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今週の相場見通しについて(2023年7月10日~7月15日)
2023年7月10日~2023年7月15日の週のNYダウは経済指標の結果に影響される展開になるだろう。
一方、日経平均株価は神経質な展開になりそうだ。
先週の振り返り
2023年7月3日~7月8日の週の日経平均株価は軟調だった。
3日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となり、プラス圏で推移した。
後場の日経平均株価はじり高となり、前週末比564円29銭高の33,753円33銭で取引を終えた。
4日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇とは反対に、日経平均株価は下落すると、下げ幅を拡大する展開に。
後場の日経平均株価は、前日の高値更新を受けた利益確定売りからマイナス圏での一進一退が続くと、前日比330円81銭安の33,422円52銭で取引を終えた。
5日(水)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったことから、軟調な欧州市場の下落を受けて続落したが、売り一巡後は下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、材料難からマイナス圏でのもみ合いが続き、前日比83円82銭安の33,338円70銭で取引を終えた。
6日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となったが、33,000円を挟んで一進一退の展開が続いた。
後場の日経平均株価は、アジア株安を受けて700円超下落する場面もあったが、前日比565円68銭安の32,773円02銭で取引を終えた。
7日(金)の日経平均株価は、NYダウとナスダック総合指数の続落に加えてETFの分配金捻出に伴う換金売りも警戒され、一時445円超下落した。
後場の日経平均株価も軟調に推移し、前日比384円60銭安の3万2388円42銭で取引を終えた。
NYダウは経済指標の結果に影響される展開に
2023年7月10日~7月15日の週のNYダウは、経済指標の結果に左右されやすい状況になるだろう。
理由として、FRBによる年内の積極的な利上げが意識されることが挙げられる。
5日(水)に公表された6月のFOMC議事要旨では、ほぼすべての参加者が6月の利上げ据え置きを最終的に支持した一方、「インフレは受け入れがたいほど高い」との認識で一致したことが判明。
インフレ率が目標の2%を大幅に上回っていることから、大半の当局者が「いずれ追加利上げが必要になる」との見通しを示したことも明らかになった。
6月のFOMC議事要旨の公表を受けて、市場では利上げ再開の見通しが強まった。
CMEのFedWatchによれば、6日(木)時点で0.25%の利上げを行うとの見方が91.8%、据え置きとの見方が8.2%となり、一週間前(6月30日)と比較すると、利上げするとの見方が5%増えている。
また、6日(木)に発表された6月ADP雇用統計や6月ISM非製造業景況指数は、事前予想を上回る強い結果となった。
FOMC議事要旨の内容を考慮すると、利上げ再開を後押しする結果であるとして嫌気され、この日のNYダウの下押し要因となっている。
なお、7日(金)に発表された6月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が事前予想の22.5万人を下回る20.9万人となった一方で、失業率は事前予想どおり、平均時給は事前予想を上回る結果となった。
非農業部門雇用者数を受けて、この日のNYダウは途中まで軟調に推移したが、途中から小幅反発する展開となった。
ただ、米国では賃上げ上昇が物価上昇につながっており、今回の米雇用統計の結果は、依然として賃金の上昇が続いていることが窺える内容である。
それに加え、シカゴ連銀のグールズビー総裁がこの日のCNBCのインタビューで、追加利上げの確率について「そこそこある」との見方を示すと、年内にあと2~3回の利上げが必要になるとのFRB当局者の見方に反対しないと述べた。
インタビューの内容を受け、FRBのタカ派的スタンスは変わらないとの見方が広がったことから、NYダウは途中で失速し、マイナス圏に沈んで取引を終えている。
2023年7月10日~7月15日の週は、12日(水)に6月米消費者物価指数が発表され、結果に注目が集まるだろう。
市場は年内の追加利上げが行われるとの見方を強めているものの、6月米消費者物価指数の結果が強いものになれば、利上げの長期化が意識されてNYダウの下押し圧力になるだろう。
一方、弱い結果になった場合には、NYダウの上昇要因になると考えられるため、結果に注意が必要だ。
日経平均株価は神経質な展開に
2023年7月10日~7月15日の週の日経平均株価は神経質な展開になると考えられる。
2023年7月3日~7月8日の週は、7日(金)の6月米雇用統計の発表を控え、利上げを巡る米国市場の動向の影響を強く受けたが、2023年7月10日~7月15日の週は、6月米消費者物価指数の発表が12日(水)にあることから、週の半ばまでは神経質な展開が続くだろう。
もしも強い結果となった場合には、軟調な米株価指数の影響を受けて、日経平均株価にも下押し圧力がかかると考えられる。
一方、弱い結果となった場合には、日経平均株価は強含みの展開になると考えられる。
今週の推奨セクター
2023年7月10日~2023年7月15日の週に推奨したいのは、ゲームの中でも家庭用ゲームに携わるところである。
2023年3月期決算の結果が概ね良好だったゲームメーカーが多かったことに加え、2023年、2024年にかけて、PS5向けの有力タイトルリリースが増えると見られている。
そのため、PS5向けタイトルの発表等の情報が発表されることにより、注目度が上がると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、住宅メーカーの中でも国内での販売比率の高いところである。
2023年3月期の決算発表では、国内の戸建住宅の受注状況は全体的に軟調であった。
海外住宅や賃貸については堅調であることから、これらの割合が高いところは選好されやすいと考えられるが、国内の戸建住宅の割合が高い場合には、受注回復が確認できるまで避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年7月10日~7月15日の週は、12日(水)の6月米消費者物価指数のほかに、12日(水)にベージュブック、13日(木)に6月米卸売物価指数、14日(金)に7月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
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