知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年11月13日~11月18日)
2023年11月13日~11月18日の週のNYダウと日経平均株価は、米国の経済指標の結果に影響され、不安定に推移するだろう。
先週の振り返り
2023年11月6日~11月11日の週の日経平均株価は、大幅上昇と大幅下落があったものの、週間では堅調に推移した。
6日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となり、上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は、堅調に推移したものの高値圏でのこう着状態となり、前営業日比758円59銭高の32,708円48銭で取引を終えた。
7日(火)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した一方、日経平均株価は前日の大幅上昇を受けて利益確定売り優勢となった。
後場の日経平均株価は連騰を受けた利益確定売りが優勢となり、前日比436円66銭安の32,271円82銭で取引を終えた。
8日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したことから反発したものの、その後はプラス圏を維持しつつも上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は売りに押されて軟調に推移し、前日比105円34銭安の32,166円48銭で取引を終えた。
9日(木)の日経平均株価は、前日のナスダック総合指数の上昇を好感して反発すると、堅調に推移した。
後場の日経平均株価は、SQや為替の円安を受けて一時500円超高となったが、前日比479円98銭高の32,646円46銭で取引を終えた。
10日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けてマイナス圏でスタートすると、軟調に推移した。
後場の日経平均株価は、SQを通過したことで徐々に下げ幅を縮め、前日比78円35銭安の32,568円11銭で取引を終えた。
NYダウは不安定な展開に
2023年11月13日~11月18日の週のNYダウは、経済指標の結果に左右されて不安定な展開になりそうだ。
1日(水)のFOMC終了後記者の会見では、パウエルFRB議長が利上げ終了の可能性を示唆するなど、市場予想に反してハト派的な姿勢を示した。
それに加え、3日(金)の10月米雇用統計が事前予想を下回る弱い結果となったことも、年内の追加利上げは行われないとの見方を強める要因となった。
利上げ観測の後退から、NYダウやナスダック総合指数など米株価指数は概ね堅調に推移したが、9日(木)に流れが一転。
9日(木)に開催されたIMFのイベントでパウエルFRB議長が講演し、「まだ2%の物価目標には長い道のりがあると考えている」と述べたほか、低下傾向にあったインフレが何度か再び加速してきたことから、「さらなる金融引き締めが適切であれば躊躇しない」との考えを示したことが報じられた。
市場では利上げ終了との見方が強まっていたが、講演でのパウエルFRB議長の発言はそれをけん制する内容であったことから、利上げに対する警戒感が再び強まることとなった。
さらに、その2日前の7日(火)には、FRB高官の中でもハト派として知られるカシュカリミネアポリス連銀総裁が、利上げをけん制。
同氏は米FOXニュースのインタビューで、インフレ退治の取り組みで勝利宣言するには時期尚早との見解を示したほか、米ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、金融引き締めが不十分であるよりも、引き締め過ぎとなるリスクの方が望ましいとの見方を示したことが報じられていた。
FRB高官による利上げ打ち止め観測へのけん制発言があったことから、市場はパウエルFRB議長の発言に注目していたが、パウエルFRB議長からも利上げ終了期待に対するけん制発言があったことから、市場では再び利上げに対する警戒感が強まった格好だ。
なお、10日(金)に発表された11月米ミシガン大学消費者信頼感指数は、事前予想(63.7)および10月(63.8)を下回る60.4となったものの、1年先の期待インフレ率が4.4%と2か月連続で上昇して7か月ぶりの高水準となったほか、5年先のインフレ期待率が3.2%と前月の3.0%から上昇し、2011年3月以来の高水準となった。
長期の期待インフレ率の上昇を受けて市場では利上げ終了観測が後退し、米長期金利は上昇した一方、この日のNYダウとナスダック総合指数は反発している。
ただ、2023年11月13日~11月18日の週は、14日(火)に10月米消費者物価指数、15日(水)に10月米小売売上高の発表がある。
特に10月米消費者物価指数への注目度は高いと考えられ、強い結果になった場合には、利上げへの警戒感が強まると考えられる。
事前予想どおり、あるいは弱い結果となった場合は利上げに対する警戒感は後退すると考えられるが、FRB関係者の発言には注意が必要だ。
また、17日(金)には米国のつなぎ予算が期限を迎えるため、再び債務上限問題が浮上する可能性がある。
相場のかく乱要因になると考えられるため、注意したい。
日経平均株価は材料難で米国株価動向次第か
2023年11月13日~11月18日の週は、14日(火)に日本企業の企業決算が一巡する。
材料難となることから、日経平均株価はNYダウなど米株価指数の動向の影響を受けて神経質な展開となりそうだ。
今週の推奨セクター
2023年11月13日~11月18日の週に推奨したいのは、輸出関連銘柄である。
日銀の緩和修正が進み、今後は長期金利の1%の上限を曖昧な「メド」に変更して多少の上振れを容認する方針に転じている。
ただ、米国は経済の底堅さに加え、高水準な政策金利が続いていることから、米長期金利は高止まりが続いている。
そのため、急激な円高にはなりにくいと考えられ、輸出関連銘柄にとっては追い風の状況が続くだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鋼材である。
中国の鋼材消費の半分以上を占める建設鋼材需要の落ち込みが続いている。
鉄鋼の減産が進んだために鋼材在庫が減り、中国の鋼材市況は底打ちした。
ただし、中国政府による景気対策効果が顕在化するのに時間がかかるうえ、中国北部では冬に入り需要が減退するとみられ、不安定な動向が続くと考えられる。
そのため、避けたほうがいいだろう。
今週の経済指標
なお、2023年11月13日~11月18日の週は、14日(火)の10月米消費者物価指数、15日(水)の10月米小売売上高のほかに、15日(水)に10月米卸売物価指数、11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日(木)に11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、10月米鉱工業生産の発表がある。
また、15日(水)は日本の7-9月期四半期GDPの発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。