知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年5月30日~6月4日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
米雇用統計を前に方向感の出にくい状態に
2022年5月30日~2022年6月4日の週のNYダウは、底堅く推移すると考えられる。
一方、日経平均株価は、27,000円を前に方向感の出にくい状態になりやすいだろう。
週の後半からは、NYダウも日経平均株価も、米雇用統計を前に方向感の出にくい状態になると考えられる。
先週の振り返り
2022年5月23日~2022年5月28日の週の日経平均株価は27,000円が抵抗線となり、軟調に推移した。
23日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが小幅上昇したことを受け、堅調に。
後場に入ると、材料難から高値圏でのもみ合いが続き、日経平均株価は前週末比262円49銭高の27,001円52銭で取引を終えた。
24日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅上昇したものの、ナスダック100先物が大幅下落したことから軟調に。
下げ幅を拡大した後、やや持ち直したが、後場も利益確定売りに押され、日経平均株価は前日比253円38銭安の26,748円14銭で取引を終えた。
25日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が大幅反落したことから、売り優勢に。
しかし、前日大幅下落したナスダック100先物が堅調に推移したことから、前日終値近辺まで戻した。
後場の日経平均株価は、中国株などの堅調を受けて底堅く推移し、前日比70円34銭安の26,677円80銭で取引を終えた。
26日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したものの、ナスダック100先物が軟化したため、弱含む展開に。
後場の日経平均株価は、利益確定売りに押されてもみ合いながらも弱含み、前日比72円96銭安の26,604円84銭で取引を終えた。
27日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の大幅上昇を受け、上昇したが、27,000円が近づくと失速し、上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、半導体の値嵩株を中心に堅調に推移したものの、戻り待ちの売りに押されて高値圏でのもみ合いが続き、前日比176円84銭高の26,781円68銭で取引を終えた。
NYダウは戻りを試す展開か
2022年5月30日~2022年6月4日の週のNYダウは、戻りを試す展開になると考えられる。
2022年5月23日~2022年5月28日の週のNYダウは、回復傾向となった。
ロックダウンによる景気後退が懸念されている中国で利下げが実施されたことや、米国の対中制裁緩和をバイデン米大統領が示唆したことが理由だ。
約40年ぶりの高インフレ抑制のため、対中関税の引き下げが必要であると米イエレン長官が主張していることから、バイデン米大統領は同長官と協議をすることを明らかにしている。
また、報道によれば、バイデン米大統領は、5月末に習近平中国国家主席との首脳会談をリモートで行う予定とのことで、米中対立が緩和するのではないかと市場の期待感が高まった格好だ。
また、25日(水)に公表されたFOMC議事要旨では、大半の参加者が、今後数回の会合で0.5ptの利上げをするのが適切である、との考えを示していたことが明らかになった。
市場では、6月のFOMCで0.75ptの利上げをするのではないかとの懸念もあったため、安心感につながった模様だ。
さらには、メーシーズ(M)など一部の米小売企業が市場予想を上回る好決算を発表したことも、投資家心理の改善につながったと考えられる。
このように、複数の好材料を受けて、2022年5月23日~2022年5月28日の週のNYダウは回復傾向にあったが、2022年5月30日~2022年6月4日の週も、基本的にその流れが続くだろう。
なお、3日(金)には5月の米雇用統計の発表が控えている。
そのため、週の後半からは、米雇用統計を前に様子見ムードになったり、ポジション調整の売りが入ったりと、不安定な動きになりやすいだろう。
それでも、米企業の業績が底堅いことに加え、投資家心理も改善しつつあるため、NYダウは底堅く推移すると考えられる。
日経平均は方向感の出にくい状態
一方、日経平均株価は、27,000円を前に方向感の出にくい状態が続くだろう。
2022年5月23日~2022年5月28日の週の日経平均株価は小幅下落した。
NYダウの動きに引きずられて上昇する場面があっても続かず、24日(火)~26日(木)までは軟調だった。
23日(月)に27,000円台に乗せて取引を終えたものの、その後は再び26,000円台に下落している。
このことから分かるように、27,000円が抵抗線になっているようだ。
2022年5月30日~2022年6月4日の週も、日経平均株価は、27,000円近辺で上値が重くなりやすいと考えられる。
3日(金)の米雇用統計を前に、週後半からは様子見ムードになりやすく、上昇トレンドにはなりにくいだろう。
今週の推奨セクター
2022年5月30日~2022年6月4日の週に推奨したいのは、鉄鋼の中でも電気炉メーカーである。
鉄鋼は鋼材市況が軟調であるが、電気炉メーカーは2023年3月期1Q時点でスプレッドが改善してきていることや、鋼材価格が高値で推移するとみられていることから、業績は概ね堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、広告代理店などメディア関係である。
経済活動の正常化に伴い、コロナ禍では抑制気味だった費用が増加すると考えられるため、利益圧迫要因になる。
また、円安や資源高に伴うコスト高などにより、企業の広告収入が減っていることもネガティブ材料だ。
そのため、株価は伸び悩みやすいと考えられる。
今週の経済指標
2022年5月30日~2022年6月4日の週は、3日(金)の米雇用統計の他に、31日(火)に5月米消費者信頼感指数、1日(水)に5月米ISM製造業景況指数、2日(木)に5月米ADP雇用統計、3日(金)に5月米サービス部門PMI(改定値)、5月米総合PMI(改定値)、5月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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