知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年10月3日~10月8日)
2022年10月3日~2022年10月8日のNYダウと日経平均株価は、不安定な展開が続くと考えられる。
週後半は、米雇用統計の発表を前に方向感の欠ける状態になるだろう。
先週の振り返り
2022年9月26日~2022年10月1日の週の日経平均株価は、反発する日もあったが、全体では前週に引き続き軟調だった。
26日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが軟調に推移したことを受けて3営業日続落でスタートし、売り優勢の展開に。
後場も日経平均株価は軟調に推移し、前週末比722円28銭安の26,431円55銭で取引を終えた。
27日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続落したものの、日経平均株価は前日に大幅下落した反動で、買い優勢でスタート。
しかし、その後はもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は上値の重い状態が続き、前日比140円32銭高の26,571円87銭で取引を終えた。
28日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウの下落を受けて軟調に推移すると、NYダウ先物や香港ハンセン指数の大幅安の影響から、26,000円を割り込む場面もあった。
後場の日経平均株価は、押し目買いが入る銘柄もあったが、安値圏でのもみ合いが続き、前日比397円89銭安の26,173円98銭で取引を終えた。
29日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の好調を受けて買い優勢に。
しかし、NYダウ先物が軟調に推移すると、失速した。
後場も日経平均株価は買いが続き、日経平均株価は前日比248円07銭高の26,422円05銭で取引を終えた。
30日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反落した流れを引き継いで、軟調に推移。
そのまま下げ続ける展開となり、26,000円を割り込む場面もあった。
後場も安値圏でのもみ合いが続き、日経平均株価は、前日比484円84銭安の25,937円21銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な状態が続く
2022年10月3日~2022年10月8日のNYダウは、前週に引き続き、不安定な状態が続くと考えられる。
FRBの利上げペースの加速とリセッション懸念が相場の重しになるだろう。
また、週後半には、米雇用統計の発表を前に方向感の出にくい状態になると考えられる。
2022年9月26日~2022年10月1日の週のNYダウは、利上げペースやリセッション懸念が軟調の主因だったが、それに加え、英・トラス政権が23日(金)に発表した大型減税策も市場に混乱を引き起こし、英国では株式、債券、通貨がトリプル安となった。
トラス政権が、公約を大幅に上回る規模の景気刺激策を発表したため、上昇の続く英国のインフレ率がさらに高まるとの見方が強まり、トリプル安が発生した形だ。
これにより、米国の長期金利が上昇し、ドル高が進んだことで、企業収益が悪化するとの見方が広がったため、NYダウやナスダック総合指数は下落した。
FRBによる急速な利上げが見込まれる状況に対し、27日(火)に米シカゴ連銀のエバンス総裁が、「金融引き締め効果が、インフレ率等に十分に反映されるには時間がかかる」との見方を示したうえで、「ある時点で利上げペースを緩め、しばらくの間、到達点に据え置くのが適切」と発言し、ハト派姿勢を示したことが好感されたため、NYダウは買われる場面もあったが、米長期金利が上昇すると、再び軟調に。
28日(水)には、BOEが市場の安定化を図り長期国債市場に介入したことで、英・トラス政権の大型減税策による影響を警戒した金融市場の混乱がいったん沈静化したため、NYダウも反発した。
しかし、翌29日(木)には、米国の前週分新規失業保険申請件数や前週分失業保険継続受給者数が、事前予想よりも改善されていたことに加え、この日発表の4-6月期米四半期GDP(確定値)のうち、四半期コアPCEが事前予想の前期比4.4%を上回る同4.7%となったことから、大幅利上げへの懸念が再び広がり、この日のNYダウは大幅反落している。
このように、米国市場では、FRBの利上げペース加速と景気後退への懸念がくすぶっていて、米経済指標の結果や要人発言に一喜一憂する神経質な状態が続いている。
2022年10月3日~2022年10月8日もこの状態は継続すると考えられる。
米経済指標の結果にNYダウは左右されやすく、不安定に推移するだろう。
特に5日(水)発表の9月米ADP雇用統計は、米雇用統計の前哨戦として注目されやすいため、注意が必要だ。
結果が事前予想を上回る強い内容になれば、FRBの利上げペース加速に対する警戒感と景気後退への不安が広がり、NYダウには強い下押し圧力がかかるだろう。
週の後半は、10月7日(金)発表の9月米雇用統計を前に様子見ムードが高まり、方向感の出にくい状態になると考えられる。
日経平均株価は神経質な展開が続く
2022年10月3日~2022年10月8日の週の日経平均株価は、NYダウの動向に引きずられやすく、神経質な展開が続くだろう。
週後半は、米雇用統計を前に方向感の出にくい展開になると考えられる。
今週の推奨セクター
2022年10月3日~2022年10月8日の週に推奨したいのは、生命保険である。
政府が感染者の全数把握の取りやめを表明したことから、生命保険大手4社は、9月26日(月)からコロナ関連の入院給付金の支払い対象を制限すると決定した。
軽症のみなし入院などが対象外となり、支払い対象は7割減少する見通しである。
生命保険各社にとっては好材料であるため、追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは半導体である。
2022年前半の世界半導体売上高は、高い伸び率が維持されたものの、価格の高止まりが長期化している。
今後、米国経済の減速に加え、巣ごもり需要やテレワーク需要が一服するとみられ、2022年後半から、半導体売上高は徐々に減少傾向になる可能性が考えられる。
ただ、自動車向け等、需要の底堅いものもあるため、急激な減少にはならないだろう。
それでも、2023年以降は少しずつ減速傾向になると考えられるため、避けた方が良いと考えられる。
今週の経済指標
2022年10月3日~2022年10月8日の週は、5日(水)の9月米ADP雇用統計と7日(金)の米雇用統計の他に、3日(月)に9月米製造業PMIと9月米ISM製造業景況指数、5日(水)に9月米サービスPMI、9月米総合PMI、9月米ISM非製造業景況指数の発表が予定されている。
また、3日(月)には、7-9月期の日銀短観の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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