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今週の相場見通しについて(2023年2月27日~3月4日)
2023年2月27日~2023年3月4日の週のNYダウは不安定な展開に、日経平均株価は神経質な展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年2月20日~2023年2月25日の週の日経平均株価は軟調な展開となった。
20日(月)は、前週末のNYダウが反発した一方、ナスダック総合指数が下落したことから、日経平均株価は小幅続落して始まると下げ幅を縮小し、前週末終値近辺でのもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は横ばい圏でこう着状態となり、前営業日比18円81銭高の27,531円94銭で取引を終えた。
21日(火)は、前日の米株式市場が祝日により休場だったため、下落した前日の欧州市場の動向を受けて、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートすると、手がかり難から方向感の出にくい展開となった。
しかし、27,500円割れで買い戻しが入ると、前日終値近くまで戻した。
後場の日経平均株価は軟調に推移し、前日比58円84銭安の27,473円10銭で取引を終えた。
22日(水)の日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると、一時427円超下げ幅を拡大する場面もあった。
後場の日経平均株価は安値圏でのもみ合いが続き、前日比368円78銭安の27,104円32銭で取引を終えた。
23日(木)は天皇誕生日のため、東京株式市場は休場だった。
24日(金)の日経平均株価は、前日・前々日のNYダウとナスダック総合指数の動向を受けてプラス圏でスタートし、買い戻しが先行すると、一時前営業日比361円超高まで上昇した。
後場の日経平均株価はこう着状態となり、前営業日比349円16銭高の27,453円48銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年2月27日~2023年3月4日の週のNYダウは、FRBの金融政策に対する警戒感から、不安定な動きが続くだろう。
市場では、金融引き締め終了への期待感と長期化への懸念によるシーソーゲームが続いている。
注目度の高い経済指標の結果や、要人発言に一喜一憂する展開は、3月のFOMCまで続くだろう。
17日(金)に、米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、前回のFOMCで0.25ptの利上げを支持したことを明かし、インフレが目標水準に戻るには、さらなる利上げが必要としながらも、今後も同幅での利上げが望ましいとの考えを示した。
この発言を受けて市場では安心が広がったことから、この日のNYダウは下落幅を縮小し、プラス圏に浮上して取引を終えている。
一方で、22日(水)に発表されたFOMC議事録では、0.5ptの利上げを継続すべきだという意見が数人の参加者から出たことが判明。
クリーブランド連銀のメスター総裁と、セントルイス連銀のブラード総裁は、FOMC後に0.5ptの利上げを支持したことをそれぞれ明らかにしている。
また、今後の利上げについて、「継続的な」との表現がFOMC後の声明で維持されたことから、複数回の利上げが行われることが分かっていたが、今回のFOMC議事録では、参加者全員の合意を得られたということが判明した。
さらに、22日(水)にセントルイス連銀のブラード総裁が、CNBCとのインタビューで、米金利について5.375%への利上げを支持していることを語り、24日(金)には、クリーブランド連銀のメスター総裁が、米金利について5%をやや上回る水準に引き上げたうえで、その水準をしばらく維持することが望ましいとの考えを示している。
このように、利上げ長期化を示す要人発言が多く、市場では金融引き締め終了に対する期待感が大きく後退し、米国のリセッションへの懸念が再燃している。
1月の米経済指標が強めのものが多かったことも、金融引き締め終了への期待感が後退する原因になっていると考えられる。
2023年2月27日~2023年3月4日の週も米経済指標の発表が複数予定されているが、1日(水)発表の2月米ISM製造業景況指数、3日(金)発表の2月米ISM非製造業景況指数の結果には注意したい。
ISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数が、事前予想を上回る好調な結果になった場合には、利上げ長期化と利上げ幅再拡大への懸念が浮上し、NYダウやナスダック総合指数の下落要因になるだろう。
日経平均株価は神経質な展開に
2023年2月27日~2023年3月4日の週の日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数の動向を受けて、神経質な展開になると考えられる。
翌週に米雇用統計や日銀金融政策決定会合を控えているため、様子見ムードから積極的な買いが入りにくく、上昇しても限定的なものにとどまる可能性が高いだろう。
一方で、下落した場合も買い拾う動きが入ると考えられ、上下ともに限られた値幅での値動きが続きそうだ。
今週の推奨セクター
2023年2月27日~2023年3月4日の週に推奨したいのは、アパレル関係である。
1月は、上旬がやや暖かい日が続いたものの、下旬に入ってから猛烈な寒波が到来し、前年比・平年比ともに低温傾向となった。
2月は平年よりも温かい日が何日かあったが、例年になく寒い日もあるなど変動が激しく、半ば過ぎまで真冬の寒さが続いたことから、冬物の売上は概ね好調に推移したと考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは電力・ガスである。
2022年7-9月期よりは差損が縮小しているものの、原油はタイムラグ差益が発生し、LNG、石炭で電気やガス料金のタイムラグ差損が発生している。
底打ちしたと考えられるが、回復にまだ時間がかかるとみられるため、避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年2月27日~2023年3月4日の週は、1日(水)の2月米ISM製造業景況指数、3日(金)の2月米ISM非製造業景況指数の他に、27日(月)に1月米耐久財受注、28日(火)に2月米消費者信頼感指数、1日(水)に2月製造業PMI(改定値)、3日(金)に2月米サービス業PMI(改定値)、2月米総合PMI(改定値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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