知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年5月13日~5月18日)
2024年5月13日~5月18日の週のNYダウは、前半は不安定な展開になり、後半は4月米消費者物価指数や4月米小売売上高の結果によって異なる展開となりそうだ。
日経平均株価は方向感の出にくい展開になるだろう。
先週の振り返り
2024年5月6日~5月11日の週の日経平均株価は乱高下したが、週間では概ね横ばいとなった。
6日(月)は祝日のため、東京株式市場は休場だった。
7日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となると、もみ合いとなった。
後場の日経平均株価はもみあいが続いたが、半導体株の上昇を受けて再び強含みとなると、前営業日比599円03銭高の38,835円10銭で取引を終えた。
8日(水)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことに加え、フィラデルフィア半導体株指数の下落が嫌気されて、日経平均株価は下げ幅を拡大する展開になった。
後場の日経平均株価は半導体株を中心に売り優勢となったため、下げ幅を拡大すると、前日比632円73銭安の38,202円37銭で取引を終えた。
9日(木)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことを受けて、日経平均株価は軟調に推移した後、切り返した。
後場の日経平均株価は、材料不足から上げ幅を縮小すると再びマイナス圏に沈み、前日比128円39銭安の38,073円98銭で取引を終えた。
10日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を好感して買い優勢となったが、日経225先物が上げ幅を縮小するともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は、休日前の利益確定売りに押されて伸び悩んだが、前日比155円13銭高の38,229円11銭と3日ぶり反発して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年5月13日~5月18日の週のNYダウは、前半は不安定な展開となりそうだ。
その理由として、15日(水)に4月米消費者物価指数と4月米小売売上高の発表が予定されていることが挙げられる。
30日(火)、1日(水)のFOMC終了後に行われたパウエルFRB議長の記者会見では、従来どおり早期利下げに慎重な姿勢を示す一方、「次の利上げの可能性は低い」との発言に加え、年内利下げの可能性を残したことから、市場では利上げや利下げ時期の後ずれに対する警戒感が後退。
さらに、3日(金)の4月米雇用統計が弱い結果となったこともあり、市場では安心感が広がっていた。
そのため、2024年5月6日~5月11日の週のNYダウは上昇したが、7日(火)に米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、ミルケン研究所主催のグローバルカンファレンスで「追加利上げを実施するハードルはかなり高いが、可能性は排除しない」と発言。
インフレがFRB目標への道筋を進んでいると確信が持てるまでは、長期間にわたって金利を現行水準にとどめる方針だと話し、年内に利下げが行われない可能性を示唆した。
また、8日(水)には、米ボストン連銀のコリンズ総裁がマサチューセッツ工科大学での講演原稿において、インフレを低減するには、従来の想定以上に金利を長期間にわたり高水準に維持する必要があるとの考えを示し、過剰に早い利下げはリスクがあると利下げに慎重な姿勢を改めて示したことが報道された。
このように、FRB関係者が利下げに慎重な姿勢を示したため、2024年5月6日~5月11日の週のNYダウは一時下落する場面もあった。
15日(水)に4月米消費者物価指数と4月米小売売上高の発表が控えているため、2024年5月13日~5月18日の週は、前半は不安定かつ方向感の出にくい展開になると考えられる。
今回、4月米消費者物価指数、4月米小売売上高ともに、前月よりも弱い結果になることが予想されている。
結果が強い内容となった場合には、利下げ時期が遠のいたとして、NYダウには下押し圧力がかかると考えられるため、注意が必要だ。
結果が弱いものになった場合には、早期利下げへの期待感からNYダウは上昇しやすいと考えられる。
また、14日(火)の4月米卸売物価指数の結果にも注意したい。
さらに、14日(火)には、パウエルFRB議長の発言が予定されている点にも注意が必要だ。
年内利下げの可能性が後退する発言があった場合には、2024年5月13日~5月18日の週のNYダウの波乱要因となるだろう。
加えて、中東情勢も懸念材料である。
7日(火)からエジプトのカイロで行われていたガザの停戦交渉が、合意に至らず終了したことから、中東情勢のさらなる不安定化が懸念される。
状況次第ではNYダウが乱高下する可能性もあるため、本件の動向にも注意したい。
今週の日経平均株価は?
2024年5月13日~5月18日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開なりそうだ。
既述したとおり、15日(水)の4月米消費者物価指数と4月米小売売上高の発表を控え、週の前半は様子見ムードになりやすいだろう。
加えて、2024年5月13日~5月18日の週も、13日(月)のソフトバンクグループ(9984)、14日(火)のソニーグループ(6758)、15日(水)の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と、注目度の高い企業の決算発表が予定されている。
これらの決算が日経平均株価の動向に影響を与える可能性もあるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年5月13日~5月18日の週に推奨したいのは、銀行の中でも地銀である。
先日行われた日銀金融政策決定会合後の記者会見で、植田日銀総裁が追加利上げの可能性が高いことを示唆し、円安が基調的な物価上昇率に影響を与えるのならば、追加利上げを判断する材料になるとの考えを示した。
また、2026年度までの見通し期間の後半において、物価が見通しどおりに推移すれば、政策金利は概ね中立金利に近い水準になると発言。
タカ派的な会見内容であったことから、市場では今後の値上げへの期待が高まり、年内に3回ほど値上げするのではないかとの見方が強まっている。
利上げは銀行株にとってメリットとなり、中でも地銀株にとっては追い風になるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは小売りの中でもコンビニである。
2月に売上が増加した反動と3月前半に低温になったことから、3月の売上が落ちたとみられている。
4月から6月は全国的に暖かくなると予想されているため、4月以降、売上回復の可能性が高いと考えられているが、4月の売上を確認するまで避けたほうが良さそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年5月13日~5月18日の週は、14日(火)の4月米卸売物価指数、パウエルFRB議長の発言、15日(水)の4月米消費者物価指数、4月米小売売上高のほかに、15日(水)に5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、16日(木)に4月米住宅着工件数、5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、4月米鉱工業生産の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、16日(木)には日本の1-3月期四半期GDPの発表があるため、併せて注意したい。