知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年4月15日~4月20日)
2024年4月15日~4月20日の週のNYダウは半導体関連企業の決算に左右されやすい展開になりそうだ。
一方、日経平均株価は方向感の出にくい展開となるだろう。
先週の振り返り
2024年4月8日~4月13日の週の日経平均株価は、下落する場面もあったが概ね堅調に推移した。
8日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウやナスダック総合指数の反発に加えて円安進行を受けて買い優勢となり、上昇した。
後場の日経平均株価は上昇幅を縮小し、前週末比354円96銭高の39,347円04銭で取引を終えた。
9日(火)は、前日のNYダウが下落した一方でナスダック総合指数が上昇したことから日経平均株価は買い優勢となったが、その後はもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、高値でのこう着状態が続き、前日比426円09銭高の39,773円13銭で取引を終えた。
10日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことを受けて売り優勢となるったが、その後は下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は円安が一服したため輸出株を中心に下落し、前日比191円32銭安の39,581円81銭と3営業日ぶりに反落して取引を終えた。
11日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の下落を受けて売り優勢となると軟調に推移した。
後場の日経平均株価は材料難から値動きの乏しい状態となり、前日比139円18銭安の39,442円63銭で取引を終えた。
12日(金)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから日経平均株価は買い優勢となると、円安も後押しして上昇した。
後場の日経平均株価は週末の利益確定売りに押されて上げ幅を縮小し、前日比80円92銭高の39,523円55銭で取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年4月15日~4月20日の週のNYダウは半導体関連企業の決算発表に左右されやすい展開となるだろう。
17日(水)にASMLホールディングス、18日(木)にTSMCの決算発表がある。
ASMLホールディングスはオランダ、TSMCは台湾の企業であり、どちらも米国企業ではないが、この2社の決算内容は米国の半導体関連企業の株価動向に影響をもたらすと考えられるため、注意したい。
どちらも好決算であれば、NYダウやナスダック総合指数には追い風となり、良好な地合いとなるだろう。
一方、決算内容が弱い場合には、NYダウやナスダック総合指数には下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
また、2024年4月15日~4月20日の週も引き続き米国の経済指標の結果に注意したい。
米国はインフレが根強く、10日(水)に発表された3月米消費者物価指数は、事前予想の前月比+0.3%を上回る同+0.4%となった。
前年同月比も事前予想の+3.4%を上回る同+3.5%となったことから、この日のNYダウは軟調に推移した。
一方、翌11日(木)発表の3月米卸売物価指数は、事前予想の前月比+0.3%に対し同+0.2%となり、前年同月比も事前予想の+2.2%に対し同+2.1%となった。
前月比、前年同月比ともに事前予想を下回る結果となったことから、市場では利下げ時期の後ずれに対する懸念が後退し、発表直後のNYダウは上昇している。
米経済指標が強い結果となるとNYダウが下落し、弱い結果となるとNYダウが上昇する流れは、今年の利下げ時期の見通しが立つまでは続きそうだ。
なぜなら、FRB高官が早期利下げに対し消極的な姿勢を示しているためである。
11日(木)に開催された連邦住宅貸付銀行(FHLB)のシンポジウムの講演に出席したニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、「ごく近い将来に政策を調整する明確な必要性はない」と発言し、早期利下げの必要はないとの考えを示した。
タカ派姿勢を示したことから早期利下げを期待する市場の失望を誘い、この日のNYダウは下落している。
2024年4月15日~4月20日の週は、15日(月)の3月米小売売上高、17日(水)のベージュブック公表に特に市場の注目が集まると考えられるため、注意が必要だ。
今週の日経平均株価は?
2024年4月15日~4月20日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になりそうだ。
日本市場特有の材料が不足していることから、米国市場の動向に影響を受けるだろう。
また、足元では円安が進行しているため、日銀の為替介入に対する警戒感から上昇局面でも上値を追いにくいだろう。
一方で円安が相場を下支えするとみられ、下落時も底堅く推移しそうだ。
今週の推奨セクター
2024年4月15日~4月20日の週に推奨したいのは、機械や造船の中でも主に米国での売上が高いところである。
日本工作機械工業会が発表した2月受注確報によれば、日本、中国、欧州が前年比2桁マイナスになっている一方で、北米は2桁プラスになっている。
北米では一般機械や航空・造船・輸送用機械の伸びが牽引し、全体として底から脱したと考えられる。
北米での需要回復トレンドは今後も続くと考えられるため、機械や造船の中でも北米での売上が高いところにとっては追い風となるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは化学・繊維の中でもエチレンを扱うところである。
昨年からエチレンプラントの稼働が前年同月比割れの状態が継続しており、需要の低下が続いている。
中国経済も回復の見通しが立っていないことから、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年4月15日~4月20日の週は、15日(月)の3月米小売売上高、17日(水)のベージュブックのほかに、15日(月)に4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日(火)に3月米鉱工業生産、18日(木)に4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、3月米中古住宅販売件数の発表がある。
これらの結果には注意が必要だ。
また、19日(金)には日本の3月全国消費者物価指数の発表があるので、こちらの結果にも注意したい。