知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年8月14日~8月19日)
2023年8月14日~2023年8月19日の週のNYダウは、神経質な展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は方向感が出にくいものの、底堅く推移しそうだ。
先週の振り返り
2023年8月7日~8月12日の週の日経平均株価は週間では上昇した。
7日(月)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が続落した影響を受けて、日経平均株価は前週末比マイナス圏でスタートすると、押し目買いで底堅い展開となった。
後場の日経平均株価は円高が一服して底堅く推移し、前週末比61円81銭高の32,254円56銭で取引を終えた。
8日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反発したことから、日経平均株価も上昇したが、失速。
後場の日経平均株価はこう着状態が続き、前日比122円73銭高の32,377円29銭で取引を終えた。
9日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が反落したことから、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートすると、前日終値を挟んでもみ合いが続いた。
後場の日経平均株価は安値圏でのもみ合いが続き、前日比172円96銭安の32,204円33銭で取引を終えた。
10日(木)は、前日のNYダウがとナスダック総合指数が続落したことから、日経平均株価は前日比マイナス圏でスタートしたが、その後は上昇トレンドとなり、プラス圏に浮上した。
後場の日経平均株価はプラス圏でのもみ合いが続き、前日比269円32銭高の32,473円65銭で取引を終えた。
11日(金)は祝日のため、東京株式市場は休場となった。
NYダウは神経質な展開に
2023年8月14日~8月19日の週のNYダウは、引き続き米経済指標の結果に左右され、神経質な展開になるだろう。
10日(木)に発表された米7月米消費者物価指数は、前月比は事前予想どおり0.2%に着地するも、前年同月比では事前予想の3.3%を下回る3.2%となった。
また、コア指数についても前月比は事前予想と同じく0.2%となったが、前年同月比は事前予想の4.8%を下回る4.7%となった。
事前予想を下回ったものの、6月まで12か月連続で鈍化傾向にあった伸び率が拡大したことから、インフレが継続していることが窺える結果であるといえよう。
一方で、コア指数については依然として高水準であるものの、昨年9月の6.6%をピークに鈍化傾向が続いている。
また、FRBが注目する住宅とエネルギーを除いたサービス価格をブルームバーグが算出したところ、前月比0.2%上昇と6月を上回る水準になり、前年同月比では4.1%とこちらも6月を上回る水準となった。
消費者物価指数の中でも3分の1を占める住宅費は0.4%上昇している。
前月から引き続き上昇していることから、今後は住宅費の伸びが抑制されるかどうかに注目が集まるだろう。
今回、コア指数の鈍化傾向が確認できたことから、市場では再び利下げに対する期待が高まっているようだ。
CMEのFedWatchによれば、8月10日時点で9月のFOMCでは金利が据え置かれるとの見方が90%以上を占め、早ければ来年1月のFOMCで利下げが行われるとの見方が30%ほどに達し、来年3月のFOMCで利下げが行われるとの見方が60%近くを占めている。
その見通しを後押しするように、7日(月)には米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、利下げについて言及したことが報道された。
ウィリアムズ総裁はニューヨークタイムズのインタビューに対し、景気抑制的スタンスを当面維持する必要があるとしながらも、インフレ率は期待どおり低下しており、経済データ次第では、来年初頭の利下げの可能性を排除しないと発言。
この発言が好感され、この日のNYダウやナスダック総合指数は反発した。
ウィリアムズ連銀総裁の発言や、今回の米消費者物価指数の結果を受けて市場では利下げ期待が高まっている。
よって、2023年8月14日~8月19日の週も、NYダウは米経済指標の結果に左右されやすい展開が続くだろう。
15日(火)には7月米小売売上高、16日(水)には米FOMC議事要旨の公表に特に注目が集まりそうだ。
16日(水)の米FOMC議事要旨において、ハト派的スタンスが確認された場合には、利下げ期待がいっそう強まり、NYダウやナスダック総合指数の上昇要因になるだろう。
反対に、タカ派的スタンスが確認された場合には、利上げ長期化が懸念され、NYダウやナスダック総合指数の下落要因になるため、注意が必要だ。
日経平均株価は方向感に乏しい展開が続く
一方、2023年8月14日~8月19日の週の日経平均株価は方向感に乏しい展開が続くと考えられる。
14日(月)まで3月、6月、9月、12月決算企業の四半期決算の発表が続くものの、それで一巡してしまうため、15日(火)以降は材料難になりやすく、NYダウなど米国の株価指数の動向に影響される展開が続くだろう。
ただ、為替相場は円安傾向が続いて再び140円台に突入しているため、日経平均株価が下落した場合でも、円安が下支え材料になりそうだ。
今週の推奨セクター
2023年8月14日~2023年8月19日の週に推奨したいのは、化粧品メーカーである。
インバウンド需要が回復しつつあることに加え、高級化粧品の需要も強いことから、今後、インバウンド需要の回復が進むにつれて恩恵を受けると考えられる。
中国の団体旅行が解禁となったことも後押ししそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは機械の中でも化学機械や工作機械や半導体製造装置である。
内閣府が発表した5月の機械受注統計調査報告の民需(船舶・電力除く)は、前月比7.6%減と2か月ぶりの減少となった。
外需は前月比12.0%増と2か月連続で増加したものの、減少局面にある。
工作機械や半導体関連は今年の後半にかけて回復が見込まれるものの、足元では軟調であるため、避けた方がよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年8月14日~8月19日の週は、15日(火)の7月米小売売上高、16日(水)の米FOMC議事要旨の公表のほかに、15日(火)に8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日(木)に8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。