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今週の相場見通しについて(2023年2月6日~2月11日)
2023年2月6日~2023年2月11日の週のNYダウと日経平均株価は一進一退の展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年1月30日~2023年2月4日の週の日経平均株価は2日(木)までもみ合いが続いたが、3日(金)に上昇した。
30日(月)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて小幅高でスタートしたが、米FOMCを翌日に控えて様子見ムードとなり、上値の重い展開に。
後場の日経平均株価は小動きとなり、前営業日比50円84銭高の27,433円40銭で取引を終えた。
31日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は前日比プラス圏でスタートしたが、その後は様子見ムードからこう着状態となった。
後場の日経平均株価は、決算発表を行った大型株の一部が材料出尽くしで売られて軟調となり、前日比106円29銭安の27,327円11銭で取引を終えた。
1日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したため上昇したものの、FOMCの結果発表を前に買いを手控える動きが強く、上げ幅を縮める展開に。
後場の日経平均株価はFOMCの結果発表前で動意が乏しかったものの、好決算銘柄を中心に買われ、前日比19円77銭高の27,346円88銭で取引を終えた。
2日(木)の日経平均株価は、前日のFOMCの結果を受けてNYダウとナスダック総合指数が上昇した流れを引き継ぎ、前日比プラス圏でスタートしたが、円高が重しとなり、一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価は材料不足から小動きとなり、前日比55円17銭高の27,402円05銭で取引を終えた。
3日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウの上昇を受けて前日比プラス圏でスタートすると、前日比210円超高まで上昇したが、低調な米IT大手の決算やこの日発表の米雇用統計を前に上げ幅を縮める展開となった。
後場の日経平均株価は米雇用統計を前にもみ合いが続き、前日比107円41銭高の27,509円46銭で取引を終えた。
2023年2月6日~2023年2月11日の週のNYダウは、米経済指標の結果を受けて一進一退の展開になりそうだ。
市場が注目していた31日(火)、1日(水)開催の米FOMCでは、事前予想どおり0.25ptの利上げが決定された。
利上げ幅こそ縮小されたものの、1日(水)のFOMC声明文では継続的な利上げが適切との前回までの文言を維持。
しかし、政策金利の引き上げ度合いについては、従来、「今後の引き上げペースを決定する上で考慮する」としていたが、今回は、「金融政策の累積的な引き締め
を含む複数の要素に左右される」としたことから、利上げサイクル終了が視野に入ってきているとの見方が出てきている。
その後のパウエルFRB議長の会見では、あと2回ほどの利上げを議論することになると言及。
ただ、「物価の動向が見通しどおりなら、年内の利下げは適切ではない」との見方を示し、利上げ停止や利下げを期待していた市場にとっては期待外れとなった。
一方で、パウエルFRB議長は、「ディスインフレ(インフレ低下)のプロセスが始まった」などディスインフレに関し複数言及した。
パウエル議長の発言は、市場が事前に期待していた内容よりはタカ派的であったものの、ディスインフレへの言及や景気が減速しても労働市場は強いとの見方を示したことから、この日のNYダウはプラス圏で取引を終了している。
このように、今回のFOMCは市場の期待よりはタカ派的であったものの、市場の警戒よりはハト派的な内容になったと言えるだろう。
なお、3日(金)に発表された米雇用統計は、1月非農業部門雇用者数変化(前月比)が事前予想の+18.5万人を大幅に上回る+51.7万人となった。
また、1月の失業率も事前予想の3.6%を下回る3.4%となり、前月の3.5%よりも低下。
1969年5月以来約54年ぶりの低水準となり、強い雇用情勢が確認できる内容となった。
今回の米雇用統計の結果はポジティブサプライズとなり、米国の景気後退懸念が後退した反面、FRBの利上げが長期化するのではないかとの見方が浮上し、米10年債利回りが上昇したため、NYダウやナスダック総合指数は下落。
このように、利上げサイクルは終盤に差し掛かっていると考えられるものの、米経済指標の結果や要人発言によっては、利上げ長期化に対する懸念が市場で再浮上する可能性が考えられる。
NYダウは米経済指標や要人発言に左右されやすい展開に
2023年2月6日~2023年2月11日の週のNYダウは米経済指標や要人発言に左右されやすい展開が続くだろう。
特に、7日(火)にパウエルFRB議長の講演が予定されているため、発言には注意が必要だ。
一方で米企業決算はGoogleやAmazonなど、米IT企業5社の2022年10月-12月決算の結果が減益となるなど、全体的に弱い印象となっている。
ある程度の悪材料は織り込み済みであると考えられるものの、NYダウの下落局面にはこのことも下押し材料になると考えられるため、注意したい。
日経平均株価は一進一退の展開に
2023年2月6日~2023年2月11日の週の日経平均株価は一進一退になると考えられる。
米FOMC、米雇用統計を通過して企業決算に注目が集まり、その結果に一喜一憂する展開になるだろう。
懸念材料として日銀人事が挙げられ、人事内容によっては金融引き締めへの警戒感が強まる可能性が考えられるため、注意が必要だ。
今週の非推奨セクター
2023年2月6日~2023年2月11日の週に推奨したいのは、建設・建材である。
資材価格高騰等の影響がまだ残っているが、受注時の採算の改善や資材価格高騰の影響が徐々に少なくなってきていることなどから、ゼネコン各社の建設工事の総
利益率は今後改善傾向になると考えられる。
今週の経済指標
一方、避けたいのは、鉄鋼である。
熱延コイルは、東アジアでの下落が一服したものの、中国を中心に世界的な需要減退や、東南アジアやインド、米国等での熱延コイル設備増強の影響が考えられる。
その一方、原料炭は中国が豪州産の原料炭輸入再開の報道を受けて大幅に上昇している。
このようなマイナス材料があるため、避けた方が良いだろう。
なお、2023年2月6日~2023年2月11日の週のNYダウは、7日(火)のパウエルFRB議長の講演以外に、10日(金)に2月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、その結果にも注意が必要だ。
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