知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年2月19日~2月24日)
2024年2月19日~2月24日の週のNYダウは米FOMC議事要旨やFRB関係者の発言、エヌビディアの決算に左右されやすいと考えられる。
一方、日経平均株価は神経質な展開になるだろう。
先週の振り返り
2024年2月12日~2月17日の週の日経平均株価は堅調に推移した。
12日(月)は建国記念日のため、東京株式市場は休場だった。
13日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウの上昇を受けて買い優勢となると、上げ幅を拡大。
後場の日経平均株価は高値もみ合いとなり、38,000円台まで浮上したものの、前営業日比1,066円55銭高の37,963円97銭で取引を終えた。
14日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となったが、押し目買いが入り底堅い展開となった。
後場の日経平均株価は軟調に推移したが、押し目買いにより下値は限定的なものにとどまり、前日比260円65銭安の37,703円32銭で取引を終えた。
15日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、38,000円台でもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は損保株を中心に上昇し、前日比454円62銭高の38,157円94銭と34年ぶりに38,000円台を回復して取引を終えた。
16日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となると、半導体銘柄を中心に上げ幅を拡大した。
後場の日経平均株価はもみ合いから持ち直すと、前日比329円30銭高の38,487円24銭と続伸して取引を終えた。
NYダウは米FOMC議事要旨の内容に左右される
2024年2月19日~2月24日の週のNYダウは、21日(水)公表の米FOMC議事要旨の内容に左右されると考えられる。
前回のFOMC終了後、パウエルFRB議長や米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が早期利下げに対し慎重な姿勢を示したほか、米クリーブランド連銀のメスター総裁が早期利下げに対するリスクに言及するなど、過熱気味だった早期利下げに対する市場の期待感を冷ますような発言が相次いでいる。
14日(水)に全米企業エコノミスト協会の会議で行った講演において、バーFRB副議長が、利下げを開始する前にインフレ率が2%に戻ることを示すデータをさらに確認する必要があるとの見解を示し、利下げに対するパウエルFRB議長の慎重姿勢を支持した。
一方で、米シカゴ連銀のグールズビー総裁は、14日(水)に開催された外交問題評議会における講演で、「利下げはインフレ目標への軌道上を進んでいるとの確信と結びつけられるべきだ」「インフレが数カ月にわたりやや高めに出ても、FRBの目標への道筋と整合するといえるだろう」と述べ、FOMCの現行政策スタンスは「かなり抑制的」との見方を示すなど、市場の早期利下げ期待を再燃させる発言をしている。
16日(金)には、米アトランタ連銀のボスティック総裁がCNBCとのインタビューで、自身は今年の夏に利下げを開始することを支持していると表明し、インフレに関するより良好なデータが確認できれば、もっと早い段階で利下げが行われる可能性もあるとの見解を示した。
このように、FRB関係者によって早期利下げに対する見解は異なるため、21日(水)発表の米FOMC議事要旨の内容に注目が集まるだろう。
改めて、利下げ時期が当初予想の3月より後になることが確認できる内容であれば、上昇トレンドにあるNYダウや、ハイテク株中心のナスダック総合指数には調整が入る可能性がある。
市場は利下げの後ずれを織り込みつつあるが、議事要旨の内容が想定以上にタカ派的であれば、NYダウの上昇の重しになると考えられ、伸び悩むだろう。
反対に、利下げに対するFRBの慎重姿勢が市場の想定内のものであれば、NYダウは下落しても限定的なものにとどまると考えられる。
また、2024年2月19日~2月24日の週も、引き続きFRB関係者の利下げに関する発言に注意したい。
さらに、2024年2月19日~2月24日の週も、引き続き米企業決算に注意が必要だ。
特に注目されているのが21日(水)発表のエヌビディア(NVIDIA)であり、14日(木)にはアルファベット(GOOG)を抜いて、時価総額第3位の米企業となっている。
AI向け半導体で高シェアを誇る同社決算が市場予想を超える内容であれば、NYダウやナスダック総合指数の上昇を後押しすると考えられるが、市場予想どおり、あるいは市場予想を下回る内容であった場合には、NYダウやナスダック総合指数の下押し材料になると考えられるため、注意が必要だ。
なお、19日(月)は米国が祝日のため休場となる点に留意したい。
日経平均株価は神経質な展開に
2024年2月19日~2月24日の週の日経平均株価は神経質な展開になると考えられる。
NYダウやナスダック総合指数が好調に推移していることに加え、中国経済の悪化を受けて日本株に海外資金が流入していることもあり、日経平均株価も上昇が続いているが、急ピッチであるため、高値警戒感から上値が重くなりそうだ。
また、米エヌビディアの決算内容が半導体関連銘柄に影響を与えると考えられることから、同社の決算発表を前に様子見ムードが広がりやすいだろう。
米エヌビディアの決算発表後はいったん材料出尽くしとなり、日経平均株価も調整局面を迎えそうだ。
今週の推奨セクター
2024年2月19日~2月24日の週に推奨したいのは、小売りの中でも百貨店である。
今年は旧正月が昨年の1月下旬から2月の上旬にずれこんだため、1月の免税売上への景況が懸念されていた。
しかし、各百貨店の月次売上は前年比同程度となっているところが多い。
旧正月の影響があっても強い売上になっていることが窺えるため、2月の旧正月での売上伸長に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
避けたいのは鉄鋼である。
中国の鉄鋼需要の6割を占める建設市場への投資控えと、不動産価格の値下がりの影響を受けたほか、鋼材市況も軟調である。
5日(月)に中国政府が預金準備率の引き下げを発表したため、中国の鋼材・鉄鉱石は先物を中心に上昇したが、鋼材需要の本格的改善とはならないとみられるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年2月19日~2月24日の週は、21日(水)の米FOMC議事要旨の公表のほかに、22日(木)に2月米製造業PMI(速報値)、2月米サービス業PMI(速報値)、2月米総合PMI(速報値)、1月米中古住宅販売件数の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。
23日(金)は天皇誕生日のため、東京株式市場は休場になる点に留意したい。