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今週の相場見通しについて(2023年1月9日~1月14日)
2023年1月9日~2023年1月14日のNYダウは不安定な展開になるだろう。
日経平均株価は、NYダウなど米株式指数の動向と注目度の高い国内企業の決算の結果に影響されやすいと考えられる。
先週の振り返り
2023年1月2日~2023年1月7日の週は、市場は3日間の営業となり、日経平均株価は軟調に推移した。
4日(水)の日経平均株価は、12月30日、1月3日のNYダウとナスダック総合指数が続落したことやドル円が円高傾向に進んだことから下落。
アジア株が上昇すると日経平均株価は下げ止まったものの、買い戻しの動きが鈍く、安値圏で小動きとなった。
後場の日経平均株価もマイナス圏でもみ合いが続き、前営業日比377円64銭安の25,716円86銭で取引を終えた。
5日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発した流れを受けて、買い戻し優勢に。
一時230円超高まで上昇したが、その後は上げ幅を縮めた。
後場の日経平均株価は小動きが続き、前日比103円94銭高の25,820円80銭で取引を終えた。
6日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反落したが、日経平均株価はいったんマイナス圏に沈むと、円安進行を背景にプラス圏へ浮上し、上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は伸び悩み、前日比153円05銭高の25,973円85銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年1月9日~2023年1月14日の週のNYダウは、米経済指標の結果に一喜一憂する不安定な展開になるだろう。
2023年1月2日~2023年1月7日の週は、強めの経済指標の結果に対し、利上げ長期化が再び懸念材料となった。
例えば、5日(木)発表の12月米ADP雇用統計は、事前予想の前月比+15.0万人に対し、結果は同+23.5万人と大幅に上振れる結果に。
これに対し、市場は米国の利上げ長期化を懸念し、NYダウは売られる展開となった。
その背景として、4日(水)公開のFOMC議事要旨が挙げられる。
今回公開されたFOMC議事要旨では、2023年中の利下げを予想する参加者が誰もおらず、「不当な金融環境の緩和は、物価安定のための私たちの努力を複雑にする」等、早期利下げを否定する文言が見られた。
2023年を通じて金利が高水準にとどまることが伺える内容であり、2023年内の金融緩和を期待していた市場に対し、冷や水を浴びせる内容であった。
さらに、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、同連銀のサイトに4日(水)に掲載した論文で、「インフレがピークを付けたと確信するまで、少なくとも今後数回は利上げを行うのが適切である」との認識を示した。
また、カシュカリ総裁はこの論文で、インフレがより長期間高止まりする兆しが見えた場合には、政策金利がさらに上昇する可能性が正当化されるとの考えを示した。
このように、FRBのタカ派的な姿勢の継続が判明したことから、市場では再び米国の利上げ長期化が焦点となり、強めの経済指標の結果に対して悲観的な反応を示すようになっている。
今後も米国の経済指標の結果は、利上げの長期化につながるものかどうかに注目が集まるだろう。
また、FRB要人発言にも引き続き注意が必要だ。
なお、6日(金)発表の12月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が事前予想を上回る前月比+22.3万人と、事前予想の同+20万人を上回ったが、平均時給が事前予想の前年同月比5.0%に対し同4.6%と下回り、賃金インフレ懸念が後退。
また、同日に発表された12月ISM非製造業景況指数も、事前予想の55.0に対し49.6と予想外の50割れで弱い結果となったことから、米国の景気後退懸念が強まったものの、同時に金利ピークの思惑も強まった。
そのため、この日の米長期金利は低下し、NYダウは堅調に推移した。
このように、いったん米国の金利先高懸念は後退しているものの、2023年1月9日~2023年1月14日の週も、NYダウは引き続き米経済指標の結果に左右され、不安定な動向になりやすいと考えられるため、注意が必要だ。
特に12日(木)は、インフレ関連指標である12月米消費者物価指数が発表されるので、その結果に注意したい。
それに加え、10日(火)も、パウエルFRB議長がスウェーデンで開催する中銀の独立性に関するパネルに出席するため、発言に注意が必要だ。
日経平均株価はNYダウと国内企業の決算発表の結果に左右される
2023年1月9日~2023年1月14日の週の日経平均株価は、基本的にはNYダウなど米経済指標の結果に連動しながらも、注目度の高い国内企業の決算発表の結果にも影響されやすいと考えられる。
中でも、10日(火)の安川電機(6506)、12日(木)のファーストリテイリング(9983)の決算内容には注意したい。
好決算であれば、日経平均株価を下支えするだろう。
また、12日(木)の12月米消費者物価指数の結果にも注意が必要だ。
もしも米消費者物価指数の結果が弱いものになれば、翌13日(金)の日経平均株価は強含みの展開になり、強いものになれば軟調になるだろう。
なお、9日(月)は成人の日のため東京株式市場は休場となることに留意したい。
今週の推奨セクター
2023年1月9日~2023年1月14日の週に推奨したいのは小売の中でもドラッグストアである。
ドラッグストアは、食品や医薬品が堅調に推移している。
冬が本格化するにつれ、総合感冒薬を中心に医薬品の好調が継続すると考えられ、好印象である。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、自動車部品の中でもタイヤを手掛けているところである。
日本自動車タイヤ協会が発表した11月国内タイヤ販売本数は前年同月比4.7%減の1,157万本となった。
好調だった2018年同月比と比較すると、市販用、新車用ともにマイナスが続いている。
新車用に関しては下落幅が縮小したものの、まだ底入りが確認できないため、注意が必要だ。
今週の経済指標
なお、2023年1月9日~2023年1月14日の週は、10日(火)に開催するパネルでのパウエルFRB議長の発言や、12日(木)の12月米消費者物価指数の他に、13日(金)に1月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
さらに、10日(火)開催のパネルには黒田日銀総裁も出席するので、同総裁の発言にも注意したい。
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