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今週の相場見通しについて(2022年8月8日~8月13日)
2022年8月8日~2022年8月13日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられるが、物価関連の指標の結果には注意が必要だ。
一方、日経平均株価も堅調に推移すると考えられるが、週の後半は様子見ムードになりやすいだろう。
先週の振り返り
2022年8月1日~2022年8月6日の週の日経平均株価は、米中関係の悪化が懸念されて下落する場面もあったが、週末に、約2か月ぶりに28,000円台を回復して取引を終えた。
1日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が続伸したことを受け、上げ幅を拡大する展開に。
後場も日経平均株価は堅調に推移し、前営業日比191円71銭高の27,993円35銭で取引を終えた。
2日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が小反落したことに加え、ペロシ米下院議長の台湾訪問による米中関係の悪化が懸念されて円高・ドル安が急速に進んだこと、また、中国株の大幅下落の影響を受け、前日比460円超安となる場面もあった。
後場も、投資家のリスク回避姿勢が続き、日経平均株価は前営業日比398円62銭安の27,594円73銭で取引を終えた。
3日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方で、日経平均株価は買い戻しが入った事に加え、円高の一服も後押しし、堅調もみ合いが続いた。
後場も、米中関係の悪化に対する過度な警戒が後退したことや、円安進行が好感されたことから日経平均株価は上昇し、前営業日比147円17銭高の27,741円90銭で取引を終えた。
4日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が反発したことから、買い優勢となり、一時28,000円を超える場面もあったが、失速すると水準を切り下げた。
後場の日経平均株価は、半導体株や情報関連株を中心に買いが入り、前日比190円30銭高の27,932円20銭と続伸して取引を終えた。
5日(金)は、前日のNYダウが反落した一方で、ナスダック総合指数が上昇したことが好感され、日経平均株価は買い優勢に。
後場は、値がさ半導体関連株や好決算銘柄を中心に買われたものの、この日発表の米雇用統計を前にポジション調整の売りが入ったことから、日経平均株価は上値が重くなったが、前日比243円67銭高の28,175円87銭で取引を終えた。
NYダウは堅調地合いか
2022年8月8日~2022年8月13日の週のNYダウは、米中関係の悪化が下押し材料になる懸念があるものの、基本的には堅調地合いになると考えられる。
2022年8月1日~2022年8月6日の週のNYダウは、ペロシ米下院議長の台湾訪問とそれに対する中国の警告が相場の重しになり、週の前半に続落した。
ペロシ米下院議長は、2日(火)から3日(水)まで台湾を訪問。
これに中国が激しく反発し、5日(金)には、今回の報復として、ペロシ下院議長本人と近親者への制裁を決定するとともに、気候変動問題の協議や国境を越えた犯罪防止、不法移民の送還に関する協力など8分野を対象に米国へ制裁を行うことを決定した。
このように、米中関係が急激に悪化していることから、2022年8月8日~2022年8月13日の週も、引き続き動向を注視した方が良いだろう。
それと併せて、米国の経済指標にも注意が必要だ。
2022年8月1日~2022年8月6日の週は、1日(月)に7月米ISM製造業景況指数が発表され、事前予想の52.0を上回る52.8となったものの、インフレ動向を示す仕入価格指数が、前月の80.1から7.8ポイント低下し、昨年2月以来の低水準となった。
インフレ圧力の緩和が伺える結果となったことから、市場の安心感を誘った。
また、5日(金)発表の米雇用統計は、7月非農業部門雇用者数変化が、事前予想の前月比25万人増を大幅に上回る同52.8万人増となり、失業率は、事前予想の3.6%を下回る3.5%となった。
7月平均時給は、事前予想の前月比0.3%増を上回る同0.5%増と、好調な結果になっている。
雇用の強さが伺える結果となったことから、米10年債利回りが上昇してNYダウは下落したが、その後、リセッション懸念が後退したため、この日のNYダウは一転して上昇した。
また、市場では、9月の米FOMCでは0.5ptの利上げを行うとの見方がされていたが、今回の結果を受けて、3会合連続となる0.75ptの利上げを行うとの見方が広がっている。
このことから、2022年8月8日~2022年8月13日の週のNYダウは、概ね堅調に推移すると考えられるが、10日(水)の7月米消費者物価指数、11日(木)の7月米卸売物価指数の結果には注意が必要だ。
今回はどちらも弱い結果になるとの予想だが、それに反して強い結果になった場合には、インフレ抑制しながらリセッションを回避するソフトランディングへの期待が弱まり、NYダウの下落要因になるだろう。
日経平均株価は様子見ムード
一方、2022年8月8日~2022年8月13日の週の日経平均株価は、11日(木)が祝日で休場となることに加え、お盆休みに入ることから様子見ムードが強まりそうだ。
ただ、この週は決算発表がピークを迎えるため、週の前半は好決算銘柄を中心に買われやすい展開になると考えられる。
注意したいのが、米中および中台関係の悪化と、それに伴う極東情勢の緊迫化で、日経平均株価の下押し材料になるだろう。
今週の推奨セクター
2022年8月8日~2022年8月13日の週に推奨したいのは、アパレルである。
7月21日に気象庁が発表した1か月予報によれば、全国的に平年より高くなるとの見通しだ。
平年よりも暑さが厳しくなることで、夏物衣料の需要を喚起すると考えられるため、アパレルには追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、鉄鋼の中でも高炉メーカーである。
中国では不動産市場の低迷が続いているうえ、コロナ規制拡大による部分的なロックダウンに踏み切る都市が多い。
これにより、鋼材は供給過剰になり、粗鋼の減産も不十分な状態が続いている。
鋼材価格の下落が高炉メーカーには悪影響になるとみられるが、鋼材の本格的な需給の改善には時間がかかるとみられると考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年8月8日~2022年8月13日の週は、10日(水)の7月米消費者物価指数、11日(木)の7月米卸売物価指数の他に、12日(金)に8月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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