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今週の相場見通しについて(2022年11月7日~11月12日)
2022年11月7日~2022年11月12日のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になるだろう。
先週の振り返り
2022年10月31日~2022年11月5日の週の日経平均株価は、前半は堅調だったが、後半は軟調になった。
31日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが大幅続伸したことから大幅反発し、堅調に推移した。
後場の日経平均株価も堅調に推移したものの根強い売り圧力から伸び悩み、前週末比482円26銭高の27,587円46銭で取引を終えた。
1日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したが、日経平均株価はアジア株の上昇や好決算銘柄への買いが入ったことから上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は、米FOMCを前に上値の重い状態になり、前日比91円46銭高の27,678円92銭で取引を終えた。
2日(水)の日経平均株価は前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したことから、軟調に。
ただ、この日のFOMCを前に様子見ムードも強く、下げ渋るとプラス圏に浮上し、小動きとなった。
後場の日経平均株価も小動きが続き、前日比15円53銭安の27,663円39銭で取引を終えた。
3日(木)の東京株式市場は文化の日のため休場だった。
4日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が4日続落したことから、売り優勢となったが、この日発表の米10月雇用統計を前に様子見ムードも強く、27,000円手前で買い戻しが入ると下げ渋る展開になった。
後場の日経平均株価は、積極的な買いが入らず軟調に推移し、前営業日比463円65銭安の27,199円74銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2022年11月7日~2022年11月12日の週のNYダウは、8日(火)の米中間選挙、10日(木)の10月米消費者物価指数の結果を前に不安定な展開になりそうだ。
1日(火)、2日(水)開催の11月のFOMCでは事前予想どおり0.75ptの利上げが決定された。
2日(水)のFOMC声明では、将来的な利上げペースの決定にあたり、これまでの金融引き締めの累積的な影響や金融政策が経済活動やインフレに影響を与えるまでのタイムラグ、経済・金融情勢の変化を考慮する」との文言が新たに付け加えられた。
これを市場ではハト派的であると受け止めたことから、声明発表直後のNYダウは上昇したものの、その後の会見で、パウエルFRB議長は利上げ停止を考えるのは時期尚早であるとの考えを示し、インフレの低下には時間がかかると発言。
タカ派的スタンスから米国の景気減速への懸念が高まり、NYダウは一転して下落した。
想定以上のパウエルFRB議長の金融引き締め姿勢が懸念されたことから、その後のNYダウ、ナスダック総合指数は軟調に推移することになった。
このことを受け、4日(金)発表の10月米雇用統計には注目が集まっていたが、結果は、非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比+20.0万人を上回る同+26.1万人となったものの、前回よりは減少。
10月平均時給は、事前予想の前月比+0.3%を上回る同+0.4%、前年同月比では事前予想どおり+4.7%となった。
しかし、前回の+5.0%からはやや低下している。
一方で失業率は事前予想の3.6%を上回る3.7%となり、前回の3.5%から悪化。
今回発表の米雇用統計の結果は、FRBの利上げペース減速の方向性を変えるほどのものではなかったため、市場には安心感が広がり、NYダウは500ドル超上昇する場面もあった。
10日(木)発表の10月米消費者物価指数にも市場の注目が集まると考えられるが、強い内容になった場合には、NYダウやナスダック総合指数の重しになるだろう。
また、2022年11月7日~2022年11月12日の週は、8日(火)に米中間選挙が行われる。
下院は共和党優勢、上院は接戦との報道がされているが、両院ともに共和党が勝利した場合には、バイデン政権はレームダック化するとみられている。
そうなった場合には、国債発行限度額の引き上げやバイデン政権が掲げるインフラ政策にも影響を及ぼすと考えられ、景気後退した際の機動的な財政政策が行えないなどの懸念が広がるだろう。
FRBの金融引き締め政策と併せて、米国の景気後退への懸念がさらに強まると考えられる。
このことが、NYダウやナスダック総合指数の重しになる可能性があるため、注意が必要だ。
日経平均株価も不安定な展開に
2022年11月7日~2022年11月12日の週の日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数の動向を受けて不安定な展開になると考えられる。
8日(火)の米中間選挙、10日(木)の10月米消費者物価指数の発表など注目度の高いイベントや、米経済指標の発表を前に警戒感が強まるだろう。
なお、2022年11月7日~2022年11月12日の週も決算発表があるため、好業績が多ければ日経平均株価の下支え材料になると考えられる。
ただ、米中間選挙、10月米消費者物価指数の結果によっては相場に重しがかかるだろう。
その場合は、仮に上昇する場面があっても、長続きしにくいと考えられる。
今週の推奨セクター
2022年11月7日~2022年11月12日の週に推奨したいのは、精密機器の中でもデジタルカメラを手掛けるところである。
2022年11月1日にカメラ映像機器工業会が公表した9月のデジタルカメラ総出荷台数は、6月から4か月増加で前年同月比プラスとなっている。
出荷金額は8月同様強く、前年同月比で60%ほど増加している。
9月の生産台数状況も前月比、前年同月比ともに2桁増となり、好調が伺える。
中国のロックダウンの影響を足元では受けやすいものの、供給の制約が緩んできていると考えられるため、中長期的にはこのことが好材料となるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、アウトドアやスポーツ関連である。
コロナ禍の中、密になりにくいとしてこれらの業種は人気を集めたが、経済活動の正常化が進み、これまで密になるとして避けられていた業種が復調するにつれ、アウトドアやスポーツ関連はいったん需要が縮小する可能性が考えられる。
そのため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2022年11月7日~2022年11月12日の週は、8日(火)の米中間選挙、10日(木)の10月米消費者物価指数の発表の他に、11日(金)に11月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
その結果や内容には注意が必要だ。
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