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今週の相場見通しについて(2023年1月16日~1月21日)
2023年1月16日~2023年1月21日のNYダウは基本的にもみ合う展開になるだろう。
日経平均株価は、不安定な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年1月9日~2023年1月14日の週の日経平均株価は、13日(金)に下落したものの前週末比プラスを維持し、全体では堅調だった。
9日(月)は成人の日で祝日となり、東京株式市場は休場だった。
10日(火)の日経平均株価は、前週末と前日のNYダウとナスダック総合指数が概ね堅調だったことから買い優勢に。
後場の日経平均株価は狭いレンジでのもみ合いが続き、前週末比201円71銭高の26,175円56銭で取引を終えた。
11日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが反発し、ナスダック総合指数が続伸したことから堅調に。
為替の円安進行やハイテク株への買い戻しが入ったことから、上値を伸ばす展開となった。
後場の日経平均株価は、この日発表の米国の消費者物価指数を前に一進一退となり、前日比270円44銭高の26,446円00銭で取引を終えた。
12日(木)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が続伸したものの、この日の米消費者物価指数の結果を前に様子見ムードが広がったことや、日銀が次回の会合で大規模金融緩和の副作用を点検するとの報道から円高が進行し、日経平均株価は伸び悩むと失速する展開に。
後場の日経平均株価は小動きが続き、前日比3円82銭高の26,449円82銭で取引を終えた。
13日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が堅調だったが、日経平均株価は円高の急進によりマイナス圏に沈み、下げ幅を拡大。
後場の日経平均株価はマイナス圏でのもみ合いが続き、前日比330円30銭安の26,119円52銭で取引を終えた。
NYダウは基本的にもみ合う展開に
2023年1月16日~2023年1月21日の週のNYダウは、基本的にはもみ合いになると考えられる。
12日(木)に発表された12月米消費者物価指数は、前月比-0.1%と事前予想の同0.0%を下回る結果となったが、前年同月比は事前予想どおりの結果となった。
また、コア指数も前月比、前年同月比ともに事前予想どおりの着地となった。
12月米消費者物価指数は前月から減速するとの予想だったため、伸びの鈍化が確認できる内容であったと言える。
インフレのピークアウト期待が強まったことから、この日のNYダウ、ナスダック総合指数ともに堅調に推移し、市場ではFRBの利上げ停止や利下げ転換への期待が広がった。
CMEのFedWatchによれば、5月のFOMCでの利上げ停止予想が54.3%と1週間前の46.9%よりも増加。
ただ、10日(火)にマイアミで開催されたフロリダ銀行協会のイベントで、ボウマンFRB理事が米国の利上げ継続の必要性に関し発言している。
同理事は、「過去数か月に一部のインフレ指標で減速がみられた」としたものの、「FOMCは12月の会合後に表明した通り、金融引き締めに向けて利上げを続ける見通しだ」と高インフレに対応するため、利上げ継続が必要であるとの認識を示した。
このことから伺えるように、依然としてFRBは利上げ継続姿勢を変えていない。
また、12日(木)にはセントルイス連銀のハーカー総裁がオンラインイベントで政策金利を可能な限り早期に5%超に引き上げるべきと発言している。
その一方で、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、12日(木)に参加したイベントでの講演で、「今年はあと数回利上げを行うが、0.25ptの利上げが適切である」と発言し、積極的な金融引き締めの終わりを示唆した。
さらに、政策金利について、5%をかなり大きく上回る水準にする必要はないとの考えを示すなど、FRB要人の中でも見解が分かれている。
そのため、2023年1月16日~2023年1月21日の週のNYダウは、利上げ停止や利下げに対する市場の期待感は継続するとみられ、経済指標の結果に左右されてもみ合いになりやすいだろう。
特に、18日(水)発表の12月米小売売上高やベージュブックの内容には注意したい。
また、2023年1月16日~2023年1月21日の週は米企業の決算発表シーズン序盤となり、NYダウは注目度の高い企業の決算発表に左右される場面も出てくると考えられる。
17日(火)のモルガン・スタンレー(MS)、ゴールドマン・サックス(GS)、19日(木)のプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ネットフリックス(NFLX)の決算結果に注目が集まるだろう。
なお、16日は米国がキング牧師記念日の祝日で休場であることに留意したい。
日経平均株価は、不安定な展開に
一方、2023年1月16日~2023年1月21日の週の日経平均株価は、17日(火)と18日(水)の日銀金融政策決定会合が焦点となり、不安定な展開になりそうだ。
足元の金利が、日銀が拡大した許容変動幅の上限で推移していることから、市場では日銀の政策修正を巡る思惑が広がるだろう。
16日(月)、17日(火)は様子見ムードで方向感が出にくくなると考えられる。
今のところ現状維持になると考えられるが、仮に金融引き締めに向かう動きになった場合には円高が進むとみられ、日経平均株価の下落要因になると考えられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2023年1月9日~2023年1月14日の週に推奨したいのは、IT関連の中でも、ビジネスソフトやITサービスを手掛けるところである。
今後も需要が継続し、ITに対する投資が続くと考えられるため、業績が大崩れしにくく、堅調な業績を反映して選好されやすいと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、輸出関連企業である。
12日(木)発表の12月米消費者物価指数の結果を受けて利上げ停止や利下げの思惑が広がっていることから、為替市場ではドル売り・円買いが加速。
その結果、ドル円は1ドル127円台に下落し、125円台が視野に入ってきている。
このことから輸出関連企業は売られやすい地合いが続くと考えられる。
特に、海外売上高が高いところは避けた方がいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年1月16日~2023年1月21日の週は、18日(水)の12月米小売売上高とベージュブックの公表、17日(火)と18日(水)の日銀金融政策決定会合の他に、18日(水)に12月米卸売物価指数、12月米鉱工業生産、19日(木)に12月米住宅着工件数、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、20日(金)12月米中古住宅販売件数の発表がある。
これらの結果や内容には注意が必要だ。
また、18日(水)の日銀金融政策決定会合終了後の、黒田日銀総裁の定例記者会見の内容にも注目したい。
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