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今週の相場見通しについて(2024年5月27日~6月1日)
相場見通し(2024年5月27日~6月1日)
2024年5月27日~6月1日の週のNYダウは不安定な展開になると考えられる。
一方、日経平均株価は方向感の欠ける展開になりそうだ。
先週の振り返り
2024年5月20日~5月25日の週の日経平均株価は、上昇する日もあったが、全体として軟調だった。
20日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが上昇したことから、小幅マイナス圏でスタートした後は切り返して上げ幅を拡大する展開となった。
後場の日経平均株価は、上昇銘柄に利益確定売りが入り上昇が一服するともみ合いが続き、前営業日比282円30銭高の39,069円68銭と反発して取引を終えた。
21日(火)は、前日のNYダウが反落した一方で、ナスダック総合指数が上昇したことから、日経平均株価は半導体関連株を中心に買い優勢となったが、その後は材料難で伸び悩んだ。
後場の日経平均株価は、上値の重い展開となると、上昇幅を縮小してマイナス圏に沈み、前日比122円75銭安の38,946円93銭と小幅に反落して取引を終えた。
22日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したものの、SOX指数が反落したことから売り優勢となると、様子見ムードが続いた。
後場の日経平均株価も、エヌビディアの決算発表を前に様子見ムードからマイナス圏で推移し、前日比329円83銭安の38,617円10銭で取引を終えた。
23日(木)は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したものの、日経平均株価は半導体関連株を中心に買い優勢となった。
後場の日経平均株価は500円超上昇する場面もあるなど買い優勢となり、前日比486円12銭高の39,103円22銭と3日ぶりに反発して取引を終えた。
24日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が下落したことから売り優勢となると、ハイテク株を中心に下げ幅を拡大したが、先物を中心に買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。
後場の日経平均株価は安値圏でこう着状態となり、前日比457円11銭安の38,646円11銭と反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年5月27日~6月1日の週のNYダウは、不安定な展開になりそうだ。
その理由として、早期利下げに対する期待が後退していることが挙げられる。
2024年5月20日~5月25日の週は、22日(水)に先日の米FOMC議事要旨公表と米半導体大手エヌビディアの決算発表があり、市場の注目を集めた。
その2日前となる20日(月)に、FRB副議長のジェファーソン氏が、年内に利下げ開始予想に関する明言を避け、インフレ率2%回帰へ持続可能な軌道に戻ったかどうかを判断するには早すぎると述べたことが報じられた。
同氏は14日(火)にも、「インフレ率が目標の2%に低下することを示す証拠がさらに得られるまで、政策金利を据え置くことが適切」と述べたことが報じられている。
また、21日(火)には米アトランタ連銀のボスティック総裁が、インフレ2%目標に向かって鈍化していると自信を持つには時間がかかると述べたことが報じられた。
それ以前にも、ハト派的なスタンスで知られるFRB関係者が、4月のCPIの減速のみでは利下げ開始の根拠にするには十分でないとの見方を示すなど、FRB関係者によるタカ派的な発言が相次いだ。
そうした中、22日(水)公表の米FOMC議事要旨に注目が集まったが、利下げ開始までに予想よりも時間がかかるとし、現行の金利水準がインフレ抑制に適切かどうか不透明との見方を示したことが判明。
加えて、多くの参加者が金利を上げてもインフレ抑制効果が従来よりも小さい可能性を指摘したうえ、インフレ率が持続的に2%に向かっている兆候が示されない場合は、政策金利の据え置きをより長期に維持することや、インフレの可能性が再燃した場合に、追加利上げの可能性についてさまざまな参加者が言及していたことも判明した。
利下げに対する市場の期待とは裏腹に、ややタカ派的な内容であったため、この日の米国株は下落。
一方で、同日に発表されたエヌビディアの決算は、市場予想を超える大幅な増収増益となり、AIが売上の急増に寄与したことが分かった。
そのため、この日はエヌビディア決算の想定以上の好調が、米国株の下落を吸収する形となった。
以上のことから、2024年5月27日~6月1日の週は、再び米国のインフレ動向と利下げ開始時期に市場の注目が集まると考えられる。
特に、31日(金)発表の4月米個人消費支出は注目度が高いため、注意が必要だ。
ほかに、28日の5月米消費者信頼感指数、29日(水)の米地区連銀経済報告書(ベージュブック)、30日(木)の米1-3月期四半期GDP(改定値)といった経済指標の結果にも注目が集まると考えられる。
なお、27日(月)は米国が戦没将兵追悼記念日で休場となることに留意したい。
今週の日経平均株価は?
2024年5月27日~6月1日の週の日経平均株価は、方向感の出にくい展開になりそうだ。
既述したとおり、米国の早期利下げに対する期待感が後退しつつある。
米株価指数が米経済指標の結果に左右されやすいことから、日経平均株価もその影響を受けるだろう。
今週の推奨セクター
2024年5月27日~6月1日の週に推奨したいのは、不動産の中でも都心のオフィスを中心に手掛けるところである。
4月の都心オフィス空室率が低下したことに加え、賃料が前月比で上昇が続いているため、底入れした可能性がある。
今後もオフィス需要が堅調に推移すれば、これらの企業には買いが入りやすくなると考えられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは食品の中でもチョコレート等カカオ製品を取り扱うところや、チョコレート油脂を取り扱うところである。
カカオ相場が高騰していることから、これらの製品を取り扱う食品企業にとってはコスト高を招き収益圧迫要因になると考えられる。
主要産出国であるガーナ、コートジボアールで、大雨や猛暑などの異常気象、黒腐病などの影響により生産量が減少し、供給不足が続くとみられ、相場の高騰が長期化しそうだ。
価格転嫁した場合には需要の減少も考えられ、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、チョコレート油脂に関しては、より安価な製品への需要が高まると考えられるため、売上に影響が出る可能性が考えられる。
今週の経済指標
なお、2024年5月27日~6月1日の週は、28日(月)の5月米消費者信頼感指数、29日(水)の米地区連銀経済報告書(ベージュブック)、30日(木)の米1-3月期四半期GDP(改定値)、31日(金)の4月米個人消費支出のほかに、28日(火)に3月ケース・シラー米住宅価格指数、29日(水)に5月米リッチモンド連銀製造業指数の発表がある。
また、27日(月)には日銀の植田総裁の発言が予定されている。
これらの結果や内容に注意が必要だ。