知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2023年12月25日~12月30日)
2023年12月25日~12月30日の週のNYダウと日経平均株価は、週の前半に海外市場の多くが休場となることに加え、クリスマス休暇や年末・年始の休暇のために市場が閑散としやすくなることから、方向感が出にくいと考えられる。
先週の振り返り
2023年12月18日~12月23日の日経平均株価は、大幅高や大幅安になる日もあったが、週間では堅調に推移した。
18日(月)は、前週末のNYダウとナスダック総合指数が上昇した一方、日経平均株価は反落してスタートすると、日銀金融政策決定会合を前に、銀行株・不動産株の下落により下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小し、前週末比211円57銭安の32,758円98銭で取引を終えた。
19日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて反発した後、日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードとなった。
後場に入ると、日銀の金融政策が現状維持となったことから円安が進行し、日経平均株価は400円超上昇。
最終的に日経平均株価は前日比460円41銭高の33,219円39銭で取引を終えた。
20日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて続伸すると、上げ幅を拡大した。
後場に入ると、海運株や機械株に買いが入り日経平均株価は高値圏で推移したものの、円安が一服すると伸び悩み、前日比456円55銭高の33,675円94銭で取引を終えた。
21日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が大幅反落した影響で下落すると、トヨタ自動車が大幅安となった影響を受けて下げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は円高の影響で弱含み、前日比535円47銭安の33,140円47銭と反落して取引を終えた。
22日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の反発を受けて買い優勢となったが、円高が重しになり、上げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は、小幅高のままこう着状態となり、前日比28円58銭高の33,169円05銭と小反発して取引を終えた。
NYダウは下値は堅いも方向感の出にくい展開に
2023年12月25日~12月30日の週のNYダウは、下値は堅いものの、方向感の出にくい展開になりそうだ。
下値が堅いと考えられるのは、先日のFOMCにおいてFRBが従来の引き締めスタンスを緩めたことが理由である。
これまでのタカ派的姿勢からハト派に転換したことにより、早期利下げに期待する市場には安心感が広がった。
また、18日(月)には米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が、米・ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、インフレ率が今年改善したため、FRBは来年の利下げが適切な対応になるとの認識を示した。
なお、CMEのFedwatchによれば、12月21日時点において、来年1月のFOMCで利下げは行われないとの予想が85%超となっている一方、来年3月のFOMCで0.25%ptの利下げを予想する向きが約71%、0.50%ptの利下げを予想する向きが約12%となっている。
このことから、FF金利先物市場ではFRBが来年3月から利下げを開始するとの見方が80%を超えていることが窺える。
以上のとおり、来年の比較的早い段階で利下げが行われるとの見通しが強まっているため、FRB関係者がタカ派的な発言をしても、市場には以前ほどの動揺は広がらないようだ。
そのため、米アトランタ連銀のボスティック総裁が「来年に利下げを急ぐ必要はない」とイベントで発言したことが19日(火)に報じられたが、NYダウなど米株価指数は力強く推移した。
2023年12月25日~12月30日の週も、来年の利下げの確度が高まったことが相場の下支え要因となり、NYダウは下値の堅い状態が続くだろう。
ただ、2023年12月25日~12月30日の週はクリスマス休暇に入っている市場参加者が多く、方向感が出にくいと考えられる。
特に25日(月)は、欧米の市場に加え、香港やシンガポール、韓国などアジアの市場も休場になるところが多いことに留意したい。
日経平均株価も方向感が出にくい
2023年12月25日~12月30日の週の日経平均株価も方向感が出にくく、小動きになりやすいと考えられる。
海外投資家がクリスマス休暇に入ることに加え、週の後半になるにつれて、国内の投資家も個人投資家を中心に年末年始の休暇に入るため、薄商いになりやすそうだ。
ただし、注意したいのが為替の動向で、円高が進んだ場合には日経平均株価は下落するだろう。
市場参加者が少なく急落することも考えられるため、十分に留意したい。
今週の推奨セクター
2023年12月25日~12月30日の週に推奨したいのは、不動産の中でも首都圏にオフィスを展開しているところである。
都心のオフィスの空室率が低下しているが、2024年に入ってからも大型物件の供給が上期まで限定的に推移するとみられる。
加えて、通年の供給量も2023年より低下する見通しであるため、空室率の低下が続くと考えられる。
これにより、現在下落傾向にある賃料が下げ止まると考えられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
避けたいのは自動車である。
需要の大幅な減速はなさそうだが、タイやインドネシアでの販売台数の減速が懸念される。
また、米国における1台あたりのインセンティブやサブプライム層の延滞率の上昇も不安材料であり、販売の伸びが低成長となる可能性があるため、今のところは避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2023年12月25日~12月30日の週は、27日(水)に12月米リッチモンド連銀製造業指数の発表があるため、結果に注意が必要だ。
また、既述したとおり、25日(月)は欧米やアジア、南米、中東、オセアニアなど世界各国の市場が休場になり、26日(火)も欧州を中心に休場となる国が多いことに留意したい。