知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年1月2日~1月6日)
2024年1月1日~1月6日の週のNYダウは堅調に推移すると考えられるが、利益確定売りに押される場面もありそうだ。
また、2024年1月1日~1月6日の週の日経平均株価は、米雇用統計の発表を前に方向感の出にくい展開になると考えられる。
先週の振り返り
2023年12月25日~12月30日の日経平均株価は、週の後半に軟調となったものの、週間では上昇した。
25日(月)は前週末のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことを受けて、日経平均株価は買い優勢となったものの、上げ幅を縮小。
海外市場の多くが休場だったこともあり薄商いとなった。
後場の日経平均株価は小幅高となり、前週末日比84円98銭高の3万3254円03銭で取引を終えた。
26日(火)は、前日の米国市場がクリスマス休暇のため休場だったため、日経平均株価は材料難から小動きとなった。
後場の日経平均株価は上値の重い展開が続き、前日比51円82銭高の3万3305円85銭で取引を終えた。
27日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は高値でのこう着状態が続き、 前日比375円39銭高の3万3681円24銭で取引を終えた。
28日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇した一方、日経平均株価は円高ドル安の影響から反落して開始した後、積極的な売買が手控えられた。
後場の日経平均株価はマイナス圏での小動きが続き、前日比141円62銭安の3万3539円62銭で取引を終えた。
29日(金)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が小幅上昇したことから、日経平均株価は33,600円台まで買われたが、その後失速した。
後場の日経平均株価は利益確定売りに押されて下げ幅を拡大し、前日比75円45銭安の3万3464円17銭と続落して取引を終えた。
NYダウは概ね堅調に推移するも注意は必要
2024年1月1日~1月6日の週のNYダウは概ね堅調に推移すると考えられるが、利益確定売りが入る可能性もあり、注意が必要である。
NYダウの堅調さを後押しするのは、利下げへの期待感だ。
先日のFOMCでFRBがハト派に転向し、市場では早ければ2024年3月のFOMCで利下げを行うとの見通しが広がっている。
また、22日(金)に発表された米個人消費支出が、前月比、前年同月比ともに事前予想を下回る結果となったことも、インフレ圧力が弱まったとして安心材料になっている模様だ。
このことがNYダウなど米株価指数の下支え要因となったため、2023年12月25日~12月30日の週のNYダウは堅調に推移した。
2024年1月1日~1月6日の週は、1日(月)が多くの国の市場が休場となり、2日(火)より欧米の市場がスタートする。
3日(水)には12月に行われた米FOMCの議事要旨が公表されるが、その内容には注意したい。
よりハト派的な内容が確認できれば、市場にとってはポジティブサプライズとなり、NYダウの上昇要因となるだろう。
また、2024年1月1日~1月6日の週は、5日(金)に12月米雇用統計が発表されるため、結果に注目が集まるだろう。
現状、前月よりも弱い結果が予想されているが、予想どおりの内容となった場合には、早期利上げの可能性がより高まったとしてNYダウの上昇要因になると考えられる。
なお、前日の4日(木)に発表される12月米ADP雇用統計の結果にも併せて注意したい。
現状、2024年には米国の個人消費が減速するとの見通しが立てられているが、段階的な利下げによって米経済は景気後退が避けられるとの見方が市場の趨勢を占めている。
2024年1月1日~1月6日の週に発表される米経済指標の結果が、米経済のソフトランディングシナリオを打ち消す内容でなければ、基本的にNYダウは堅調に推移すると考えられる。
ただし、利下げ観測により連日NYダウが最高値を更新していることから高値警戒感も広がっているため、利益確定売りが入った場合には急落に注意が必要だ。
日経平均株価は方向感のない動きに
2024年1月1日~1月6日の週は、1日(月)~3日(水)まで東京株式市場が休場となるうえ、5日(金)に米雇用統計の発表があることから日経平均株価は方向感のない動きになりそうだ。
それでも、東京株式市場が休場中のNYダウが堅調に推移すれば、日経平均株価は底堅く推移すると考えられる。
ただし、為替の動向には注意が必要で、円高が進行した場合には日経平均株価の押下げ要因になるだろう。
今週の推奨セクター
2024年1月1日~1月6日の週に推奨したいのは、金融の中でもクレジットカードなどキャッシュレス決済を手掛けているところである。
クレジットカードを利用したショッピングやQRコード決済の拡大が継続しているほか、証券会社各社で提供するクレジットカードにおける投信積立の利用が拡大していることも追い風となっている。
金融庁は、クレジットカードによる投資信託の購入上限を、現在の5万円から10万円に引き上げる方針であるため、クレジットカード利用の追い風になるだろう。
また、2024年1月からスタートする新NISAは年間投資上限枠が大幅に拡大されているため、こちらでの利用拡大も見込まれ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
避けたいのは、非鉄の中でも銅の割合が高いところである。
再エネ向け電線やEVの普及に伴い銅の需要は長期的に拡大していくとみられるが、足元では中国の不況や世界的な景気減速などの懸念材料が重しとなるだろう。
国際銅研究会(ICSG)は、銅の2024年の需給バランスは467千tの供給過剰と予測。
パナマの銅山が環境活動の影響で操業を停止していることから供給過剰がやや緩和される可能性があるものの、2024年にかけて南米やコンゴでの銅精鉱の増産や中国での銅精錬能力増強により供給過剰になるとみられているため、避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年1月1日~1月6日の週は、3日(水)のFOMC議事要旨、4日(木)の12月米ADP雇用統計、5日(金)の12月米雇用統計のほかに、2日(火)に12月製造業PMI(改定値)、3日(水)に12月米ISM製造業景況指数、11月米JOLTS求人件数、4日(木)に12月米サービス業PMI(改定値)、12月米総合PMI、5日(金)に12月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。