知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年6月12日~6月17日)
2023年6月12日~2023年6月17日の週のNYダウは、週の半ばまでFOMCを前に様子見ムードとなりやすいだろう。
パウエルFRB議長の会見やドットチャートの結果がタカ派的なものであれば、週後半は軟調に、ハト派的なものであれば堅調になると考えられる。
一方、日経平均株価はFOMCや日銀金融政策決定会合を前に方向感の出にくい展開になると考えられるが、底堅いだろう。
先週の振り返り
2023年6月5日~6月10日の週の日経平均株価は、途中大幅下落する場面もあったが、週間では大幅高となった。
5日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の続伸を受けて買い優勢となると、円安も後押しし上昇。
後場の日経平均株価も堅調に推移し、前週末日比693円21銭高の32,217円43銭と3営業日続伸して取引を終えた。
6日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したため、日経平均株価はマイナス圏でスタートしたが、その後プラス圏に浮上すると高値圏へ。
後場の日経平均株価は大型株を中心に上げ幅を拡大し、前日比289円35銭高の32,506円78銭で取引を終えた。
7日(水)は、前日のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて、日経平均株価はプラス圏でスタートしたが、失速するとマイナス圏に沈み、下落した。
後場の日経平均株価は値がさ株を中心に下げ幅を拡大し、前日比593円04銭安の31,913円74銭で取引を終えた。
8日(木)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の下落を受けてマイナス圏でスタートすると、いったん下げ渋る展開となったが、再び下落。
後場の日経平均株価はじり安で推移し、前日比272円47銭安の31,641円27銭で取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けてプラス圏でスタートすると上昇。
もみ合う場面もあったが、再び強含むと上昇し、その後は一進一退の展開となった。
後場の日経平均株価はアジア株高を受けて600円超高となり、前日比623円90銭高の32,265円17銭で取引を終えた。
NYダウは米FOMCまで様子見ムード
2023年6月12日~6月17日の週のNYダウは、13日(火)と14日(水)の米FOMCを前に、週半ばまで様子見ムードとなりそうだ。
米政府債務上限を停止する法案が可決されたことで、市場が懸念していた米国のデフォルトは回避され、市場の注目は米FOMCに移っている。
10日(土)現在、CMEのFedWatchは利上げが行われない可能性について約73%としていることからも分かるように、今回開催される米FOMCでは、利上げは見送られるとの公算が高い。
そのため、市場の関心は次回のFOMCにおいて利上げがどうなるのか、という点に移っているようだ。
5月31日(水)に米ウォールストリートジャーナルは、FRB関係者が、6月開催のFOMCでは利上げを行わず、夏以降に再び利上げを行う準備をする可能性があることを示唆したと報道。
同日に米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、6月のFOMCでは利上げを見送るべきとの考えを示す一方で、これまでに実施された利上げにインフレの反応が不十分であれば、FRB当局者は一段の利上げを実施する用意をしておく必要があると指摘している。
また、5月22日(月)には米セントルイス連銀のブラード総裁が、インフレ鎮静化のためにFOMCは今年あと2回利上げをするとの見通しを示している。
以上のように、6月の利上げは行わないとの見方がFRB関係者から示されているものの、次回以降は利上げの可能性があることから、市場では警戒感が強まっている。
したがって、14日(水)のFOMC終了後のパウエルFRB議長の記者会見の内容には注意が必要だ。
パウエルFRB議長が利上げの可能性を示唆する発言をした場合には、NYダウの下押し圧力になるだろう。
併せて、同日に発表されるドットチャートにも注目したい。
もしもパウエルFRB議長の発言やドットチャートの内容がタカ派的なものになれば、15日(木)以降のNYダウは軟調に推移すると考えられる。
反対にハト派的なものであれば、NYダウは概ね堅調に推移するだろう。
さらに、2023年6月12日~6月17日の週は、13日(火)に発表される5月米消費者物価指数の結果と14日(水)に発表される5月米卸売物価指数の結果にも要注目だ。
特に、13日(火)の5月米消費者物価指数の結果が強いものになった場合には、7月以降のFOMCで利上げが再開される可能性が高まったとして、NYダウは急落する可能性があるため、注意したい。
日経平均株価は方向感の出にくい展開に
2023年6月12日~6月17日の週の日経平均株価は方向感の出にくい展開になりそうだ。
既述したとおり、週の前半は米FOMCが開催され、後半は15日(木)と16日(金)に日銀金融政策決定会合が開催される。
これらの結果を前に、市場では様子見ムードが高まりそうだ。
ただ、国内上場企業の2023年3月期決算が好調だったことから、日経平均株価は下落しても限定的なものにとどまりそうだ。
今週の推奨セクター
2023年6月12日~2023年6月17日の週に推奨したいのは、食品である。
原材料等の価格高騰を受けた値上げがさらに進むことに加え、2024年には原料安も見込めるため、収益の改善に期待できるだろう。
値上げの影響を一時的に受けると考えられるものの、2024年には消費者にも受けられていると考えられる。
今後、収益の改善が進むところが多いと考えられるため、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのはゴム関連である。
ゴムや原油は一時期よりも価格が落ち着いているが、円安傾向が続いていることから、収益を圧迫する恐れがある。
ゆえに選好されにくいと考えられるため、避けた方がいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年6月12日~6月17日の週は、13日(火)および14日(水)開催の米FOMC、13日(火)発表の5月米消費者物価指数、14日(水)発表の5月米卸売物価指数、15日(木)および16日(金)開催の日銀金融政策決定会合のほかに、15日(木)に5月米小売売上高、6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、16日(金)に6月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意したい。
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