知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年6月24日~6月29日)
2024年6月24日~6月29日の週のNYダウは一進一退となりそうだ。
日経平均株価は米国の経済指標や海外の政局の影響で、もみ合いになりやすいと考えられる。
先週の振り返り
2024年6月17日~6月22日の週の日経平均株価は、下落する日もあったが週間では上昇し堅調だった。
17日(月)の日経平均株価は、前週末のNYダウが下落したことを受けて売り優勢となると下げ幅を拡大し、一時38,000円台を割り込んだ。
後場の日経平均株価は材料難から底這いが続き、前週末比712円12銭安の38,102円44銭で取引を終えた。
18日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことから買い優勢となったが、上値の重い状態が続いた。
後場の日経平均株価も買いが続かず、前日比379円67銭高の38,482円11銭で取引を終えた。
19日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数の上昇を受けて買われたが、一巡後は伸び悩んだ。
後場の日経平均株価は上値が重く伸び悩み、前日比88円65銭高の38,570円76銭と小幅上昇して取引を終えた。
20日(木)の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったことから材料難であったが、売られる展開となった。
後場の日経平均株価は下げ幅を縮小した後プラスに転じ、前日比62円26銭高の38,633円02銭で取引を終えた。
21日(金)は、前日のNYダウが上昇した一方、ナスダック総合指数が下落したことを受けて、日経平均株価はやや売り優勢となった。
後場の日経平均株価は、やや下げ幅を拡大すると小動きとなり、前日比36円55銭安の38,596円47銭と小幅反落して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年6月24日~6月29日の週のNYダウは、一進一退となりそうだ。
米経済指標の結果を受け、利下げ時期を探る動きが継続するだろう。
足元の経済指標はさえないものが多く、たとえば18日(火)発表の5月米小売売上高は、事前予想の前月比+0.2%に対し、同-0.1%と下回った。
また、自動車を除いた小売売上高も、事前予想の前月比+0.2%に対し同-0.1%と予想外に減少。
前月についても横ばいまたは増加から減少に下方修正された(4月米小売売上高:前月比0.0%→同-0.2%、4月米小売売上高(自動車を除く):0.2%→-0.1%)。
2月、3月と力強い伸びを示していたが、4月に入り急激に減速したことが判明し、インフレの長期化や家計ひっ迫、労働市場の過熱感が収束しつつあることを受けて、米国の消費に影響があるのではないかとの見方が浮上。
20日(木)発表のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は事前予想の5.0に対し1.3となり、同日発表の5月米住宅着工件数も事前予想の137万件に対し127.7万件、前月比+0.7%に対し同-3.8%と大幅に下回っている。
軟調な経済指標の結果から早期利下げへの期待感が高まる一方で、米国の景気がソフトランディングできるかどうかにも市場の注目が集まっているようだ。
今回の米小売売上高は軟調な結果となったが、概ね拡大傾向が続き、鉱工業生産指数もコロナ禍後に順調に回復が続いていることから、現状は心配なさそうだ。
したがって、当面は経済指標の結果を受けて利下げ時期を見極めようとする動きが続くとみられるが、FRBが利下げに慎重な姿勢を崩していないことがNYダウの上値を重くさせるとみられている。
18日(火)にはクーデラーFRB理事が、インフレ鈍化の兆候が窺えるとの認識を示し、経済情勢が「正しい方向」に進み続ける限り、年内の利下げ開始が適切になると述べると同時に、これまでのインフレ対策での進展を犠牲にしないよう利下げを進める前に注意する必要があるとして、慎重な姿勢を示している。
また、米ダラス地区連銀のローガン総裁が、インフレ鈍化の兆候を示す最近のデータは歓迎すべきニュースとする一方で、「インフレ率2%回帰見通しに本当に自信を持つには、あと数カ月分のデータを見る必要がある」と指摘。
ボストン連銀のコリンズ総裁も、物価圧力の緩和を示す一段の証拠が必要になるため、今は利下げに動く時期ではないとの考えを示している。
米セントルイス地区連銀のムサレム総裁やリッチモンド連銀のバーキン総裁も、FRBは利下げに踏み切る前に、数か月分の経済データを分析する必要があるとの考えを示すなど、これまでどおり利下げに対し慎重な姿勢を示すFRB関係者は多い。
現状は市場が期待する早期利下げを打ち消す発言が多いため、2024年6月24日~6月29日の週も経済指標の結果には注意が必要だ。
特に、26日(水)の5月米新築住宅販売件数や27日(木)の1-3月期米四半期GDP、28日(金)の5月米個人消費支出の結果に注目が集まるだろう。
さらに、2024年6月24日~6月29日の週は、今秋の米大統領選に向けた動きがある。
27日(木)にバイデン氏とトランプ氏によるテレビ討論会が予定されていることから、討論会の内容がNYダウやナスダック総合指数に影響を与える可能性があるため、注意したい。
今週の日経平均株価は?
2024年6月24日~6月29日の週の日経平均株価は、米国の経済指標の結果や米国をはじめとする海外の政局の影響を受けて、もみ合いになりそうだ。
なお、週末は四半期末にあたることから、ポジション調整の動きが出やすいとみられるため、注意が必要だ。
今週の推奨セクター
2024年6月24日~6月29日の週に推奨したいのは、大手商社である。
大手商社5社の会社計画は、為替前提と資源価格を考慮するとやや保守的と考えられる。
急激な円高や資源価格の急落といった波乱要因がない限り、業績は上振れしやすいだろう。
また、インフレやサプライチェーンの混乱といった要因は中長期的に追い風になると考えられ、ポジティブである。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは鉄鋼である。
鉄鋼メーカーは世界的に採算が悪化しており、欧米を中心に減産したものの生産を再開した。
粗鋼生産は減産傾向にあるものの本格的な減産には至っておらず、北半球は不需要期に突入していることから、鋼材や鉄鋼原料の市況は悪化したままとなるため、避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年6月24日~6月29日の週は、26日(水)の5月米新築住宅販売件数や27日(木)の1-3月期米四半期GDP、28日(金)の5月米個人消費支出のほかに、25日(火)に6月米消費者信頼感指数、6月米リッチモンド連銀製造業指数、27日(木)に5月米耐久財受注、28日(金)に6月米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)の発表がある。
これらの結果にも注意が必要だ。