知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年4月27日~5月1日)
2024年4月29日~5月4日の週のNYダウはFOMCと米雇用統計の発表があることから、神経質な展開になるだろう。
一方、日経平均株価は方向感の出にくい展開となりそうだ。
先週の振り返り
2024年4月22日~4月27日の週の日経平均株価は、大幅下落する日もあったが、週間では堅調だった。
22日(月)は、前週末のNYダウが上昇した一方でナスダックが下落したが、日経平均株価は中東情勢が小康状態になったことを受けて買い優勢に。
後場の日経平均株価は幅広い銘柄が買われて堅調に推移し、前週末比370円26銭高の37,438円61銭で取引を終えた。
23日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて上昇したが、マイナス圏に突入する場面もあった。
後場の日経平均株価は強含みで推移したものの、決算発表を前に様子見ムードも強く、前日比113円55銭高の37,552円16銭で取引を終えた。
24日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買い優勢となった。
後場の日経平均株価は900円超上昇する場面もあるなどハイテク株を中心に買い戻しが継続し、前日比907円92銭高の38,460円08銭と3日連続で続伸して取引を終えた。
25日(木)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことや、米メタの大幅下落を受けて売り優勢となった。
後場の日経平均株価は下げ幅を拡大し、前日比831円60銭安の37,628円48銭で取引を終えた。
26日(金)は、前日のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は様子見ムードが強かったものの、米国株先物が堅調だったことで37,800円台に上昇。
後場の日経平均株価は、日銀の金融政策決定会合の発表を受けた円安を好感すると上昇し、前営業日比306円28銭高の37,934円76銭で終了した。
今週のNYダウは?
2024年4月29日~5月4日の週のNYダウは、30日(火)と1日(水)に米FOMCが開催されることと、3日(金)に4月の米雇用統計の発表があることから、神経質な展開になると考えられる。
なぜなら、25日(木)に発表された1-3月期米四半期GDPの結果が事前予想を下回り、スタグフレーションが警戒されているからだ。
今回発表された米国の1-3月期GDP(速報値)は、事前予想の前年比+2.5%を下回る同+1.6%となり、前回発表された10-12月期GDPの同+3.4%から大幅に鈍化。
また、FRBがインフレを伴わない成長率とする1.8%も下回る結果となった。
背景には企業の在庫積み増しペースの鈍化や、政府の支出減少があったとみられている。
個人消費も事前予想の前年比+3.0%を下回る同+2.5%となるなど、底堅いものの伸びが縮小した。
一方で、食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数は、事前予想の前年比+3.4%を上回る同+3.7%と強い結果となり、四半期ベースで1年ぶりに伸びが加速。
インフレ加速が示された一方で、スタグフレーションへの懸念が広がる結果になったといえよう。
市場では、現在主流の見通しである9月利下げが前倒しされることを期待する向きもあったが、今回のGDPの結果により、前倒しへの期待感は後退している。
このところ、パウエルFRB議長をはじめとするFRB関係者が相次いで利下げに対し慎重な態度を示していたが、FRBのスタンスを裏付ける結果になったといえよう。
また、26日(金)に発表された3月米個人消費支出は、事前予想の前月比+0.6%を上回る同+0.8%、PCEデフレーターは事前予想の前月比+2.6%を上回る同+2.7となり、インフレ圧力の強さを確認する結果となった。
以上のことから、30日(火)と1日(水)に行われるFOMCでは利下げが行われないとの見方がされている。
FOMC終了後に行われるパウエルFRB議長の記者会見においても、従来のスタンスを崩すことはないとみられていることから、今回のFOMCでは大きなサプライズはないとの見方が大勢だ。
FRBがどの時期に利下げを開始する見極めるために、市場は引き続き米経済指標の結果を注視するだろう。
2024年4月29日~5月4日の週は、30日(火)に1-3月期米四半期雇用コスト指数、4月米消費者信頼感指数の発表がある。
また、3日(金)には4月米雇用統計の発表があり、1日(水)には前哨戦である4月米ADP雇用統計の発表もあるため、これらの結果にNYダウは翻弄されそうだ。
さらに、2024年4月29日~5月4日の週も米企業決算が相次いで発表されるため、その結果にも影響されやすいだろう。
30日(火)のアマゾン・ドット・コム、2日(木)のアップルなど注目度の高い米企業の決算内容に注意が必要だ。
加えて、中東情勢に対する警戒感は現在幾分弱まってはいるが、2024年4月29日~5月4日の週も引き続き注意したい。
今週の日経平均株価は?
2024年4月29日~5月4日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になりそうだ。
29日(月)は祝日で休場となるため、2024年4月29日~5月4日の週は4日間しかマーケットが動かないが、米FOMCの結果と日米の企業決算の動向に左右されやすいだろう。
既述したようにFOMCに関しては今回利上げは行われないとの見方が強いため、見通しどおりの結果であれば、特に波乱はなく通過しそうだ。
また、注目度の高い米国企業の決算に左右される可能性があるため、結果に注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年4月29日~5月4日の週に推奨したいのは、ソフトウェア関連である。
4月1日に発表された日銀短観では、2024年度のソフトウェア投資計画額が前年度比9.9%増、設備投資額は同3.0%増となり、国内企業のソフトウェアをはじめとするIT投資への需要が旺盛であることが窺える。
そのため、ソフトウェア関連企業にとっては追い風の事業環境が続きそうだ。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは、鉄鋼である。
円安が進行しているため、原料コストの増加がメリットを打ち消すと考えられる。
収益圧迫要因になるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年4月29日~5月4日の週は、30日(火)および1日(水)の米FOMC、30日(火)の1-3月期米四半期雇用コスト指数、4月米消費者信頼感指数、1日(水)の4月米ADP雇用統計、3日(金)の4月米雇用統計のほかに、1日(水)の4月米ISM製造業景況指数、3月米JOLTS求人件数、3日(金)の4月米ISM非製造業景況指数の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、1日(水)のパウエルFRB議長の定期記者会見の内容にも注目したい。