知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年10月30日~11月4日)
2023年10月30日~11月4日の週のNYダウと日経平均株価は、日米の金融政策決定会合を前に不安定な展開が予想される。
先週の振り返り
2023年10月23日~10月28日の週の日経平均株価は上昇する日もあったが、週全体では下落した。
23日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて軟調に推移した。
後場の日経平均株価はじり安となり、前週末比259円81銭安の30,999円55銭で取引を終えた。
24日(火)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数が上昇したことを受けて反発スタートとなったものの、その後は値を下げた。
後場の日経平均株価は下げ渋り、前日比62円80銭高の31,062円35銭で取引を終えた。
25日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから、買い優勢となると堅調に推移した。
後場の日経平均株価は高値圏でのもみ合いが続き、前日比207円57銭高の31,269円92銭で取引を終えた。
26日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数の下落を受けて反落すると売り優勢となった。
後場の日経平均株価は700円超下落するなど軟調に推移し、前日比668円14銭安の30,601円78銭で取引を終えた。
27日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は買い戻し優勢となると堅調に推移した。
後場の日経平均株価は強含みながらももみ合いで推移し、前日比389円91銭高の3万0991円69銭で取引を終えた。
NYダウは米FOMCと米経済指標の結果に左右されやすい展開に
2023年10月30日~11月4日の週のNYダウは、米FOMCと米経済指標の結果に左右されやすい展開になるだろう。
中東情勢など波乱を引き起こす材料もあるため、相場の急騰や急落には注意が必要だ。
31日(火)、1日(水)の2日間にわたり、11月の米FOMCが開催される。
足元では、複数のFRB高官が長期金利の上昇が利上げの代替になるといった発言をしていることを受けて、今回のFOMCでは金利が据え置かれるとの予想がされている。
27日(金)に発表された9月米個人消費支出の結果も金利据え置きを後押しすると考えられ、足元では利上げに対する警戒感は後退している模様だ。
9月米個人消費支出は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比3.7%と、事前予想どおりの着地となり、前月の同3.8%から低下した。
伸びが鈍化基調を維持したことから、市場では金利据え置きに加え、利上げの終了も近いとの見方が広がっているようだ。
また、26日(木)に発表された7-9月期米GDPは事前予想の前期比(年率換算)4.5%増に対し4.9%増と上回り、4-6月期の同2.1%増からも大幅に拡大している。
この結果に対し、イエレン米財務長官は米経済のソフトランディングを示唆している可能性があるとの認識を示した。
以前から懸念されていた、米経済が景気後退に入るのではないかとの見方を覆す結果であったことから、市場の安心感を誘ったと考えられる。
このように、足元の米経済指標は米景気の堅調さやインフレ鈍化を示す結果であったが、2023年10月30日~11月4日の週に発表される経済指標には引き続き注意が必要だ。
特に3日(金)には10月米雇用統計が発表されるが、この結果が米国の景気鈍化やインフレ進行を示す結果であった場合には注意が必要だ。
あわせて、米雇用統計の前哨戦とされる1日(水)の10月米ADP雇用統計の結果にも注意したい。
さらに、11月の米FOMC後の政策金利発表に加え、パウエルFRB議長の記者会見での発言にも市場の注目が集まると考えられる。
パウエルFRB議長は、政策判断はデータ次第で決めるとの方針に変わりはないとの姿勢を示しており、今のところそのスタンスが変わることはないとみられている。
ただし、会見での発言が予想よりもハト派的なものであったりタカ派的なものであったりした場合には、NYダウは波乱含みの展開になるだろう。
もしもハト派的なものとなった場合にはNYダウの上昇要因になるが、タカ派的なものとなった場合には下落要因になるため、相場の急変に注意したい。
日経平均株価は国内企業の決算発表ラッシュとなるため不安定な展開に
2023年10月30日~11月4日の週の日経平均株価は、米FOMCや米雇用統計があるものの、国内企業の決算発表ラッシュとなるため不安定な展開になりそうだ。
加えて、30日(月)と31日(火)の2日間にわたり日銀金融政策決定会合が開催され、金融政策の修正がされるのではとの見方も一部でされていることから、注意が必要だ。
金融政策の修正が行われた場合には日経平均株価は波乱含みの展開になるだろう。
また、2023年10月30日~11月4日の週は3日(金)が祝日で休場となるため、東京株式市場は4日間しか開かない点に留意したい。
今週の推奨セクター
2023年10月30日~11月4日の週に推奨したいのはIT関連である。
10月2日(月)に発表された日銀短観によれば、2023年度のソフトウェア投資計画額は全規模・全産業で前年度比15.3%増と上方修正された。
全ての投資計画が実施されるわけではないものの、DX化に向けたIT投資意欲が旺盛なことが窺える。
IT関連にとってはしばらく追い風の事業環境が続くと考えられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、非鉄の中でもアルミを扱うところである。
国内のアルミ板出荷数量は18か月連続で減少が続いている。
自動車は生産台数回復や軽量化ニーズに伴う車体用パネル材採用増加から2桁増となったものの、物価上昇等による国内の缶材の減少や半導体製造装置向け厚板の減少などが影響した模様だ。
まだ回復の兆候が見えていないことから、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年10月30日~11月4日の週は、31日(火)、1日(水)の11月米FOMCおよび1日(水)のパウエルFRB議長の記者会見、10月米ADP雇用統計、3日(金)の10月米雇用統計のほかに、31日(火)に7-9月米四半期雇用コスト指数、10月米消費者信頼感指数、1日(水)に10月米ISM製造業景況指数、1月米製造業PMI(改定値)、3日(金)に10月米サービス業PMI(改定値)、10月米総合PMI(改定値)、10月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
また、既述したとおり、30日(月)、31日(火)には日銀金融政策決定会合があり、31日(火)には植田日銀総裁の定例記者会見が行われる。
これらの結果や内容に注意が必要だ。