約35%と予想した。
また、4月第1週のブルームバーグ調査での米リセッション予想は27.5%と、その1か月前の予想よりも高まっている。
このことが懸念材料となり、2022年4月25日~2022年4月30日の週のNYダウの重しとなるだろう。
一方、日本では25日(月)から3月期決算企業の本決算発表が徐々にスタートするが、すぐにゴールデンウィークに入る。
本格化は5月の第2週からとなり、業績相場になるのはその頃からになるだろう。
そのため、2022年4月25日~2022年4月30日の週の日経平均株価は、円安に支えられながらも、基本的にNYダウやナスダック総合指数の動向の影響を受けやすいと考えられる。
ただ、4月29日(金)からゴールデンウィークに入るために積極的な買いが入りにくいと考えられ、日経平均株価は方向感に欠ける動きが続くだろう。
今週の推奨セクター
2022年4月25日~2022年4月30日の週に推奨したいのは、倉庫である。
海運や物流の好調が続いていることに加え、コロナ禍を機にEC経由での販売が拡大していることから、倉庫もその恩恵を受けるものと考えられる。
そのため、引き続き好調が続くだろう。
今週の非推奨セクター
一方避けたいのは、鉄鋼である。
円安が進行しており、20日(水)にドル円は129円40銭まで下落した。
その後いったん円高方向に向かったものの、22日(金)に黒田日銀総裁が米コロンビア大での講演で、「円が下落しても積極的な金融緩和を継続する」と発言したことを受けて再び129円台に上昇するなど、引き続き円安になりやすい地合いにある。
鉄鋼は外貨建てでエネルギーや資源を輸入していることから、急激な円安進行による価格高騰が収益圧迫要因になるため、避けた方が良さそうだ。
今週の経済指標
2022年4月25日~2022年4月30日の週は、26日(火)に3月米耐久財受注、4月米消費者信頼感指数、4月米リッチモンド連銀製造業指数、3月米新築住宅販売件数、28日(木)に米1-3月期GDP、29日(金)に3月米個人消費支出の発表がある。
また、27日(水)と28日(木)に日銀金融政策決定会合が開催され、28日(木)には黒田日銀総裁の定例記者会見が予定されている。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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