知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年11月28日~12月3日)
2022年11月28日~2022年12月3日のNYダウと日経平均株価は概ね堅調に推移すると考えられるが、30日(水)のパウエルFRB議長の発言には注意した方が良いと考えられる。
先週の振り返り
2022年11月21日~2022年11月26日の週の日経平均株価は、堅調だった。
21日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の反発から上昇したものの、その後は上げ幅を縮小し、マイナス圏でのもみ合いに。
後場の日経平均株価は、材料難から前週末終値近辺で小動きとなり、前週末比45円02銭高の27,944円79銭で取引を終えた。
22日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は祝日に伴う翌日の休場を前に買い戻しが入ったこともあり、買い優勢に。
しかし、中国での新型コロナ感染再拡大を受けてアジア株が軟調だったため、積極的な買いが入らず膠着状態となった。
後場の日経平均株価は大型株を中心に幅広い銘柄が買われ、前日比170円95銭高の28,115円74銭で取引を終えた。
23日(水)は勤労感謝の日のため、東京株式市場は休場だった。
24日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、買い優勢となった後は、高値圏で小動きとなった。
後場の日経平均株価は、米国の市場の休場を前に利益確定売りが入り、上値の抑えられる展開になり、前営業日比267円35銭高の28,383円09銭で取引を終えた。
25日(金)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったことから、欧州株高を引き継いで前営業日比プラス圏でスタートしたが、材料難から失速するとマイナス圏に沈むと軟調に推移した。
後場の日経平均株価は弱含んで小動きとなり、前営業日比100円06銭安の28,283円03銭で取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移か
2022年11月28日~2022年12月3日の週のNYダウは、利上げペースの鈍化の見通しが強まったことから、概ね堅調に推移するだろう。
21日(月)にサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が講演で、「調整が行き過ぎれば、不必要な痛みを伴う景気低迷を招きかねない」と行き過ぎた利上げに懸念を示した。
タカ派のデイリー総裁が過度な利上げに対する懸念を表明したことから、市場では利上げペースの減速への期待感が広がった。
さらに、23日(水)に公開されたFOMC議事要旨では、多くの参加者が、近いうちに利上げペースの減速が適切になるとの見方に同意したことが判明。
足元の高インフレは収束の兆候が見えないとしながらも、急速な金融引き締めの効果が浸透しつつあり、前倒しの利上げをやめ、より小さく慎重な利上げに移行できるとし、利上げペースの減速が必要だとした。
また、利上げペース以上に、政策金利をどの水準まで引き上げるか等の方が重要な検討事項になったことが判明している。
このことから、利上げ幅はこれまでの0.75ptから0.5ptに移行するとの見方が市場に広がり、安心感を誘った格好だ。
その一方、金利をどの程度まで引き上げるべきか分からず、今回のFOMC議事録でも、多くの参加者が、政策金利の最終到達点の見通しが、これまでの想定より高くなると予想していることから、高インフレが継続するようであれば、利上げ回数を増やし、政策金利の到達点をこれまでの想定よりも高い水準にすると考えられている。
FOMC議事録の公開を通過した後、注意が必要なのは、30日(水)のパウエルFRB議長のブルッキング研究所で行われる討論会での発言だ。
大幅利上げでも景気後退を避けられる、労働市場が依然としてひっ迫している等の発言があった場合には、利上げ幅の拡大継続への懸念が再燃する可能性が考えられ、NYダウには強い下押し圧力がかかるだろう。
その後発表される経済指標が強い内容になった場合には、さらなる下落を引き起こす可能性もある。
反対に、パウエルFRB議長の発言が、大幅利上げの継続を示唆するものでなかった場合には、市場には安心感が広がり、米国の経済指標の結果に一喜一憂する展開になったとしても、下落時も底堅い展開になるだろう。
2022年11月28日~2022年12月3日の週は、30日(水)に11月ADP雇用統計、1日(木)に10月米個人消費支出、そして、2日(金)に11月の米雇用統計の発表があるが、まずは、30日(水)のパウエルFRB議長に発言に注目したいところだ。
日経平均株価も基本的には堅調に推移か
2022年11月28日~2022年12月3日の週の日経平均株価は、基本的には堅調に推移すると考えられる。
ただし、30日(水)のパウエルFRB議長の発言には注意したい。
パウエルFRB議長の発言がタカ派的なものであれば、日経平均株価にも強い下押し圧力がかかり、上昇時も上値の重い展開になるだろう。
今週の推奨セクター
2022年11月28日~2022年12月3日の週に推奨したいのは、不動産の中でも首都圏のマンション、戸建てを中心に取り扱っているところである。
レインズが発表した10月のデータによれば、首都圏中古マンション成約件数は3年連続で前年同月を下回ったものの、成約価格は29か月連続で上昇。
在庫も9か月連続で前年同月比プラスとなっていることから、コロナ禍による住宅需要が一服し、需給バランスが安定してきたとみられる。
東京の需要はいまだに強いことや、新築マンションの供給が低水準であることから、販売は今後も堅調に推移すると考えられる。
首都圏の戸建ても原材料価格の高騰に伴い価格が上昇傾向にあり、それに伴い在庫の上昇ペースが上がってきている。
それでも首都圏の戸建て需要は根強く、概ね堅調な需要が続くと考えられる。
また、首都圏の分譲新築マンションについても、価格の上昇が続き、契約率が回復していることが、ポジティブ材料である。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、電力である。
赤字のところが多く、価格転嫁遅れやタイムラグ差損などの影響を受けているため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2022年11月28日~2022年12月3日の週は、30日(水)のパウエルFRB議長の討論会での発言と11月ADP雇用統計、1日(木)に10月米個人消費支出、そして、2日(金)に11月の米雇用統計の発表がある他、29日(火)に11月米消費者信頼感指数、30日(水)に7-9月期米四半期GDPとベージュブック、1日(木)11月米ISM製造業景況指数の発表がある。
その結果や内容には注意が必要だ。