知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年6月6日~6月11日)
金融関係の仕事にしているtakashiです。
今週の相場見通しをお届けします。
ダウは上値の重い展開・日経は堅調に推移か
2022年6月6日~2022年6月11日の週のNYダウは上値の重い展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は概ね堅調に推移し、下落しても下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2022年5月30日~2022年6月4日の週の日経平均株価は週の半ばにもみ合ったものの、初めと終わりに大幅上昇して27,000円台を回復した。
30日(月)の日経平均株価は、前週のNYダウやナスダック総合指数が続伸したことを受けて買いが先行し、上値を追う展開に。
後場も堅調に推移し、前週末比587円75銭高の27,369円43銭で取引を終えた。
31日(火)は、前日の米株式市場がメモリアル・デーの祝日で休場となり、欧州市場でドイツDAXやイギリスFTSE100などが推移したが、日経平均株価は反落。
円安進行が下支えし、日経平均株価は下げ渋るとプラス圏に浮上する場面もあったが、後場に入ると利益確定売りに押され、前日比89円63銭安の27,279円80銭で取引を終えた。
1日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したものの、前日の反動から買いが入り堅調に。
円安を好感し、日経平均株価は前日比178円09銭高の27,457円89銭で取引を終えた。
2日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続落したことから軟調に。
しかし、円安進行を受けて前日終値近辺まで切り返すと小動きとなり、日経平均株価は前営業日比44円01銭安の27,413円88銭で取引を終えた。
3日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが反発したことを受け、上昇。
ただ、この日の夜に米雇用統計の発表が控えていることから様子見ムードとなった。
後場も日経平均株価は高値でもみ合いとなり、前日比347円69銭高の27,761円57銭で取引を終えた。
経済指標とFOMCへの警戒感
2022年6月6日~2022年6月11日の週のNYダウは、10日(金)発表の5月消費者物価指数、および翌週14日(火)、15日(水)開催のFOMCへの警戒感から上値の重い展開になると考えられる。
日経平均株価は、概ね堅調に推移するだろう。
2022年6月6日~2022年6月11日の週は、引き続き、利上げ幅や利上げ回数に注意が集まりやすいと考えられる。
ブレイナードFRB副議長は、2日(木)に米CNBCのインタビューに対し「(利上げの)休止の可能性は現時点で非常に低い」と述べた。
市場では、4月米新築住宅販売件数、4月米中古住宅販売件数など米国の住宅関連指標の悪化や、米個人消費支出物価指数の伸び率の縮小などが材料視され、米国経済減速の兆候が出てきているのではないかと懸念されている。
そのため、9月にFRBは利上げを停止するのではないかとの思惑が広がっていたのだ。
アトランタ連銀のボスティック総裁が、6月と7月に0.5ptの利上げを行った後、いったん利上げを休止することに対し「理にかなう」と発言したことも、9月利上げ休止が意識された一因になったと考えられる。
その後、ボスティック総裁はこの発言について、米金融当局が相場急落時に市場の救済に動く「FRBプット」を意図したものではないと米メディアのインタビューに対し述べたものの、市場の9月利上げ停止に対する期待を後押ししていたようだ。
しかし、今回、ハト派であるブレイナードFRB副議長がそれに対し「難しい」との見方を示したことから、9月利上げ休止の可能性は後退した。
とはいえ、クリーブランド連銀のメスター総裁は、2日(木)のバーチャルイベントで「9月以降、インフレ動向次第でペースの加速も減速もあり得る」との見方を示しているため、引き続き米経済指標の結果には注意が必要だ。
特に、10日(金)発表の5月消費者物価指数には注目が集まりやすく、事前予想を上回った場合には、利上げペースの加速が意識され、NYダウには下押し圧力がかかるだろう。
なお、3日(金)発表の5月米雇用統計は、5月非農業部門雇用者数変化が事前予想の32.5万人を大幅に上回る39.0万人となった。
その一方、失業率は事前予想の3.5%を上回る3.6%となったものの、4月からは横ばいとなっている。
雇用の着実な改善が確認できる内容であったことから、再び利上げペースの拡大が意識され、この日のNYダウは軟調に推移している。
そのため、2022年6月6日~2022年6月11日の週のNYダウは、上昇しても上値の重い展開になりやすいと考えられる。
また、日経平均株価は、米長期金利の上昇時に円安進行が下支えする可能性があるため、下落した場合でも下値は堅いだろう。
消費回復傾向がみられることから、内需株を中心に概ね堅調に推移すると考えられる。
ただ、10日(木)はメジャーSQのため、値動きが激しくなる可能性があるので注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年6月6日~2022年6月11日の週に推奨したいのは、小売の中でも百貨店である。
アパレル、外食など小売は月次売上高が回復傾向にあるが、百貨店も、大手5社の5月売上高はそろって大幅増となり、特に高額品、衣料品が好調となっている。
本格的な経済活動の再開を受けて、今後も個人のリベンジ消費が期待できると考えられるため、概ね堅調に推移するだろう。
今週の非推奨セクター
一方避けたいのは、精密機械である。
中国やベトナムなどでの新型コロナウイルス感染拡大の影響で、生産や物流に大きな影響が出ているため、需要に供給が追い付かない状態が続くと考えられる。
このことが業績の伸び悩みの原因となり、株価に下押し圧力がかかる可能性があるだろう。
今週の経済指標
2022年6月6日~2022年6月11日の週は、10日(金)の5月消費者物価指数の他、同じく10日(金)にミシガン大学消費者態度指数(確報値)が発表される。
また、8日(水)には日本の1-3月期GDPの発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
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