知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年2月12日~2月17日)
2024年2月12日~2月17日の週のNYダウは底堅い展開となりそうだ。
一方、日経平均株価は概ね堅調になると考えられ、下落時にも下値は堅いだろう。
先週の振り返り
2024年2月5日~2月10日の週の日経平均株価は、下落する日があったものの週間では上昇した。
5日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となったものの、上値の重い展開に。
後場の日経平均株価は、米株先物取引の伸び悩みや利益確定売りから上値の重い展開となり、前週末比196円14銭高の36,354円16銭で取引を終えた。
6日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると、下げ幅を拡大する場面もあった。
後場の日経平均株価はマイナス圏で小動きとなったが、トヨタ自動車(7203)の好決算を受けて自動車株を中心に買われたことから下げ渋り、前日比193円50銭安の36,160円66銭で取引を終えた。
7日(水)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したものの、日経平均株価は円高の影響から売り優勢となった。
しかし、好決算となったトヨタ自動車(7203)株の上昇が後押しし、前日終値近辺まで値を戻した。
後場の日経平均株価は、先物売りにより300円超下落する場面もあったが、その後は下げ幅を縮小し、前日比40円74銭安の36,119円92銭と続落して取引を終えた。
8日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、日本銀行の内田副総裁の発言を受けて上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価は、値がさ株の上昇や先物買いの影響で800円超高となる場面もあったが、前日比743円36銭高の36,863円28銭と大幅に反発し、昨年来高値を更新して取引を終えた。
9日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となった。
後場の日経平均株価は上値の重い展開が続き、前日比34円14銭高の36,897円42銭で取引を終えた。
今週のNYダウは底堅いか
2024年2月12日~2月17日の週のNYダウは、下落する場面でも底堅いだろう。
その理由として、米国の巨大IT企業の多くが2桁増収となるなど好決算であることが挙げられる。
米巨大IT企業は生成AIに注力していることから、AI向け半導体で高いシェアを誇るエヌビディアの決算に注目が集まっているようだ。
同社の決算は21日(水)に発表されるが、生成AIに対する期待感から、米巨大IT企業を中心に買われやすい地合いとなっている。
2024年2月12日~2月17日の週もこの流れは続くとみられるため、NYダウをはじめとする米株価指数の下支え材料となるだろう。
また、市場では5月に利下げが行われるとの見通しが強まっていることから、FRB関係者の利下げけん制発言に対し、米10年債利回りが上昇せずに低下する傾向にある。
4日(日)に、パウエルFRB議長は米CBSのインタビューに対し、利下げ時期の検討に慎重な姿勢を示したことから、この日の米10年債利回りが上昇し、NYダウは一時400ドル超下落した。
しかし、6日(火)にクリーブランド連銀のメスター総裁が、十分な証拠がないまま急速な利下げや利上げを行うのは間違いとなるとイベントで発言し、自身は利下げ開始を急いでいないとの考えを示したが、この日の米10年債利回りは低下した。
翌7日(水)には、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が米CNBCのインタビューに対し、2024年は2~3回の利下げが適切となる可能性が高いとし、利下げ開始前にさらに数か月のインフレデータを確認する必要があるとの考えを示したが、米10年債利回りは低下傾向となった。
以上のとおり、各連銀総裁による早期利下げけん制発言に対し、米10年債利回りが低下するなど市場の反応は鈍いようだ。
そのため、2024年2月12日~2月17日の週は、FRB関係者による早期利下げけん制発言があっても、NYダウにはそれほど強い下押し圧力がかからない可能性が考えられる。
ただし、13日(火)発表の1月米消費者物価指数には注意が必要だ。
今回はCPIが前月比で低下する予想となっており、事前予想どおりまたは事前予想以上に低下した場合には、市場の早期利下げに対する期待感が再び高まり、NYダウの押し上げ要因になるだろう。
反対に、事前予想を大幅に上回る場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかる可能性がある。
また、15日(木)の1月米小売売上高の結果にも注意したい。
日経平均も下値は堅いか
2024年2月12日~2月17日の週は、12日(月)が祝日で東京株式市場が休場となり、13日(火)以降は決算発表が続く。
日経平均株価は注目度の高い企業の決算に左右されやすい地合になると考えられるものの、下落時も下値は堅いだろう。
その理由として、8日(木)に行われた金融経済懇談会において、内田日銀副総裁が、賃金と物価データなどを丹念に点検したうえで修正を検討することになると発言し、マイナス金利解除後も緩和的環境を維持するとの考えを示したことが挙げられる。
この発言が相場に安心感を与え、日経平均株価は下落時であっても下値は限定的なものにとどまるだろう。
今週の推奨セクター
2024年2月12日~2月17日の週に推奨したいのは、運輸である。
鉄道、陸運、空運のいずれも事業環境の改善や構造改革、運賃改定などの好材料があり、今後の業績回復に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
避けたいのは、紙・パルプである。
原材料や燃料のコストが改善している反面、洋紙や板紙の内需が低調であり、海外も東南アジアを中心に需要回復が緩慢である。
そのため、いったん避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年2月12日~2月17日の週は、13日(火)の1月米消費者物価指数や15日(木)の1月米小売売上高のほかに、15日(木)に2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、1月米鉱工業生産、16日(金)に1月米卸売物価指数、ミシガン大学消費者態度指数(速報値)の結果が発表される。
また、15日(金)には日本の10-12月GDPの発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。