知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年11月6日~11月11日)
2023年11月6日~11月11日の週のNYダウと日経平均株価は、概ね堅調に推移するだろう。
先週の振り返り
2023年10月30日~11月4日の週の日経平均株価は、火曜日以降急上昇し、堅調だった。
30日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウの下落を受けて反落するとマイナス圏で推移した。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小し、前週末比294円73銭安の30,696円96銭で取引を終えた。
31日(火)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が上昇したものの、日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとの思惑から、日経平均株価は横ばいでスタートすると小動きになった。
後場の日経平均株価は、日銀の金融政策決定会合が終了し、「長期金利の上限は1.0%をめどとする」などと伝わったことで一段高となり、前日比161円89銭高の30,858円85銭で取引を終えた。
1日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の堅調を受けて続伸するとプラス圏で推移した。
後場の日経平均株価は、米FOMCを前に様子見ムードからこう着状態が続き、前日比742円80銭高の31,601円65銭で取引を終えた。
2日(木)の日経平均株価は、NYダウやナスダック総合指数の上昇を受けて大幅上昇したが、利益確定売りの影響から32,000円付近でもみ合いとなった。
後場の日経平均株価はもみ合いが続き、前日比348円24銭高の31,949円89銭で取引を終えた。
3日(金)の東京株式市場は祝日のため休場だった。
NYダウは概ね堅調に推移
2023年11月6日~11月11日の週のNYダウは、米FOMCや米雇用統計を消化し、概ね堅調に推移しそうだ。
31日(火)、1日(水)に開催された11月米FOMCは、市場の予想どおり利上げは見送られ、据え置かれた。
1日(水)に行われたFOMC終了後記者の会見で、パウエルFRB議長は「経済成長が続き労働市場が再びひっ迫すれば、さらなる金融引き締めが正当化される可能性がある」としながらも、「さらに引き上げるべきか」が現在の問いであるとし、「ペースを落とすことで、一段の行動が必要な場合、どの程度の行動がさらに必要なのか、よりよく認識できている」と発言するなど、利上げ終了の可能性を示唆した。
また、パウエルFRB議長は最近の米長期金利の上昇に対し、「FRBが期待する政策を反映したものではない」などと発言したことから、年内の追加利上げの可能性が後退したとの見方が強まった。
さらに、9月のFOMC終了後に公表されたドットプロットで、年内にもう一回追加利上げがあるとの見通しが示されたことに対し、パウエルFRB議長は今回の会見で「特定の時点におけるそれぞれの当局者による個人的見解である」として、距離を置く姿勢を示した。
このように、パウエルFRB議長は追加利上げの可能性を残したものの、市場の想定よりもハト派的な姿勢を示したため、会見後のNYダウやナスダック総合指数は上昇し、その後も堅調に推移している。
加えて、FOMC終了後に発表された声明が、これまでとほぼ変わっていないものの、経済活動は「強いペースで拡大」、雇用の伸びも前回の「減速」から「緩やかな伸び」に引上げられたことも、米株式市場の安心感を誘っていると考えられる。
また、3日(金)に発表された10月米雇用統計は、非農業部門雇用者数変化が事前予想の18.0万人を下回る15.0万人、失業率は事前予想の3.8%を上回る3.9%となり、前回(3.8%)から悪化。
平均時給も事前予想を下回る前月比0.2%になるなど、全体的に弱い結果となった。
米国の労働市場の過熱感が後退したことが窺える結果となったことから、12月のFOMCでも利上げは行われず、このまま利上げが終了するのではないかとの見方が強まっている。
以上のとおり、追加利上げはこれ以上行われないとの観測から、2023年11月6日~11月11日の週のNYダウなど米株価指数は概ね堅調に推移しそうだ。
米企業決算が比較的堅調なものが多いことも安心材料になると考えられる。
なお、8日(水)にはアーム・ホールディングス(ARM)の決算発表が予定されているので、結果に注意したい。
10日(金)には11月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の発表があるため、その結果にも注意が必要だ。
日経平均株価は、日銀の金融政策修正がすでに織り込み
2023年11月6日~11月11日の週の日経平均株価は、日銀の金融政策修正がすでに織り込まれていることから、米株価指数の動向を受けて堅調に推移しそうだ。
また、企業決算の結果に左右されやすいと考えられるため、個別決算に注目したい。
6日(月)には日本郵船(9101)や伊藤忠、三菱重工(7011)、7日(火)には任天堂(7974)、9日(木)にはソニーグループ(6758)、日産自動車(7201)、ソフトバンクグループ(9984)の決算がある。
注目度の高い企業の決算には特に注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2023年11月6日~11月11日の週に推奨したいのは、銀行や保険である。
長期金利の一服が逆風になっているものの、日銀がYCCを再修正したことからマイナス金利の解除やゼロ金利解除への期待が高まり、銀行や保険が選好されると考えられる。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは飲食である。
円安が続き、1ドル150円を超える日もあるなどドルの高止まりが続いている。
飲食関連は食材を輸入しているケースが多く、円安が利益圧迫要因になることから避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年11月6日~11月11日の週は、10日(金)の11月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)のほかに、6日(月)に日銀の金融政策決定会合の議事要旨が公表されるので、その内容に注意したい。
また、9日(木)にはパウエルFRB議長の講演が予定されている。
さらに、2023年11月6日~11月11日の週は複数の米連銀総裁の講演が行われるため、その内容に注意が必要だ。