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今週の相場見通しについて(2022年12月5日~12月10日)
2022年12月5日~2022年12月10日のNYダウと日経平均株価は不安定な展開になるだろう。
先週の振り返り
2022年11月28日~2022年12月3日の週の日経平均株価は、1日(木)にいったん持ち直したが、全体としては軟調だった。
28日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方、日経平均株価は続落し、マイナス圏で軟調に推移した。
後場も、日経平均株価はアジア株安の影響も受けて軟調な展開が続き、前週末比120円20銭安の28,162円83銭で取引を終えた。
29日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した影響から前日比マイナス圏でスタートした後、下げ幅を縮めたものの軟調な展開が続いた。
後場の日経平均株価も中国のコロナ問題などが重しとなり、前日比134円99銭安の28,027円84銭で取引を終えた。
30日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが横ばいだった一方でナスダック総合指数が下落したため、続落。
パウエルFRB議長の講演を前にポジション調整の売りも入った。
後場の日経平均株価はマイナス圏で小動きが続き、前日比58円85銭安の27,968円99銭で取引を終えた。
1日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の大幅上昇を受けて買い優勢となったが、円高進行が重しとなり、もみ合う展開に。
後場の日経平均株価もプラス圏で小動きが続き、前日比257円09銭高の28,226円08銭で取引を終えた。
2日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが反落したことから売り優勢となり、下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は円高進行が嫌気され、前日比448円18銭安の27,777円90銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2022年12月5日~2022年12月10日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
30日(水)に行われたブルッキングス研究所の講演で、パウエルFRB議長は、「これまでの急速な利上げ効果が完全に表れるのはこれから」「インフレ抑制に十分な引き締め水準に近づくにつれ、利上げペースを減速することは理にかなっている」と発言し、「利上げ減速の時期は、早ければ12月の会合になるかもしれない」との見方を示した。
一方で、物価安定回復まではまだ長い道のりであるとし、「歴史は時期尚早の金融緩和に対し強く警告している」と発言。
早期金融緩和を期待する市場をけん制した。
ただ、市場の想定を上回るタカ派発言はなかったことから、12月13日(火)、14日(水)に開催されるFOMCでの利上げペース減速期待が高まった。
CMEのFedWatchでは、12月のFOMCでの利上げを0.5ptとする見方が77%となっている。
このように、利上げペース鈍化の可能性が広がったことが市場では安心材料となっているが、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、28日(月)に行われたオンラインイベントで、「インフレが依然としてあまりに高すぎるため、金融政策の一段の引き締めが必要」との見方を示している。
また、セントルイス連銀のブラード総裁は、同連銀のウェブサイトに29日(火)に掲載された寄稿で、景気抑制的水準に達するまで政策金利をさらに引き上げる必要があると述べている。
このように、連銀総裁の中には依然としてタカ派的な見解もあることから、今後は利上げの最終到達点に注目が集まるだろう。
なお、2日(金)に発表された11月の米雇用統計は、11月非農業部門雇用者数変化が事前予想の前月比20万人を上回る同26.3万人となった。
インフレに影響を与える平均時給は前月比0.6%増と、事前予想の同0.3%を上回り、前月の同0.5%も上回った。
前年同月比でも5.1%増と、事前予想を上回る結果となっている。
これを受け、利上げペース減速への期待感が後退し、FRBの判断に影響を与える可能性が警戒されている。
2022年12月5日~2022年12月10日の週は、5日(月)に11月米ISM非製造業景況指数、9日(金)に11月米卸売物価指数の結果発表があることから、引き続き米経済指標の結果には注意が必要だ。
それに加え、2022年11月28日~2022年12月3日の週の市場の波乱要因となった、中国でのゼロコロナ対策関連の報道にも引き続き注意したい。
日経平均株価もNYダウの影響を受ける
2022年12月5日~2022年12月10日の週の日経平均株価も、NYダウの影響を受けて不安定な展開になると考えられる。
特に日経平均株価にとって懸念材料となるのが円高だ。
パウエルFRB議長の発言を受けて、米国の利上げペースの鈍化と金融引き締めの緩みが意識され、円高に振れた。
為替前提を135円前後に設定している企業もあることから、円高による会社計画の下方修正や未達の可能性が懸念され、日経平均株価の下押し要因となるだろう。
そのため、NYダウが好材料で上昇しても、日経平均株価の上昇は限定的なものにとどまる可能性があることに注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2022年12月5日~2022年12月10日の週に推奨したいのは、小売りの中でもアパレルである。
10月以降気温が低下した後、11月に季節外れの高温が続いたが、12月に入り季節が一気に進み、平年並みか低い予想になっているため、秋冬物の売上好調が続くと考えられる。
また、価格改定が消費者に概ね受け入れられていることも好材料である。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは半導体関連である。
米SOX指数は持ち直しつつあるが、世界半導体市場統計(WSTS)は、8月に世界半導体市場予測を下方修正し、11月にはさらなる下方修正を行っている。
2022年の半導体市場は、8月の見通し(前年比13.9%増)から大幅な下方修正をし、同4.4%増とした。
2021年の同26.2%から成長がさらに鈍化したことに加え、2023年の市場予測も8月の同4.6%から一転して同-4.1%と縮小する見通しである。
短期的な材料で株価が上昇することはあると考えられるが、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2022年12月5日~2022年12月10日の週は、5日(月)の11月米ISM非製造業景況指数、9日(金)の11月米卸売物価指数の他、5日(月)に11月米総合PMI、6日(火)に10月米貿易収支、9日(金)に12月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
また、8日(木)には日本の7-9月期四半期GDPの発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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