知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年3月4日~3月9日)
2024年3月4日~3月9日の週のNYダウは神経質な展開になりそうだ。
日経平均株価は概ね堅調に推移すると考えられ、下落時も下値は限定的なものにとどまるだろう。
先週の振り返り
2024年2月26日~3月2日の週の日経平均株価は方向感の出にくい展開が続いたが、週末に大幅高となった。
26日(月)の日経平均株価は、エヌビディア株の上昇を受けて買い優勢となったが、上昇すると上値の重い展開に。
後場の日経平均株価は半導体株の売りが重しとなり伸び悩んだが、前週末比135円03銭高の39,233円71銭と史上最高値を更新して取引を終えた。
27日(火)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は買い優勢でスタートしたが、先物を中心に売られると下落し、マイナス圏に沈んだ。
後場の日経平均株価は利益確定売りに押されて伸び悩み、前日比5円81銭高の39,239円52銭と小幅に3営業日続伸し、再び過去最高値を更新して取引を終えた。
28日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落しナスダック総合指数が上昇したことから、小動きとなった。
後場の日経平均株価は上値が重く小動きとなり、前日比31円49銭安の39,208円03銭で取引を終えた。
29日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したため、売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、押し目買いが入ったことで下げ幅を縮小し、前日比41円84銭安の39,166円19銭で取引を終えた。
1日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことに加え、SOX指数の上昇もあり、半導体株を中心に買われる展開となった。
後場の日経平均株価は高値圏でのもみ合いが続き、一時800円超高となった。
最終的に日経平均株価は、前日比744円63銭高の39,910円82銭と大幅反発して最高値を更新し、取引を終えた。
NYダウは神経質な展開に
2024年3月4日~3月9日の週のNYダウは、パウエルFRB議長の議会証言や米雇用統計の発表を控え、神経質な展開になると考えられる。
29日(木)に発表された1月米個人消費支出は、事前予想どおり前年同月比2.4%増、食品・エネルギーを除いたコアPCE価格指数は同2.8%増となった。
食品・エネルギーを除いたコアPCE価格指数は12月の2.9%から縮小して2021年2月以来の低い水準となり、昨年11月以降、連続して3%を下回る状態が続いていることが確認された。
また、FRB当局者が注目する住宅・エネルギーを除くPCEサービスは前年比3.5%増となり、12月の同3.2%増から伸びが加速していることも判明。
前年比でインフレ改善の基調が維持されていることが確認できる結果となり、6月からの利下げ開始との市場予測とは乖離しない内容であるといえよう。
結果を受けて市場では安心感が広がり、この日のNYダウは上昇した。
一方で、個人所得は前月比1.0%増となり、事前予想の同0.4%増を上回る結果であったため、所得上昇が個人消費の増加につながり、物価の上昇を引き起こすのではないかとの懸念もある。
そのため、2024年3月4日~3月9日の週は、引き続き米経済指標の結果に注目が集まると考えられ、注意が必要だ。
前述したとおり、6日(水)と7日(木)にパウエルFRB議長の議会証言が予定されており、6日(水)に下院金融委員会、7日(木)に上院の公聴会というスケジュールになっている。
FRBの方針を予測するためにも、米経済指標の結果に市場は注目するだろう。
特に、5日(火)の2月米サービス業PMI(改定値)、2月米総合PMI、2月米ISM非製造業景況指数、6日(水)の2月米ADP雇用統計、ベージュブックの結果や内容には注意したい。
再びインフレへの警戒感が強まる結果となった場合には、NYダウには強い下押し圧力がかかるだろう。
さらに、2024年3月4日~3月9日の週は、8日(金)に米経済指標の発表がある。
パウエルFRB議長の議会証言の後に発表されるが、議会証言での発言内容を踏まえて市場の注目が集まると考えられるため、こちらにも注意が必要だ。
日経平均株価は、引き続き堅調な地合いが続くか
2024年3月4日~3月9日の週の日経平均株価は、引き続き堅調な地合いが続くと考えられる。
ナスダック総合指数の史上最高値更新を受けて、1日(金)に日経平均株価は市場初となる4万円に肉薄するなど、強い地合いが続いている。
すでに書いたとおり、2024年3月4日~3月9日の週は米雇用統計をはじめとする米国の経済指標の発表が多いうえ、パウエルFRB議長の議会証言もあり、NYダウが下落した場合には日経平均株価も影響を受けるだろう。
また、8日(金)がメジャーSQであることから、売り圧力がかかる場面もあると考えられる。
しかし、史上初となる4万円台への強い期待感から、下落時も下値は限定的なものにとどまりそうだ。
今週の推奨セクター
2024年3月4日~3月9日の週に推奨したいのは、非鉄・電線の中でも米国での光ファイバーの販売比率が高いところである。
米国では、2024年の秋から425億ドルを投入してブロードバンドインフラの整備を行う予定であるため、需要の増加と業績への好影響に期待できるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは自動車部品の中でもタイヤを扱うところである。
日本自動車タイヤ協会によると、1月の国内タイヤ販売本数は前年同月比10.0%減の582万本となり、市販用、新車用ともに減少。
市販用はスタッドレスタイヤの販売が不振で、新車用はダイハツの出荷停止が影響した模様である。
豊田自動織機のエンジン認証不正を受けて操業を停止していた国内工場について、トヨタ自動車は3月4日から操業を再開すると発表したが、能登半島地震による減産影響のことも考慮すると、まだ避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年3月4日~3月9日の週は、5日(火)の2月米サービス業PMI(改定値)、2月米総合PMI、2月米ISM非製造業景況指数、6日(水)の2月米ADP雇用統計、ベージュブック、8日(金)の2月米雇用統計のほかに、6日(水)に1月JOLTS求人件数の発表がある。
その結果にも注意したい。