知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2022年12月12日~12月17日)
22022年12月12日~2022年12月17日のNYダウと日経平均株価は、FOMC前は神経質な展開となり、FOMC後はその結果に左右される展開になると考えられる。
先週の振り返り
2022年12月5日~2022年12月10日の週の日経平均株価は週半ばに下落したが、9日(金)の上昇で持ち直し、週間ではプラスで取引を終えた。
5日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方、日経平均株価は小幅続落し、その後プラス圏に浮上したが、前日終値付近でのもみ合い続いた。
後場の日経平均株価も前週末終値近辺で膠着状態が続き、前週末比42円50銭高の27,820円40銭で取引を終えた。
6日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が大幅続落した流れから、前日比マイナス圏でスタートしたが、円高進行の一服や中国の経済再開への期待感から下げ渋るとプラス圏に浮上し、上げ幅を拡大した。
後場も堅調に推移し、日経平均株価は前日比65円47銭高の27,885円87銭で取引を終えた。
7日(水)の日経平均株価はNYダウやナスダック総合指数の大幅続落を受けて軟調に。
円安進行が下支えすると下げ幅を縮小したが、その後は膠着状態となった。
後場の日経平均株価は前日終値を挟んで小動きに推移し、前日比199円47銭安の27,686円40銭で取引を終えた。
8日(木)の日経平均株価は前日のナスダック総合指数が4日続落したことから前日比マイナス圏でスタートし、オランダ政府が半導体製造装置の対中輸出規制を計画しているとの報道を受けると、下落幅を拡大する展開となった。
後場に入ると日経平均株価は下げ渋り、前日比111円97銭安の27,574円43銭で取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢に。
後場も日経平均株価は堅調に推移し、前日比326円58銭高の27,901円01銭で取引を終えた。
NYダウはFOMCに左右される展開に
2022年12月12日~2022年12月17日の週のNYダウは、13日(火)と14日(水)のFOMCに左右される展開になるだろう。
それまでは様子見ムードとなり、方向感が出にくい展開が続くと考えられる。
パウエルFRB議長は11月30日(水)に行われたブルッキングス研究所の講演で、「利上げ減速の時期は、早ければ12月の会合になるかもしれない」との見方を示し、今回のFOMCでの利下げの可能性を示唆した。
そのため、市場では今回のFOMCでの利上げペース減速に加え、来年の利上げ停止への期待感が高まっていたが、6日(火)付のウォール・ストリート・ジャーナル紙が、利上げペースは減速するものの、根強い賃金上昇圧力を背景に、投資家が現在予想する5%を上回る水準まで、来年も金利を引き上げることに当局者の間で支持が広がることもありうるとの見方を示し、来年の利上げ継続の可能性を指摘した。
この報道を受けて、この日のNYダウは下落している。
そのため、今回のFOMCでは、参加者の政策金利見通しに注目が集まると考えられる。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙が指摘したとおり、5%を上回るようであれば、来年も利上げが続く可能性が高くなり、NYダウには下押し圧力がかかるだろう。
その場合、14日(水)のNYダウは軟調に推移すると考えられる。
仮に上昇する場面があっても、利上げ継続への懸念が重しとなり、本格的な上昇トレンドにはなりにくいだろう。
一方、市場の期待どおり来年の利上げ停止が想起される内容であれば、安心感が広がり、14日(水)以降のNYダウは堅調に推移すると考えられる。
また、パウエルFRB議長の記者会見での発言にも注目したい。
さらに、13日(火)の11月米消費者物価指数と15日(木)の12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の結果にも注意だ。
結果が強いものであれば、来年の利上げ停止の可能性が後退するため、NYダウには強い下押し圧力がかかるだろう。
特に12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数に関しては、期待インフレ率の結果に注意が必要だ。
なお、2022年12月12日~2022年12月17日の週は、15日(木)に11月米小売売上高の発表もある。
その結果が、懸念されている米国の景気後退の可能性が高まるものであれば、FOMCを無事に通過した場合でも、NYダウには下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
日経平均株価も神経質な展開に
2022年12月12日~2022年12月17日の週の日経平均株価は、米FOMCの結果やパウエルFRB議長の発言をにらみ、神経質な展開になると考えられる。
米国の利上げが来年も継続する可能性が高まるようであれば、日経平均株価は15日(木)以降軟調になるだろう。
一方、来年の利上げ停止の可能性が高まれば、15日(木)以降の日経平均株価は概ね堅調に推移すると考えられる。
今週の推奨セクター
2022年12月12日~2022年12月17日の週に推奨したいのは、大手総合商社である。
決算が市場予想を上回る好調なものになったことに加え、自社株買いなど株主還元の姿勢を示したところもあるため、市場はこれを好感するだろう。
会社計画は保守的な見通しとなっているところもあり、上振れに期待できるところも好印象である。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはオンライン証券である。
個人投資家の株式売買代金の低調に加え、FXは緩和されたとはいえ円安水準にあることから、収益性の低いドル円の取引増加に伴うカバーコストの上昇が懸念される。
米国は利上げペース減速の可能性が高まってきていることに加え、日本政府は円安に適切に対応するとしているため、過度な円安進行にはなりにくいと考えられる。
ただ、円安地合いはまだ続くと考えられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2022年12月12日~2022年12月17日の週は、13日(火)、14日(水)の米FOMCや14日(水)のパウエルFRB議長の記者会見、13日(火)の11月米消費者物価指数、15日(木)の11月米小売売上高と12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の他、16日(金)に12月米製造業PMI、12月米サービス業PMI、12月米総合PMIの発表がある。
また、14日(水)には10-12月期日銀短観が発表される。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
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