知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
皆さん投資検討する時の参考にしてください。
延長を希望される方がいたので当面の間延長します。感想などコメントや感想・問い合わせから教えてもらえると嬉しいです。
なお、当ブログに寄稿を希望されるブロガーさんがいらっしゃいましたら、こちらからご連絡くださいませ。
感想・問い合わせ - 1億円を貯めてみよう!chapter2
今週の相場見通しについて(2023年4月3日~4月8日)
2023年4月3日~2023年4月8日の週のNYダウと日経平均株価は概ね堅調に推移するだろう。
先週の振り返り
2023年3月27日~2023年4月1日の週の日経平均株価は30日(木)に下落したが、それ以外は上昇したため、週間では堅調に推移した。
27日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて前週末比プラス圏でスタートするともみ合いとなった。
後場の日経平均株価も買い戻しが優勢となり、前週末比91円62銭高の27,476円87銭で取引を終えた。
28日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウの上昇を受けて前日比プラス圏でスタートしたが、円高の影響で失速すると上値を切り下げる展開に。
後場の日経平均株価は弱含みでもみ合いが続き、前日比41円38銭高の27,518円25銭で取引を終えた。
29日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は買い優勢となり、上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価も大型株を中心に買い優勢となり、前日比365円53銭高の27,883円78銭で取引を終えた。
30日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発した一方、日経平均株価は配当落ちの影響で軟調に推移した。
後場の日経平均株価も上値が重く軟調に推移し、前日比100円85銭安の27,782円93銭で取引を終えた。
31日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が続伸した流れを受けて上昇。
後場の日経平均株価は、米株高や円安を受けた買いが継続し、前日比258円55銭高の28,041円48銭で取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移
2023年4月3日~2023年4月8日の週のNYダウは、シリコンバレー銀行破綻に対する懸念が後退したことが下支えするとみられ、概ね堅調に推移するだろう。
このところ問題になっていた欧米の金融不安については、発端となったシリコンバレー銀行の破綻が解決に向けて動き出したことで、市場の不安は後退している。
26日(日)に、米国の地方銀行であるファースト・シチズンズ銀行がシリコンバレー銀行の買収を発表。
同じく経営破綻したシグネチャー銀行についても、ニューヨーク・コミュニティ・バンコープがシグネチャー銀行の預金と資産の一部の買収を発表している。
さらに、クレディ・スイスはUBSに買収されるなど、事態の収束に向けた動きが出ているのだ。
また、FRB当局も金融不安の払しょくに向けた発言をしている。
FRBのバー副議長は、米銀行システムは健全で強靭と表明し、必要ならばあらゆる手段を使う用意があると表明。
FRB当局者の発言に加え、シリコンバレー銀行の買収も決まったことから、米金融不安はいったん収束した。
ただし、ドイツ銀行の財務健全性の問題など火種はまだ残っているため、本問題が再燃する可能性があることは、頭の片隅に入れておいたほうが良さそうだ。
以上のとおり、欧米における金融不安の問題が後退したことから、2023年4月3日~2023年4月8日の週のNYダウは堅調に推移すると考えられ、市場の関心は再び利上げや利下げの可能性に移るだろう。
30日(木)には、ボストン地区連銀のコリンズ総裁が「インフレは依然として高すぎる」との見方を示し、FRBは年内にあと1回利上げを行い、年末までその水準を維持するとの見通しを立てていることを明らかにしたうえで、「なおやるべきことがある」と指摘した。
また、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁やリッチモンド連銀のバーキン総裁も、依然としてインフレが高いとの見方を示し、カシュカリ総裁はインフレ低下のためにさらにやるべきことがあると指摘。
シリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻を受けて、年内の利上げはあと1回との見方がされているものの、市場は年内の利下げを期待している。
しかし、上記連銀総裁の発言を見る限り、FRBと市場との乖離は大きいようだ。
ただ、インフレ指標である2月米個人消費支出が事前予想を下回ったことから、FRBが追加利上げに転じる可能性は現状低いとの見方は維持されていると考えられ、このことが2023年4月3日~2023年4月8日の週のNYダウを下支えするだろう。
ただし、経済指標の結果には引き続き注意したほうが良さそうだ。
5日(水)発表の3月米ADP雇用統計は米雇用統計の前哨戦であるため、結果に注意したい。
3日(月)には3月米ISM製造業景況指数が、5日(水)には3月米ISM非製造業景況指数が発表されるため、結果に注意が必要だ。
いずれも結果が事前予想を上回れば、NYダウの下押し要因になる可能性が考えられる。
なお、7日(金)には3月の米雇用統計が発表されるが、この日は欧米市場が休場であることから、市場が結果に反応するのは翌週になる。
日経平均株価も引き続き堅調に推移
2023年4月3日~2023年4月8日の週の日経平均株価は引き続き堅調に推移すると考えられる。
欧米の金融不安が後退していることが追い風となりそうだ。
今週の推奨セクター
2023年4月3日~2023年4月8日の週に推奨したいのは、精密機械の中でも複写機の割合が高いところである。
2022年10~12月期の世界事務機出荷台数(工場出荷ベース)は、複写機(A3機)の台数が回復し、金額でも複写機は上昇した。
複写機は部材律速解消で生産が回復したことが台数と金額の増加につながったとみられていて、印象としてはポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは通信機器関連である。
景況感の悪化に伴い、通信キャリアの投資が抑制傾向であるため避けた方が良いだろう。
今週の経済指標
なお、2023年4月3日~2023年4月8日の週は、3日(月)の3月米ISM製造業景況指数や5日(水)の3月米ADP雇用統計、3月米ISM非製造業景況指数のほかに、3日(月)に3月米製造業PMI(改定値)、4日(火)に2月米JOLTS求人件数、5日(水)に3月米サービス業PMI(改定値)、3月米総合PMIの発表がある。
これらの結果や内容にも注意が必要だ。
Copyright secured by Digiprove © 2023