知人の金融関係者に寄稿してもらい毎週1回、今週の相場見通しをお届けします。
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今週の相場見通しについて(2024年6月17日~6月22日)
2024年6月17日~6月22日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
日経平均株価は方向感の定まりにくい展開になるだろう。
先週の振り返り
2024年6月10日~6月15日の週の日経平均株価は、下落する日もあったが、週間では上昇し堅調だった。
10日(月)は、前週末のNYダウやナスダック総合指数が下落した一方、日経平均株価は円安を受けて買い優勢となると上昇し、38,800円台でもみ合いとなった。
後場の日経平均株価は円安が進んだが高値圏でのもみ合いが続き、前週末比354円23銭高の39,038円16銭で取引を終えた。
11日(火)の日経平均株価は、前日のNYダウとナスダック総合指数が上昇したことを受けて買い優勢となると、一時39,300円台まで上昇したが、その後はやや失速するともみ合いとなった。
後場の日経平均株価は米FOMCを前に小動きとなり、前日比96円63銭高の39,134円79銭で取引を終えた。
12日(水)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことを受けて売られると、もみ合いとなった。
後場の日経平均株価は軟調に推移し、前日比258円08銭安の38,876円71銭と反落して取引を終えた。
13日(木)は、前日のNYダウが下落した一方、ナスダック総合指数が上昇したことから、半導体関連株を中心に買われる展開となり、日経平均株価は上昇するも、その後マイナス圏に沈んだ。
後場の日経平均株価は小幅安でのもみ合いが続き、前日比156円24銭安の38,720円47銭で取引を終えた。
14日(金)の日経平均株価は、前日のNYダウが下落したことに加え、SQ算出絡みの売買が売りに傾いたとの見方が強まり、売られる展開となった。
後場の日経平均株価は、日銀の金融政策決定会合を経て円安が進んだことから買い優勢となり、前日比94円09銭高の38,814円56銭と3日ぶりに反発して取引を終えた。
今週のNYダウは?
2024年6月17日~6月22日の週のNYダウは不安定な展開になりそうだ。
18日(火)の5月米小売売上高、21日(金)の6月米製造業PMI、6月米サービス業PMI、6月米総合PMIなど多くの経済指標が発表されるため、結果に左右されやすいだろう。
足元では米国の早期利下げに対する期待感は後退しているが、経済指標の結果が事前予想を下回る弱いものとなれば、再び利下げに対する期待感が再燃すると考えられる。
11日(火)、12日(水)に開催された米FOMCでは、予想どおり金利が据え置きとなった。
FOMC声明文は冒頭の「2%の物価目標に向けて緩やかながら一段の進展がみられた」と変更された以外、内容は前回と同様であった。
公表されたドットチャートから、年内の利下げは1回との見通しが立てられていることが判明したが、2025年と2026年に関しては利下げ回数が増えている。
そのため、概ね予想どおりでそこまでのサプライズはなかったといえよう。
ただ、当初年内の利下げは3回との見通しだったことから、利下げ回数が1回に減ったことを市場はネガティブに受け止め、この日のNYダウは下落。
その後も軟調に推移している。
なお、パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信を得られるまで、利下げすることは適切ではない」と述べ、従来通りのスタンスを維持することを示した。
また、「誰も利上げを基本シナリオとして想定していない」と利上げについては否定的であり、「利下げを開始するには、労働市場や経済成長、インフレに関するデータを総合的に判断する」など、これまでどおりデータ次第で決めるとする立場を維持した。
そのため、一部では年内2回の利上げの可能性はまだ残っているとの見方もされている。
いずれにせよ、パウエルFRB議長の会見から、FRBは今後も経済指標の結果によって利下げのタイミングを探るとの立場であることが窺えるため、2024年6月17日~6月22日の週のNYダウは、米経済指標の結果に影響を受けやすく、不安定な展開が続くと考えられる。
特に18日(火)発表の米小売売上高については、GDPの7割ほどを占める米国の個人消費の動向を把握するうえで重要な指標である。
市場の注目が集まりやすく、結果を受けて市場の利下げ期待が再び高まればNYダウには強い上昇圧力がかかると考えられる。
反対に早期利下げ期待が遠のくようであれば、下落するだろう。
さらに、FRB関係者の発言についても注意が必要だ。
今のところ年内利下げは1回との見通しであるが、よりタカ派的な内容やハト派的な内容の発言があった場合には、NYダウは急騰したり急落したりする可能性がある。
今週の日経平均株価は?
2024年6月17日~6月22日の週の日経平均株価は、方向感の定まりにくい状態になりそうだ。
FOMCと日銀金融政策決定会合を通過し材料が乏しいことに加え、米国では多くの経済指標が発表されるため、米国市場の動向に左右されやすいだろう。
ドル円の動向にも影響されやすいため、為替の動きにも注意したい。
今週の推奨セクター
2024年6月17日~6月22日の週に推奨したいのは、中古車販売である。
円安に伴い輸出需要が増加しているため、追い風の事業環境となっている。
中古車価格が高値となっていることも、これらの企業にとってはポジティブ材料といえるだろう。
今週の非推奨セクター
一方、避けたいのは非鉄である。
コスト上昇や先行投資の負担、一部電子材料の低迷などから業績は伸び悩みそうだ。
現状、投機資金の流入により金属相場が高値にあるため、マージンの拡大や在庫評価の上振れなどにより、いずれ非鉄金属に関する事業の収益は改善される可能性がある。
ただ、今のところは避けたほうがよさそうだ。
今週の経済指標
なお、2024年6月17日~6月22日の週は、18日(火)の5月米小売売上高、21日(金)の6月米製造業PMI、6月米サービス業PMI、6月米総合PMIのほかに、17日(月)に6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日(火)に5月米鉱工業生産、20日(木)に6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、14日(金)に5月米中古住宅販売件数の発表がある。
これらの結果に注意が必要だ。
また、21日(金)には日本の5月全国消費者物価指数の発表があるため、結果に注意したい。