知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年5月8日~5月13日)
2023年5月8日~2023年5月13日の週のNYダウは、米経済指標の結果を受けて不安定な展開になると考えられる。
企業決算が本格化することから、日経平均株価はその結果に左右されやすいと考えられるが、下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2023年5月1日~2023年5月6日の週の日経平均株価は、2日間しか取引が行われなかったが、堅調だった。
1日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったが、上昇後は上値の重い展開となった。
後場の日経平均株価は高値圏でのもみ合いが続き、前営業日比266円74銭高の29,123円18銭と、約8カ月半ぶりに2万9,000円台を回復して取引を終えた。
2日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は円安進行を受けて前日比プラス圏でスタートした。
しかし、翌日から連休に入ることに加え、この日の夜に米FOMCが開催されるとあって、様子見ムードとなると失速し、マイナス圏に沈んだ。
後場の日経平均株価は、円安進行が後押ししてプラス圏に浮上すると、前日比34円77銭高の29,157円95銭で取引を終えた。
3日(水)~5日(金)は、ゴールデンウィークで東京株式市場は休場となった。
NYダウは、米経済指標の結果を受けて不安定な展開に
2023年5月8日~2023年5月13日の週のNYダウは、不安定な展開になりそうだ。
2日(火)、3日(水)に開催された米FOMCにおいて、市場予想どおり0.25ptの利上げが決定した。
今回のFOMCの声明文では、3月の会合で明記していた「幾分かの追加利上げが適切と予想する」との文言が削除されていたことから、FRBは次回以降の利上げを停止する可能性が高いとみられている。
ただ、3日(水)に行われた記者会見で、パウエルFRB議長は「金融引き締めが必要となれば、より多くのことをする用意がある」と述べ、利上げ継続の可能性も残している。
また、パウエルFRB議長は、インフレが高止まりすれば利下げはしないとし、市場が期待していた年内の利下げについての可能性を否定。
市場の落胆を誘ったことに加え、景気後退懸念が高まり、この日のNYダウは下落した。
さらに、5日(金)に発表された4月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が前月比25.3万人と、事前予想の同18.0万人を大きく上回る結果となった。
失業率は、事前予想の前月比3.6%を下回る同3.4%となり、3月の同3.5%から改善。
平均時給も事前予想の前月比4.2%を上回る同4.4%となり、人手不足に伴う賃金上昇が続いていることが判明した。
今回の雇用統計の結果からは、米国のインフレ圧力が依然として高いことが窺える。
今のところ、利上げ停止の可能性が高いとみられているものの、今回の米雇用統計の結果が良好であったことから、今後の利上げ判断にどのような影響を与えるか注意が必要だ。
なお、5日(金)のNYダウは、米雇用統計の結果が強いものとなったが、米アップルの株価上昇や地銀への懸念緩和に加え、ここ数日続いた下落からの自律反発による買いの影響で上昇し、取引を終えている。
ただし、米雇用統計の結果はインフレ圧力の強さが窺えるものであり、引き続き、FRB当局者の発言や米雇用統計の結果にNYダウが左右されやすい展開になることが予想される。
それに加え、米地銀リスクにも注意したい。
5日(金)には地銀への懸念が緩和したものの、ファースト・リパブリック銀行の破綻後、地銀リスクを見直す動きが出てきていることから、金融不安が再燃しやすい状況であることは変わらない。
米地銀は他にも預金が流出しているところがあるため、引き続き本件に関する報道に注意が必要だ。
また、既述したとおり、利上げについては停止の公算が高いとみられているものの、パウエルFRB議長の会見での発言は、利上げ再開について含みを持たせている。
したがって、市場は米経済指標の結果に左右されやすく、NYダウは不安定な動きになりやすいだろう。
経済指標がインフレ圧力の強さが窺える結果となった場合には、利上げ再開による景気後退懸念と利下げ期待の後退から、NYダウには下押し圧力がかかると考えられる。
特に、10日(水)の4月米消費者物価指数の結果には注意が必要だ
日経平均株価は企業決算に左右されやすい展開に
一方、2023年5月8日~2023年5月13日の週の日経平均株価は、企業決算に左右されやすい展開になると考えられる。
8日(月)と9日(火)には大手総合商社、10日(水)はトヨタ自動車、11日(木)にはソフトバンクグループと、企業の本決算発表が目白押しである。
そのため、注目度の高い企業決算の結果に日経平均株価は左右されるだろう。
特に、日経平均株価に対する寄与度の高い企業の決算には注意が必要だ。
ただ、下落局面でも円安が下支えするとみられることから、下値は堅いと考えられる。
今週の推奨セクター
2023年5月8日~2023年5月13日の週に推奨したいのは、大手商社である。
ウォーレン・バフェット率いるバークシャーの米国以外の投資先について、日本の大手商社5社への投資が最大であることを2023年4月11日付日経新聞が報じた。
同氏は、大手商社5社のいずれかの株式を9.9%まで買い増す可能性に触れていたことから、今後も選好されやすいだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは不動産である。
日銀の金融政策や、世界的な景気不安などのマイナス材料があることから、不動産売買市場は軟調に推移しそうである。
また、今後、オフィスの大量供給の影響が徐々に表れてくるとみられることに加え、コロナ特需の一巡による持ち家の減速が予想されることから、避けた方が良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年5月8日~2023年5月13日の週は、10日(水)の4月米消費者物価指数以外に、11日(木)に4月米卸売物価指数、12日(金)に5月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表が予定されている。
これらの結果にも注意が必要だ。
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