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今週の相場見通しについて(2022年10月17日~10月22日)
2022年10月17日~2022年10月22日のNYダウは米経済指標や米企業決算の結果を受け、神経質な展開になると考えられる。
日経平均株価はNYダウの動向に左右されると考えられるが、上値の重い展開になるだろう。
先週の振り返り
2022年10月10日~2022年10月15日の週の日経平均株価は、14日(金)に大幅反発したが、前週末よりも値を下げた。
10日(月)の東京株式市場は祝日のため休場だった。
11日(火)の日経平均株価は、前週末の米株式市場のNYダウが大幅下落したことから軟調となり、マイナス圏での軟調もみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は、値嵩株の売りが影響して下値を模索する状態となり、前営業日比714円86銭安の26,401円25銭で取引を終えた。
12日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが反発したもののナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価も軟調に。
後場の日経平均株価は、前日の終値を挟んで方向感のない動きが続き、前営業日比4円42銭安の26,396円83銭で取引を終えた。
13日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが小反落したことからマイナス圏に沈むと、下げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は、この日発表の米消費者物価指数の結果を前に、こう着状態が続き、前日比159円41銭安の26,237円42銭と、4日続落して取引を終えた。
14日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反発したことから前日比大幅プラスでスタートし、一本調子で上げ幅を拡大。
後場も日経平均株価は堅調に推移し、前日比853円34銭高の27,090円76銭で取引を終えた。
NYダウは神経質な展開に
2022年10月17日~2022年10月22日の週のNYダウは、米企業の決算発表の結果と、米経済指標の結果に左右されやすく神経質な展開になるだろう。
2022年10月10日~2022年10月15日の週のNYダウは、米経済指標の結果や9月米FOMCの結果を受けて軟調もみ合いが続いていたものの、13日(木)に大幅反発した。
7日(金)発表の9月米雇用統計の結果が事前予想を上回ったことで、FRBが大幅利上げを継続するとの見方が強まったことに加え、12日(水)発表の米卸売物価指数の結果や、9月米FOMC議事要旨がタカ派的な内容になったことから、週の半ばまで市場の警戒感が強まった形だ。
12日(水)発表の9月米卸売物価指数は、前月比は事前予想の+0.2%を上回る+0.4%、前年同月比は事前予想の+8.4%を上回る+8.5%となった。
食品とエネルギーを除いたコア指数は、前月比は事前予想どおり+0.3%、前年同月比は事前予想の+7.3%を若干下回る+7.2%となったものの、依然として高い水準にある。
また、同じ日に発表された9月米FOMC議事要旨では、世界経済の悪化に対する懸念が高まったとしても、インフレ引き下げのための措置が少なすぎるのと多すぎるのとでは、前者のコストが高くなると多くの参加者が主張。
そのうちの多くの参加者が、労働市場がたとえ減速しても、インフレとの闘いを続けるべきだとし、追加利上げに積極的な姿勢を示したことが明らかになった。
市場が注目していた13日(木)発表の9月米消費者物価指数は、前月比が事前予想の+0.2%を上回る+0.4%、前年同月比が事前予想の+8.1%を上回る+8.2%となった。
またコア指数も、前月比が+0.6%、前年同月比が+6.6%といずれも事前予想を上回っている。
この結果を受けてNYダウは大きく値を下げたものの、その後大幅反発。
しかし、これはテクニカル要因や買い戻しが入ったことが原因とみられている。
先述の米FOMC議事録の内容と、米消費者物価指数等の米国の経済指標の結果からも分かるように、今後もFRBが利上げを続ける可能性は高く、市場の大幅利上げ継続に対する警戒感が緩んだわけではないと考えられる。
そのため、14日(金)のNYダウは再び軟調な動きとなった。
このことを勘案すると、米FOMC議事録発表後のNYダウの動きに関わらず、やはり今回の米消費者物価指数の結果は、FRBの大幅利上げ継続に対する市場の警戒感を強める内容であったと言える。
2022年10月17日~2022年10月22日の週は、このことがNYダウの上値抑制要因になるだろう。
また、2022年10月17日~2022年10月22日の週は、米企業の決算発表が本格化する。
17日(月)にはバンク・オブ・アメリカ、18日(火)にはゴールドマン・サックス・グループ、ネットフリックス、19日(水)にはIBM、テスラ等、注目度の高い企業の決算発表が控えているため、その結果に米株価指数の動きは左右されやすく、神経質な展開になると予想されるため、注意が必要だ。
日経平均株価は引き続き米株価指数の動向に引きずられやすい展開に
2022年10月17日~2022年10月22日の週の日経平均株価は、引き続き米株価指数の動向に引きずられやすい展開になると考えられる。
円安や経済再開といった好材料があるものの、全体としては材料不足のため、上値が重くなりやすいだろう。
今週の推奨セクター
2022年10月17日~2022年10月22日の週に推奨したいのは、化学の中でも電子材料の構成比が高いところである。
円安進行が業績に好影響を与えると考えられる。
ただし、その中でも半導体材料の構成比が高い場合、今後生産調整などの影響を受ける可能性があるため、避けた方が良いだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは電力である。
円安進行と燃料価格の上昇、原料費の支払いとその原料費がガス料金に反映されるまでのタイムラグである「スライドタイムラグ」により損失が発生し、電力各社はいずれも厳しい状況である。
今後、値上げなどの効果により業績は回復するとみられるが、足元では厳しい状況が続くと考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
2022年10月17日~2022年10月22日の週は、17日(月)に10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日(火)に9月米鉱工業生産、19日(水)にベージュブック、20日(木)に10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月米中古住宅販売件数、9月米景気先行指標総合指数の発表がある。
また、21日(金)には日本の9月全国消費者物価指数の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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