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今週の相場見通しについて(2023年2月13日~2月18日)
2023年2月13日~2023年2月18日の週のNYダウは上値の重い展開に、日経平均株価は不安定な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年2月6日~2023年2月11日の週の日経平均株価は、3日続落したものの、週間では上昇した。
6日(月)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は上昇して高値圏でもみ合いに。
後場の日経平均株価は上値の重い状態が続き、前営業日比184円19銭高の27,693円65銭で取引を終えた。
7日(火)の日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数が下落した流れを引き継ぎいで前日比プラス圏でスタートすると、円安進行も後押しし、121円超上昇する場面もあった。
しかし、この日のパウエルFRB議長のインタビューやバイデン米大統領の一般教養演説を控えて様子見ムードとなると、一進一退の展開に。
後場の日経平均株価は新規材料不足から値を消し、前日比8円18銭安の27,685円47銭と小反落して取引を終えた。
8日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことから、前日比小幅プラスでスタートしたものの、マイナス圏に沈むと下げ幅を拡大したが、27,500円を割り込むと押し目買いなども入り、下げ渋った。
後場の日経平均株価は、新規材料不足から足踏み状態となり、前日比79円01銭安の27,606円46銭と小幅続落して取引を終えた。
9日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて軟調になり、下げ幅を拡大したが、27,500円近辺で押し目買いが入ると一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価はマイナス圏で小動きとなり、前日比22円11銭安の27,584円35銭で取引を終えた。
10日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数は下落したが、日経平均株価は円安や主力企業の好決算が好感されて上昇し、一時229円超高まで上値を伸ばした。
後場の日経平均株価は上値が抑えられたもののプラス圏で小動きとなり、前日比86円63銭高の27,670円98銭と小幅ながら4日ぶりに反発して取引を終えた。
今週のNYダウは上値の重い展開に
2023年2月13日~2023年2月18日の週のNYダウは、上値の重い展開になりそうだ。
その理由として、各連銀総裁が相次いで金融引き締めに言及したことが挙げられる。
2023年2月6日~2023年2月11日の週は、7日(火)にワシントン経済クラブの対談イベントに出席したパウエルFRB議長が、ディスインフレのプロセスが始まったとの認識と、2023年にはインフレ率が大幅に下がるとの見方を示した一方で、その道程はスムーズなものではなくデコボコしたものになると発言。
インフレ低下プロセスにはかなりの時間がかかり、まだ先が長いとの認識を示し、市場をけん制した。
しかし、市場はパウエル議長の発言のうち、2023年のインフレ率低下に関するものを好感し、この日のNYダウは上昇。
パウエルFRB議長のけん制とは裏腹に、早期金融緩和への期待が高まった格好だったが、一方で、7日(火)に米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、1月の力強い米雇用統計は利上げを継続する必要性を示しているとの見方を示し、8日(水)に米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、インフレを鈍化させるため、数年間は金利を景気抑制的な水準に維持する必要があるかもしれないとの見解を示した。
さらに、9日(木)には、リッチモンド連銀のバーキン総裁が利上げ継続の必要性について述べるなど、FRB高官によるタカ派的発言が相次ぐと、NYダウは軟調な展開が続くこととなった。
先日のFOMCとパウエルFRB議長のディスインフレに関する見方を受けて、市場ではすでにあと2回の利上げを織り込み、再び利上げ停止や利下げへの期待が高まっているが、FRBの認識との間には乖離があるようだ。
そのため、2023年2月13日~2023年2月18日の週も、米経済指標の結果やFRB高官等要人発言に左右されやすい展開になるだろう。
特に注意したいのは14日(火)の1月米消費者物価指数で、発表を前に様子見ムードとなりやすいだろう。
この結果が強いものであれば、NYダウには強い下押し圧力がかかると考えられる。
また、15日(水)の1月米小売売上高の結果にも注意が必要だ。
今週の日経平均株価は不安定な展開に
2023年2月13日~2023年2月18日の週の日経平均株価は、不安定な展開になると考えられる。
理由の一つに、次期日銀総裁を巡る人事が挙げられる。
次期日銀総裁に元日銀審議委員の植田和男氏、副総裁に内田真一理事、氷見野良三前金融庁長官の起用が決まったと10日(金)に報道された。
候補としてほとんど名前が挙がっていなかった植田氏が次期総裁として急浮上したことで、次期総裁は雨宮氏と見込んでいた市場にとってはかく乱材料になるだろう。
14日(火)に新総裁に関する後任人事案が発表される予定なので、注意が必要だ。
また、米消費者物価指数に関しても市場の注目度は高いと考えられるため、こちらの結果にも注意したい。
強い結果となりNYダウが下落した場合には、日経平均株価にも下押し圧力がかかるだろう。
ただ、同時に円安が進む可能性が考えられるため、下落しても下値は限定的なものになると考えられる。
今週の推奨セクター
2023年2月13日~2023年2月18日の週に推奨したいのは、非鉄金属の中でもモリブデンを扱っているところである。
銅鉱石の副産物であるモリブデンは、南米での銅生産の伸び悩みにより市況が一時的に高騰している。
今後はいったん高騰が落ち着くと考えられるが、ペルーでの銅の減産の影響と今後の銅需要の増加に伴い、長期的な供給不足が続くと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、半導体や半導体製造装置である。
自動車以外の顧客で在庫調整が続く影響で需要の減速がみられるようになっていることから、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年2月13日~2023年2月18日の週は、14日(火)の1月米消費者物価指数や15日(水)の1月米小売売上高の他に、15日(水)に2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日(木)に2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、1月米卸売物価指数の発表が予定されている。
これらの結果にも注意が必要だ。
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