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今週の相場見通しについて(2022年10月31日~11月5日)
2022年10月31日~2022年11月5日のNYダウと日経平均株価は、米FOMCや米雇用統計の発表を前に方向感が出にくいだろう。
先週の振り返り
2022年10月24日~2022年10月29日の週の日経平均株価は、週の半ばまでは堅調、週の後半は軟調だったが、全体としては前週末より上昇した。
24日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が大幅反発した流れを受けて大幅上昇すると、堅調もみ合い展開となった。
後場の日経平均株価は上値の重い展開になり、前週末日比84円32銭高の26,974円90銭で取引を終えた。
25日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続伸したことから27,000円を回復してスタート。
上げ幅を縮小する場面もあったが、堅調を維持した。
後場の日経平均株価も高値圏で推移し、前日比275円38銭高の27,250円28銭で取引を終えた。
26日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が3日続伸したことから堅調に推移。
後場の日経平均株価は高値圏でのもみ合いが続き、前日比181円56銭高の27,431円84銭で取引を終えた。
27日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウがほぼ横ばい、ナスダック総合指数が大幅反落したことから軟調になり、材料難から前日終値近辺での一進一退が続いた。
後場の日経平均株価も方向感に欠ける展開となり、前日比86円60銭安の27,345円24銭で取引を終えた。
28日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが続伸した一方で、ナスダック総合指数が大幅続落した流れを受けて大幅下落。
業績予想を引き下げたファナックの急落も重しとなったものの、黒田日銀総裁の記者会見を前に様子見ムードとなり、下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は弱含みで推移し、前日比240円04銭安の27,105円20銭で取引を終えた。
NYダウは様子見ムードに
2022年10月31日~2022年11月5日の週のNYダウは、前半は1日(火)、2日(水)のFOMC、後半は4日(金)発表の10月米雇用統計を前に様子見ムードになりやすく、方向感が出にくいだろう。
今回のFOMCでは0.75ptの利上げが予想され、市場もこのことを織り込んでいると思われるが、一方で、利上げペース減速の可能性を探る展開が予想される。
その背景には、21日(金)の米ウォール・ストリート・ジャーナルの報道がある。
FRB当局者の一角から、「近く利上げペースを緩めるべき」との声が上がり始めていると報じられたのだ。
同日に行われた会合で、米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が、FRBは0.75pt刻みでの利上げを続けることはなく、過度な金融引き締めによる景気低迷を回避すべきだとの認識を示し、利上げペースを減速する時期に近づいている可能性を示唆した。
また、シカゴ連銀のエバンス総裁も、FRBは過度に高いインフレを低下させるため、来年の初めまでに4.5%をやや上回る水準に政策金利を引き上げ、その水準を維持するべきとの見解を示した。
このことを市場は好感し、2022年10月24日~2022年10月29日の週のNYダウやナスダック総合指数は大幅反発し強含みの展開に。
また、2022年10月24日~2022年10月29日の週に発表された米国の住宅関連指標や、10月消費者信頼感指数といった指標が事前予想を下回る弱い結果になったことも、FRBの利上げペース減速観測につながったと考えられる。
なお、27日(木)に発表された米国の7-9月期GDPは、事前予想の前期比年率2.4%を上回る同2.6%となり、前回の同-0.6%からプラス転換した。
一方で、個人消費は事前予想の前期比年率1.0%を上回る同1.4%となったものの、前回の同2.0%からは減速した。
米国の景気減速が目立ち始めたことが市場で注目され、FRBの利上げペース減速への期待が高まった形だ。
2日(水)開催のFOMC2日目終了後にパウエルFRB議長の定例記者会見が行われるが、利上げペースについてどのような発言をするかに要注目だ。
もしもハト派的な発言が飛び出すようであれば、2022年10月31日~2022年11月5日の週のNYダウの下支え材料になるだろう。
なお、FOMC終了後、4日(金)には10月米雇用統計の発表がある。
2日(水)のパウエルFRB議長の記者会見での内容にもよるが、事前予想より強い結果になった場合には、利上げペース減速観測が後退する可能性が考えられるため、注意が必要だ。
日経平均株価は方向感の出にくい展開
2022年10月31日~2022年11月5日の週の日経平均株価は、米FOMCや10月米雇用統計を前に方向感の出にくい展開が考えられる。
しかし、ここまで発表された国内企業の決算は概ね好調であるため、日経平均株価が下落した場合も下値は堅そうだ。
なお、1日(火)にトヨタ自動車、ソニー等注目度の高い企業の決算が発表されるため、結果に注意したい。
今週の推奨セクター
2022年10月24日~2022年10月29日の週に推奨したいのは、IT関連の中でも、ビジネスソフトを手掛けるところである。
10月4日(火)に発表された日銀短観によれば、2022年度のソフトウェア投資計画は前年度比20.4%増となっている。
今後、下方修正する可能性も考えられるが、需要に対し、供給側となるIT関連の会社のスタッフ不足等が課題となっていることが伺える。
また、受注条件も改善している模様で、需給のひっ迫から引き続き堅調に推移すると考えられるため、これらの会社にとっては追い風の事業環境が続くだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、非鉄金属である。
円安が下支えしているものの、金属市況が軟調で、今後景気減速に伴いさらに金属価格が下落する可能性も考えられる。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2022年10月31日~2022年11月5日の週は、1日(火)と2日(水)の米FOMC、4日(金)の10月米雇用統計の他、1日(火)に10月米ISM製造業景況指数、10月米製造業PMI(改定値)、2日(水)に10月ADP米雇用統計、3日(木)に10月サービス業PMI(改定値)、10月総合PMI(改定値)、10月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
また、3日(木)は祝日のため、日本の株式市場は休場となることに留意したい。
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